表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/64

レオは、学校の試験を受ける事になった。

 レオが10歳になる頃には、ユ·スの街の人口は、8万人程に増えていた。


 レダがユ·スの街に住み着いてからの、ベビーラッシュで、街には子供が増え、レダの診療所の分院も産科だけではなく、小児科や一般的な診療所を更に4軒増やした。

 その結果、かなりの蓄財に成功し最初に作った診療所の隣には、レストランを建て人を雇い経営者となっている。

 更には、全ての診療所での、薬の売上(通常のポーション等も売っているが、媚薬の類いが、やはり人気している。)が好調で、この街のベビーブームは更に続くと予想される。


 そんな中、レオは、最近、診療所内で近くの子供達に読み書きと、算数を教えている。

 この街では、基本、貴族や商人以外の文盲率が高く、読み書き出来ない者は、大人になると、家業を継いだり、冒険者や猟師、農業に従事するのが一般的だったので、子供達の将来の職業の選択肢を増やすために、レダがレオを唆し塾の様な事を始めさせたのだが、最初の頃は、近くの大人までが、子供に混じって読み書きの勉強をしていた。


 しかし子供達が、ある程度、読み書きを覚えた頃、メルローズとエマの子供のエル(エマは、昔エルと呼ばれていたレオの名前が気に入って自分の子供に付けたいとレダに相談して快諾された。)達、数人の子供が、魔法を覚えたいと言ってきたので、希望者には、魔法の基礎を教え始めた。

 そして、魔法を教え始めたレオを見て、15~6歳位の新成人程に育ち、益々、美しさに磨きがかかった、カルナがレダに問いかける。


「ねぇレダ、メルローズとエルを唆して、レオに魔法教室まで始めさせたけど、どう言う事なの?」


 10年前にユ·スの街に住み着いた頃と寸分違わぬ姿のレダが、薄く微笑みながら、カルナの問いに答える。


「カルナよ、一度覚えた知識や身体の使い方は、他人に教える事で、更に一段深く理解して当人の血肉になるのじゃ!

 レオは、慕って来る子供達に、魔法や剣術、格闘技を教えながら、周りの子供達と一緒に自分も更に理解を深め成長していると言う事じゃ。

 それとカルナは、歴代の勇者パーティーは何故、幼馴染みで組まれる事が多いか知っておるか?」


「ん?なんで?」


 カルナは、美しい純白の髪の毛を揺らしながら、小首を傾げる。


「勇者と言う特異点と、幼い頃から行動を共にする事で、特異点の影響を受け、才能が開花しやすくなるからじゃ。」


「じゃあレダは、レオを勇者に育てて、周りの子供達とパーティーを組ませるつもりなの?」


「いいや、魔王は、きっと何処かに居るのじゃろうが、人と争っている話しも聞かんから、勇者は必要ないじゃろう。

 むしろ、魔王にでも成った方が、波瀾万丈で楽しそうじゃがな(笑)」


「レオ程に心の優しい子が、魔王になる理由(わけ)がないでしょ!」


「お主は、知らぬのか?

 最初の魔王は、優し過ぎる程に優しかったから、虐られた異形の者達の為に闇堕ちしたのじゃ。

 それにな、儂とお主がレオに従えば、堕天使とドラゴンを従えさせた存在(笑)まんま魔王の様ではないか(笑)」


「そう言われてみれば、そんな感じだけど、レダは、レオを魔王にしたいの?」


「いいや、面白いと言っただけで、魔王になどさせぬは、今は世の中平和じゃからのぅ、学校の教師にでも成って、優秀な人材を多くこの世に送り出す、と言うのが無難で善いかもな。」


「レダは、やっぱりレオに平穏に暮らしてほしいのかな?」


「それはそうであろう、初めて自分で育てた子供じゃ、いくら自分が産んだ子供ではなくても、この世で一番愛しい我が子じゃが、そろそろ儂の事を、お姉ちゃんと呼ばせねば(笑)」


「それ、譲れないところ?」


「勿論じゃ!」


「私はずっと、お姉ちゃんって呼ばれてるよ(笑)」


 カルナがレダに勝ち誇った笑みを浮かべていると、魔法の授業を終えたレオが、部屋に入ってきた。


「カルナ姉ちゃん、何か愉しそうだね。」


「レダが、お姉ちゃんって呼んで欲しいんだって(笑)」


「レダ母さんを、お姉ちゃんって呼ぶの?」


「そうよ、レダは、いつまでも若いから、そろそろお姉ちゃんって呼ばれたいみたいよ(笑)」


「そのぐらいなら、全然構わないよ。」


 レオの言葉に、花が綻ぶ様な笑顔になったレダが早速、


「じゃあ早く、お姉ちゃんと呼んで!」


 と待ちきれない様子でレオに言うと、少し躊躇して、


「いつまでも若くて綺麗な、レダお姉ちゃん、ずっと綺麗なままでいてね。」


 その言葉を聞いたレダは、嬉しさのあまりレオを抱き締め、何度も頬にキスした。

 カルナは、横でいちゃつく2人を醒めた目で見ながら、


「ところでレオ、何か用事があったの?」


 レオは、抱き付くレダを引き剥がしながら、


「そうそう、レダ姉さんに報告があったんだ。」


 レオに両手で引き剥がされながらも、抱き付こうとしていたレダは、おもむろに居ずまいを正しながら、


「それで、レオ何用じゃ?」


「レダ姉さんに言われた、僕の代わりに教えられそうな人だけど、メルローズちゃんとエルちゃんにエルフのメリダとアルマは、OKしてくれたよ。

 でも何で、代わりに教える人が必要なの?」


「レオには、王都の学校に行ってもらおうと思ってるの。

 今のままでも、大人に成って大丈夫なのじゃが、将来も今の様に子供達に勉強を教えるとなると、教師の資格を取っておけば、ここで教えた子供達にも、学校卒業の資格を与える事が出来るし、もしレオが、それ以外の道を見付ける事があったとしても、学校を出ていて損はないはずよ。」


「でも、学校って12歳からだよ。」


「レオ、貴方は優秀だから、飛び級試験を受けてもらうわ。

 優秀な子供は、8歳から受験出きるのよ。」


「まぁレダ姉さんが、そう言うのなら試験受けてみるよ。」


 こうして、レオは、王都の学校の飛び級試験を受ける事になった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ