猫とレオ
診療所に4匹の猫が増えた。
この猫達はカルナがレダと出会う前に一緒に暮らしていた猫達である。
4匹の名前はクロ、シロ、ブチ、トラの4匹、リーダー格のクロ、大人しく人懐っこいシロ、常に食べ物を探しているブチ、落ち着きがなく悪戯好きなトラとそれぞれに、個性的な4匹だった。
診療所内は、産まれたばかりの赤ん坊が居るために、猫達は、6頭に増えた山羊の厩舎で山羊と共に仲良く暮らしている。
カルナとレオが山羊を連れて原っぱへ放牧に行く時には、必ず付いて来る。
最初の頃は、カルナとレオの格闘技の練習を、遠目に見ながら、山羊が遠くに行かない様に行動範囲の管理をしてくれている。
牧羊犬さながらの大活躍である。
ところが、暫くすると、レオを、お兄ちゃんと慕うメリッサの娘のメルローズや、数人の子供達が、付いて来る様になり、レオの稽古の邪魔にならない様にと、猫達が子供達の遊び相手をする様になった。
全く頭のいい猫達だ。
しかし子供達もレオが目当てで付いて来ているので、いつの間にか、レオと共に訳も解らず、格闘技の練習をする様になっていた。
さながら青空道場なのだが、1年もすると、訳も解らず、一緒に身体を動かしていた子供達も、妙に様になってくる。
レオはというと、元からのパラメーターの高さ故か?カルナの教えた事は、瞬く間に覚えてしまい、メルローズ達のコーチをしている事もある。
元々、レオが目当てで付いて来ているので、レオがコーチすると、子供達は大喜びするのだが、最近、剣術の稽古を始めたので、そうそう構う事も出来ずにいると、メルローズまでが、剣術の稽古を始め出した。
この頃になると、夜は夜でレダによる勉強会で、読み書きと計算が出来る様になると、自然科学に始まり属性魔法や精霊魔法についても学び始めていた。
普通なら、6歳の子供に、格闘技や剣術、魔法の勉強等、負担でしかなく、嫌がりそうなモノだが、知能や体力のパラメーターの高いせいなのか?レオは、嫌がりもせず、2人の教える事をドンドン吸収していった。
猫も猫で、この頃になると、子供の相手をしなくてもよくなったので、牧羊猫として活躍している。
そんな折に、レオの稽古に手が掛からなくなってカルナは、診療所に戻りレダと2人で、お茶をのみながら。
「カルナ、お主の連れて来た猫どもじゃが、下手な人間よりも頭がよくないか?」
カルナは、にっこり笑って、
「そうでしょ(笑)クロ達も私の家族だからね。」
「それにしても、行動に卒が無さ過ぎる。」
「猫は猫でも精霊種だからね。」
「ケット·シーなのか?」
「そうだよ。」
「成る程、納得じゃ。」
カルナは、テーブルの紅茶を飲み干し、新たにティーカップに、紅茶を注ぐと、
「レダは、こうなると分かっていたの?」
「何がじゃ?ちびっこ達の事か?」
「それも有るけど、レオの事。」
「レオが何かおかしいのか?」
「物覚えが早いと言うか、吸収するスピードが早すぎる。」
「それは儂も思った、多分なのじゃが、転生者として生まれたレオの脳ミソは、産まれた時点で、ある程度成長した状態だったのかも知れん。
あの、歳不相応の理解力は、そうでなければ、説明がつかんわ。
そのうちに、前世の記憶を思い出すやも知れんな!」
「それプラス私達の加護のせいかな?」
「加護と言えば、レオは、オールラウンダーの魔法使いになるぞ。」
「全属性使えるんだ。」
「普通なら、オールラウンダーと言っても地、水、風、火の4属性が関の山で、そこから派生する雷が使える程度じゃが、光属性、聖属性、闇属性の普通は、どれか1つでも使えれば、他の属性を使う事が出来ない様な特殊属性の全てにまで適性が有るのじゃ。」
「将来、勇者か大賢者まっしぐらだね。」
「うむ、ちと鍛え過ぎたかかのう?」
「過ぎてはいないと思う、ある程度を教えると、そこから勝手に発展させたり応用したりして、自力で成長してる。」
「カルナもそう思うのか?」
「年齢は、まだ6歳なのに、既に15~6歳の成人したての若者並みに強いよ。」
「将来の事、考えるのが怖くなってきた。」
「近いうちに、人間を卒業するかも(笑)」
「カルナよ笑い事では無いわ!」
レオの将来に妙な不安を抱えながら2人のティータイムは、レオが戻るまで続いてゆく。
後で少し内容に手を加えるかも?




