試験?
少し短いです。
その日、いつもより少し遅く目覚めたレダは、起き抜けに頭を抱え、
「ああ、昨夜は、飲み過ぎた。」
とタメ息混じりに言うと、テーブルの下には、昨夜空けた酒瓶が大量に転がっていた。
姿見の前で権能を使うと、一瞬で、制服を纏い、テーブルの下の酒瓶が消滅していた。
ルナは、既に食堂に居るのだろうか?レダが部屋を出ようとノブに手を掛けた瞬間、ドアが開かれ、笑顔のルナが、
「宿酔?いつもより遅いわよ(笑)
しかし、レダの権能って便利ねぇ、何も無い処から、お酒が現れるのだから、でも、何で食べ物は、出せないの?」
「天使は、天界から祝福の酒精を呼び出す事が出来るのじゃ。
それを、顕現させた水の中に落とし込めば良いだけじゃが、食べ物は、次元の断層を越える事が出来んからな。」
「ふぅ~ん、そうなんだ。
でも、昨夜のは、祝福と言うよりも、悲しい酒だったね。」
「ふん!女神の器を持つ儂ならば、祝福でなくとも、好きに酒精を呼び出すなど訳ないわ。」
「何でもいいけど、食堂に行こう!」
2人が食堂に到着すると、すぐにレオを見付ける事が出来たのだが、2人が居なかったり、遅れて来た時に居る筈の、レオのファン(とりまき)が居ないのだが、レオの座るテーブルの真正面に1人の少女が座っていた。
日頃、レオを囲んでいる、3年の女子達も、少し離れた場所から、レオと少女の様子を伺っている様で、食堂全体に、妙な緊張感が漂っていた。
その、空気のせいか、レオの周りの一定の距離の中に着席している者が居なかった。
レイナとルナは、そんな空気等関係無しに、レオの両隣に座り、レオと少女に、朝の挨拶をした。
「ご丁寧に、ありがとうございます。」
2人の挨拶に、頭を下げ返事をした少女が続けて、レイナとルナに語り掛ける。
「私は、2年主席のサファイアと申します。
今は、故あってレオ君に、魔法の事を教えて貰っております。
お2人からレオ君を引き離す様な事は、全く心にもございませんので、安心して頂きたいのです。
ただ、次の魔導師ギルドの試験の日まで、レオ君から魔法の事を教わりたいのです。」
「ふ~ん、解ったわ、別にレオは私達の物ってわけじゃないし、私達に断りを入れる必要もないわよ。
それから、その試験、レオと私達も受験するから、勉強するなら、一緒にしませんか?」
レイナは、天使の様な笑顔をサファイアに向けて提案した。
(実は、本物の元天使だけど。)
「あの~、レイナさん、僕、試験の話し今初めて聞いたんですけど、どう言う事ですか?」
「あのねレオ君、私達も昨日の夜に、理事長先生から聞いたのよ。
ほら、寮の中って異性は、立ち入り禁止でしょ。
今日、正式に発表が有るけど、心の準備がいるとかで、昨夜、寮まで教えに来てくれたのよ。
で!朝にレオ君に、会ったら伝えておいて欲しいと言われたの。」
ルナの話しを聞いたレオは、
「魔導師ギルドの試験って何か自信ないなぁ、でも、皆で一緒に勉強出来るって、楽しそうだね。」
と、少し不安交じりだった。




