表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/48

4》♣︎動物たちの救出〜戦闘と疑問~♣︎

ダイスを捕らえ攻撃しようとしたその時、トウマの後ろの方で銃声が聞こえ……。

 トウマは荷馬車に寄りかかるように身をひそめ、ダイスが来るのを待った。


(相手は警戒してくるはず。それに、あの女が荷馬車の中で、大人しくしているとも限らない。だけど……)


 するとダイスが、キョロキョロと辺りを警戒しながら、荷馬車のものかげから、顔を出した。


 それを確認するとトウマは、すかさずダイスの足もと目掛け、


 《トリプルチェーン!!》


 そう呪文を唱えると、紫の魔法陣が現れ、そこから3本の鎖が飛び出し、ダイスの両足と腰に巻きついた。


「クッ、これは!?」


(よしっ!捕らえた。後は……)


 トウマは即座に、鞘に収まったままの剣を持ち、ダイスの懐に入った。


(イケる!)


 トウマは瞬時に、鞘に収まったままの剣を、左下から右上に、振り上げようとしたその時。


 後方から『パァーン!!』と銃から弾丸が放たれた音がした。


 トウマはその音を聞き、咄嗟に地面を蹴り、ダイスを押し倒し、迫り来る弾丸を避けた。


 だが一歩おそく、トウマの右肩をかすめた。


 ダイスは倒れた拍子に、頭を地面に叩きつけ、気絶してしまった。


 トウマは右肩を押さえ立ち上がり、弾丸が放たれた方へと視線を向けた。


 するとクオレが、数メートル離れた場所で、トウマに銃口を向け立っていた。


「あら。これは、なかなか可愛い坊やじゃない。殺すのは惜しいはねぇ」


「クッ!坊やって……オレは……」


 トウマはクオレを睨みつけ、自分は女性だと言いかけたが、言うのをやめた。



 下手に自分の性別がバレ、その事がきっかけで、色々と面倒な事になるのも嫌だった。


 それと、召喚主であるアルベルトに、女性である事は、他の者たちには悟られるなと、言われていたからだ。



「あら?気に触ったのかしら。でも男にしては、綺麗な顔をしているわね。それに身体もそうだけど……」


 そう言いながら、クオレはトウマを品定めするような目で見た。


「オレが女のようだと、言いたそうだな」


「クスッ。そうねぇ。それにしても、よくその体格で、ダイスとビスを倒す事ができたわね」


「何が言いたい?」


「そうねぇ。あたしは、坊やの目的が知りたいのよね」


「目的?」


「そう、この荷馬車……いえ、あたし達を襲った理由。それに、坊やの身なりを見る限り、裕福そうなのでねぇ」


「……」


 そう言われ、どう答えるか迷った。


(流石に、しゃべるうさリスを、もふギュッ!したいからとはいえない。いやそもそも、それだけの理由じゃなかった!)


「どうしたのかしら?お金、目当てじゃない事は明白よねぇ」


「ああ。オレはたまたま、この荷馬車を見つけ近づき、お前たちの話を聞いた」


「という事は……なるほどね。あたし達を倒した後、この荷馬車の中の、動物たちを助ける事が、坊やの目的ってわけねぇ」


「そういう事だ」


「ふぅ〜ん。ねぇ、坊や。あたし達と組まない?悪いようにはしないわよ」


 そう言われ、トウマは首を傾げた。


「何でお前たちと、手を組まないとならない!?」


「フフ……その剣の鞘に描かれている紋章は、ルディ家のものよね?」


 そう言われトウマは、手に持っている鞘を見た。


「……」


(そう言えばこの剣って、屋敷を出る前に、アイツ(アルベルト)がオレにくれた物。

 ってか、気づかなかったけど。これ、ルディ家の紋章だったんだな)


「……って事は、坊やはルディ家の者って事かしら?それとも、その剣は盗んだ物……とか?」


「……」


「そうねぇ。確か領主であるアルベルト・ルディ伯爵は、結婚などされておらず、御子様はいなかったはずだけど……」


 そう言うと、トウマをジーッと見た。


「そ、それは……」


「盗んだ物にしては、あまりにも堂々と、使っているようだし」


(てか、仲間にって、この女なにを考えてるんだ?)


「まぁ、その事について追求しても、仕方ないわね。だけど、その歳で、それだけの腕を持ってるって事は、ただ者ではないわよね?」


「……さっきから、何が言いたいんだ?」


「あらあら、ただ、色々と坊やの事について、知りたかっただけよ」


「知ってどうする?」


「あたしの勘が坊やを、敵にまわさない方がいいと、言っているのよね。だから、仲間にならない?」


「オレはお前たちの、仲間になるつもりはない!それに、この剣は盗んだ物じゃない!」


「なるほどね。それが盗んだ物じゃないなら、やっぱり、ルディ家の縁の者って事になるわね」


「それは……」


 トウマが、どう答えたらいいか悩んでいると、クオレが更に聞いてきた。


「まさか!?坊やが、困った顔をしているという事は……。アルベルト様の隠し子!」


 そう言われ、トウマの顔が青ざめ、頭を抱えながら、


「……アルベルトの隠し子って……いや、違う。てか、それだけは、ぜったい勘違いでも嫌だぁ〜!!」


 と、絶叫してしまった。


「ん〜、それにしても変ね。アルベルト様の事を呼び捨てにするって……。どういう関係なのかしら?」


 そう言いながら、クオレは警戒しつつ、トウマに少しずつ近づいていた。


(しまった!つい嫌な事を言われて……だけど、この場合、どう答えたらいいんだ?)

読んでくれてありがとうございますヽ(^o^)


『オレ何やってるんだ?よりにもよって……だけど、このクオレって、何者なんだ?やたらと色々と詳しいけど』…by,トウマ


『クスクス。坊や、あたしはねぇ。……フフ、言おうと思ったけど、やっぱりやめておくわね。後でその事について教えてあ・げ・る!』…by,クオレ


『……Σ(ll゜Д゜ll) (気になるけど……何か後が怖そうだし、これ以上、聞くのはやめておこう)』…by,トウマ


と、いう事で……∩^ω^∩


では、次話もよろしくお願いします(*^ω^*)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] しゃべるうさリスを、もふギュッ!したいは、胸を張って宣言して良い理由ダヨ∠(`・ω・´)! かわいいは正義! かわいいは最強!\(//∇//)\ワッショイワッショイ するすると頭に入っ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ