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第十九話 初代様の話 2

 エミリアがショーディとミコとローシを集め話を始める

「魔王が今までに無く大きな何か良からぬ動きをしています」

「だからといって俺達に何ができる?」

 とショーディ

「方法なら考えてあります、元凶である塔に辿り着き何をしようとしているのか情報を掴み

帰還魔法で帰ってきて欲しいのです私も行きたいのですがこの体ですし・・・」

「でもどうやって塔に辿り着くというのです?」

 とミコの問いにエミリアが答える

「あれを使うのです」

「あれというと・・・あれか・・・」

 あれというものに思い当たったショーディとローシは顔を見合わせウンザリした顔を見せる


 ショーディとミコとローシの3人は雲上を漂う気球に乗っていた

気球は街に招待した異世界転移者から聞き出し、街の技術で再現したものだ

 透明化の魔法で気球丸ごと姿を消し風の魔法で方向や速度を操る

魔法はショーディが冒険の中でエミリアから習ったものだ

 数日後に魔族側の領地に入り塔に近づき塔の真上で気球の動きを止める

当然、透明化の魔法が気球だけでなく三人とその装備などにかけてあり周りからは見えないが

同じ魔法の影響下にあるものは互いに認識できる

 これからは隠密行動の為に事前に打ち合わせ通りに無言で潜入の準備にかかる

気球の籠の中で3人は一つのハーネスでミコ・ローシ・ショーディの順で一体になり

一番後ろのショーディが装備を背負いハーネスに接続していく

装備の接続を確認した後に籠から飛び降りる3人

 ショーディが小さい布を放り投げると傘状に膨らみ背中の装備から大きな布を引っ張り

大きな布も傘状に広がった、落下傘である落下傘も異界からの情報で再現したものだ

 塔の頂上に降り立ち落下傘を引き寄せ一つに纏めて塔の中央から伸びた棒に幾つかの輪がついた

日本の仏塔などの頂上にある飾りである相輪に似た物の近くに寄せ何かをセットする

 かぎ爪を縁にかけロープを伝い階下に侵入するとハーネスを一旦外し手分けして塔の上層を探索する

塔の心臓部が地下にあると予想されているが念の為の探索だった

 探索を終え三人は集まる、ショーディは大きな布の四隅を両手首と両足首で固定し

ハーネスで三人を固定し装備を確認し終えると塔の外へ飛び降りた

 大きな布が風を受け広がる、ミコの一族に伝わる ムササビの術 である

本来は高低差が殆ど無い高い木々の間を滑空して飛び移る為の術であり

高いところから飛び降りる為の術ではない、ショーディやローシがウンザリする訳である

風を受け塔を中心に旋回しながら落下していく

 地面が近づくとショーディが風の魔法を唱える、真下から吹く風で落下速度を大幅に軽減し

無事に着地する三人はハーネスを外し待機する

 しばらく待機していると気球と塔の上部にセットされた時限装置が発動し炎上爆発し大音響を上げる

魔族たちが爆発音に驚き塔上部へ登っていく隙を突き三人は塔の内部に潜入する

 地下に降りると部屋の前に見張りが建っていたが姿を消したままのミコとローシが瞬殺する

扉には鍵がかかっていたのでミコが解錠し扉を開け中を確認する

何らかの装置の前にいた魔族が気付き

「何者じゃ?儀式中は出入り禁止じゃと言っておるじゃろうが」

 と喚くがミコとローシは魔族語が分からないので理解できないがショーディが魔族語で言う

「塔の上部で爆発音がしました侵入者と思われます御報告をと思い参りました」

 と声だけで答える

「侵入者となサッサと始末してしまえ其の後で報告しにくるがよい」

 と魔族が言うので

「はい」

 と答える

「魔王様如何致します?儀式は中止した方が?」

 と魔族が魔法陣の中の魔族に質問する

「大事ない儀式は続行する」

 と魔王が答え呪文を唱え始める


 ショーディは小声でミコとローシに魔法陣の中の魔族が魔王であること

何かの儀式をしていることを告げ

「儀式を止めるために直接魔王を倒すしかない」

 と宣言しそれにミコとローシも答えた


 魔王が呪文を進めると魔法陣がますます光を強めていく中

透明化したまま意を決して光に飛び込む三人だったが一歩遅かったのか

光が弾けた後は魔王とショーディとミコとローシの姿は無かった



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