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グレンのテーブルマナー

 学生寮、この王位中央学院の学生寮は、男子寮と女子寮の3階建ての建物が向かい合わせに並んでおり、その向かい合わせの奥のには、渡り廊下で繋がれた食堂と娯楽室が設けられているので、食事の時間と自由時間は、男女が一緒にすごす事か出来るようになっている。


 レオやレイナ、ルナ達は、入寮初日こそ、食事中にも人集りができたものの、各クラスの担任や寮母さん達の指導により、2日目以降、レオ達に対して不必要に接触する事が少なくなったが、それでも、こそこそと接触を試みる者が後を絶たなかった。


 そんな中、入寮して1週間程経ったある日の夕食時間に、特優学級(トップクラス)の1年生10人が別室に呼ばれ、普段と異なる食事を提供された。


 それは、貴族風の豪華なディナーだった、勿論これは、学校教育の一環であり、食事マナーの授業だった、皆それぞれに、ある程度のマナーを身に付けていたのだが、クラス長となったグレンは、馴染みのない豪華な食事に悪戦苦闘しながら、礼儀作法の講師と寮母を兼任するエリザベス女史に、かなりのダメ出しをくらい、食後に娯楽室で、


「あんなに豪華な食事なのに、食事の味が分からなかった!」


 とこぼしていた。


 その愚痴を近くで聞いていた、特優学級(トップクラス)の上級生の1人が、笑いながら、


「後輩君、君もエリザベス女史に、こっぴどくヤられたのかい?(笑)」


「君も?と言う事は、先輩もなのですか?」


「ああ、私も彼女には、かなり厳しく指導されたものだ(笑)」


「先輩の様に、お淑やかに見える女性が?」


「私が淑やかに見えるなら、それは、エリザベス女史のお陰かな(笑)私の両親は、共に冒険者で、結構、豪快な両親だったから、私もテーブルマナーなんて全く知らなくて、そりゃあ酷いモノだったんだ。

 でもエリザベス女史の指導よお陰で、1年もすれば、貴族の食卓に呼ばれても、恥をかかない程度にはなったから、後輩君も頑張ると良いよ。

 ちなみに、私の名前はノーナ、ノーナ·カーライルだ、今後、困った事があったら、いつでも相談にのるから、気楽に声を掛けておくれ。」


 彼女は、そう言って娯楽室にいる、特優学級(トップクラス)の1年生全員に向けて自己紹介をした。

 先輩の自己紹介を受けて1年生の特優学級(トップクラス)は全員、起立してグレンから順番に自己紹介を始め、最後にレオの自己紹介が終わると、


「君が今年の、噂の渦中の天才君だね。

 上級生の中でも、弟にしたいNo.1とか、ペットにしたい程可愛いとか、噂で持ちきりだよ。」


「ペット枠なんですか?」


 レオが苦笑いしながら答えると、


「実際に、見た感じ確かに可愛いんだけど、内面から滲み出る凛々しさや風格の様なモノも感じられるね。」


「いゃあ、そんなに言われる程スゴくないですよ。

 もし僕がすごいなら、それは、僕を育ててくれた2人の姉のお陰です。」


 と言うと、何故かレイナさんとルナさんがフフンと鼻を鳴らしていた。


「そうか、レオ君には、お姉さんが2人居るのか、私にも1人弟が居るのだが、甘やかす事はあっても、勉強等教えた事はないなぁ、君のお姉さんは、きっと君の事を本気で大切に思っているんだな。」


「おいノーナ、早速、可愛い1年生に唾付けてるのか?」


「別に、唾付けてる訳じゃないよ、親睦を深めながら、困った時は、上級生が力になるってアドバイスしてただけだから。

 そんな事言って、あんたらも、噂の美人の後輩とお近づきになりたいんじゃないの?」


 とノーナ先輩に言われた上級生の男子2人は、


「俺の名前は、アルトで、こっちの奴は、ライオットだ、何かあったら、俺達の処にも相談に来てもいいぜ!」


 と言い残して娯楽室を後にした。


「ここの先輩方は、優しい人ばかりなんですね。」


「そうだね、大体は、気さくで人のいい者ばかりだけど、1人取っ付き難いのが居るんだ、寮で私服の時は、いつもドレス姿だから、判りやすいんだけど、私達と同じ2年のクラス長で、サファイアって名前で公爵家の令嬢なのに、何故か一般で試験を受けて、特優学級(トップクラス)に入った変わり者が居るんだが、滅多に他人と喋らないし、話し掛けても無視されるから、関り合いにならない方がいいよ。

 後、3年生は、夏以降、外部実習が多くなって、なかなか学校に来なくなるから、仲良く成りたいなら、夏迄に仲良く成らないとね。」


「ノーナ先輩、色々教えて頂いて、ありがとうございます。」


 グレンがお礼を述べると、ノーナ先輩は、笑顔で、


「私でいいならいつでも頼っておくれ、特にレオ君、君なら何を置いても一番に相談にのるし、デートのお誘いでもすぐにOKするよ(笑)」


 ノーナ先輩は、そう言いながらレオの前に来て頭を撫でて娯楽室を出て行った。


「チェッ!やっぱり女は、レオ目当てなんだな、顔の良さなら、エルフのルイスも負けてないのに。」


 とグレンが愚痴をこぼすと、ルイスは、


「グレン、君だって中々の男前だと思うぞ、大体、他人と比べて、他人を羨むなど馬鹿げてる、君には、君の良さがある。」


「俺の良さって?」


 グレンの質問にルイスが言葉を詰まらせると、グレンは肩を落として部屋に帰って行った。

 その後には、グレンを引き留めようと伸ばしたルイスの腕が虚しく宙に游いでいた。

 

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