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絶対無職★シープマン  作者: taro_hanabusa
1.ヒーローなんてしたくねぇ
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1-3


——若死病じゃくしびょう


二十一世紀の中頃に、突如とつじょ世界規模で流行はやった原因不明の病によって。


全人類の最長寿命は「50歳」でアタマ打ちになった。


当時のことはよく知らないが、

「人生100年計画」だなんて盛り上げていたご時世に、

老人たちがバタバタ倒れて気づけば世界からいなくなった。


新たな時代の常識は——人間、長生きして50年。


どれだけ元気に過ごしていても、まるでプログラムされたみたいに誰もが「死」から逃れられない。


結果、人口は激減し、社会は手厚い保障体制。

アンドロイドが労働力に、人生の密度は2倍になった。



10歳でもう成人、結婚。

12、13で子どもをつくり、

15でマイホームを買って、

二十歳ハタチ一回浮気ウワキする。


(ちょっとイメージがわかないやつは、自分の歳を2倍してみれば、昔の人間でいう何歳に当たるのかすぐ計算できる)


人生が急ぎ足で過ぎるのはなんだかさみしい気もするが、

どっこい、わるいことだけじゃない。


世間に対して「あきらめ」がつくのも、

おかげでずいぶんと早くなった。



……だいたい15歳にもなれば。


だれしも自然に「それ」が理解ワカる。



自分がいまの社会において、

どれだけ必要とされているか、

どれだけ役に立っているのか。


……クソの役にも立ってないのか。



(はいはい、どーせ、おれはダメだよ。言われなくてもわかってるんだ……)


だけどセンチに落ち込むおれに、千夜とベルはまるで無慈悲だった。



「……で、奈良部ナラベくん、支給金は?」


羊一ヨーイチさま! 見せてください!」


「まあまあ、まてよ、あわてるな。あわてるような時間じゃないぜ?」


どーにかこの場をやり過ごそうと、

おれが冷や汗かいたその時。



——ピンポーン!


インターホンがとつぜん鳴って、

その場の注意は必然的に、玄関口の方にのがれた。




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