第六話 夜中に目が覚めたので振り返ってみるが睡魔には勝てない
ふと目覚めるマオ、まだ周りは暗かった
食堂で思わず眠ってしまったのを思い出しベットの上の布団で寝かされているのに気づく、ミミも一緒だ
ミオがここまで運んでくれたのだろう後でお礼を言わないと、と魔王と呼ばれた存在らしくない考えが出る
「魔王か・・・」
これまでを振り返ってみる
なんの後ろ盾もなく往く当てもなかった私を見出したワールの望むまま魔王となり
望むまま異世界侵攻計画を進めたがいつの間にか人間になっていた
魔族に追われ逃げた先は異世界だった、気を失って倒れ気付いた時にそばにあった手紙には
自分は本当は人間で魔力が高い故に幼い頃にワールに攫われ魔族に姿を変えられ
洗脳により自分を魔族と思い込まされていたと書かれていた
ワールにより魔族に変えられた姿が人間に戻ったという事はワールの魔法が解けたという事
それはある意味、ワールが居なくなったという事だろう
人間であったと言われても魔族として目覚める以前の記憶が何故か封印されてるので実感がない
騙されたと言われてもワールは我の配下として非常に尽くしてくれ我が儘言って困らせたこともある
食事も人間の料理人を連れてきて我の為だけに料理を作らせていた
そういえばワール始め他の魔族がどんなものを食べているのか見たことがなかったな・・・
ワールの事を悪く思えないのはまだ洗脳が解け切っていないのかもしれない
ワールの野望を阻止するようにと手紙に書いたのは他ならぬ未来の自分だというから
「ミミ・・・」
隣で寝息を立てているミミを撫でながら思う、また会えてよかったと
ミミは魔族として自覚した後直ぐに作った使い魔だった
魔族として接点が合ったのはワールと専属の人間の料理人だけで友達などいなくて寂しかったのだ
一回目の転移実験は直ぐ帰ってくるお遊び感覚だと思っていたので気楽にミミを送り出した
ミミが帰ったら使い魔特有の記憶共有で異世界の風景が見られると楽しみにしていたほどだった
決められた時間になっても帰ってこず、もう会えないと言われた時はショックで倒れずっと泣き続けていた
「転移実験・・・」
転移実験は数回まではちゃんと転移されているかどうかも不明だったので様子見の転移だったが
それ以降は戦闘に特化した者を転移するようになった
「封印か・・・」
何故か記憶とともに魔力を抑制するような封印もされている
こんな状態で戦闘に特化した者どもを退けられるのだろうか?
協力者となる者たちは頼りになるのだろうか?
と色々考えてるうちに再び睡魔が襲い眠りについた