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第十一話 神社

歩いていると森の木々の密度が高くなっていく、神社が近くなってきたのだ

大きな鳥居が見えてくる

鳥居は少し下がったところに建ちその前に受付がある

受付で要件を伝えると案内人が出てくるシノの姉であった

「久しぶりですお姉さん、こちらはマオさんです」

「久しぶりユウ君、初めましてマオちゃん」

「よろしくの」

「シノちゃんは来てないのね」

「はい、ケン君と宿題するとか」

「そうなんだ~やっぱりシノちゃんケン君のこと好きだよね~」

「そうですよねシノちゃん口に出しては言わないけど態度とか行動みてるとケン君の事が好きって

まるわかりだけど、ケン君は全く気づいてないって感じで」

「そうなのかシノはケンが好きなのか、儂はユウが好きだな」

というマオに

「へ?」

びっくりするユウだがマオがつづける

「ミミもミオも初代様も好きだぞ」

「ですよね~」

とユウ

門の前で二人が一礼して入っていくのでマオも真似して入っていく

門を抜けると参道には玉砂利が敷かれ緩やかに左右に蛇行しながら奥へ続いていく

参道と様々な建物の周辺以外は鬱蒼とした木々に覆われている

案内人であるシノの姉に続き歩き幾つかの建物を通り過ぎていくが

玉砂利の歩きにくさに辟易していたマオが

「歩き疲れたぞ~もう一歩も動けんぞ~」

と駄々をこねる

梃子でも動かなそうなので仕方がなくユウがマオの前で屈む

「仕方がないマオさん負ぶってあげる」

「悪いの~ユウよ」

とユウに負ぶさるマオ

マオを負ぶったまま立ち上がり案内について行くユウ

華奢に見えるがマオを背負っても歩速が落ちることなくついて行くユウの背中が大きく感じるマオ

昔、誰かにこうして負ぶってもらっていた感覚が溢れてきたと思ったら睡魔が襲ってきて眠ってしまう

背負っていたマオが急に重たくなったような感じがしたユウはマオの顔を肩越しに覗いてみる

「仕方がないな~」

と言いながらマオが落ちないように背負いなおすユウ

「あら、マオちゃん寝ちゃったのね可愛い寝顔、ユウ君の背中が落ち着くのか

昔、負ぶわれていたことを思い出したのか分からないけど安心しきっているのね」

「そうなんですかね?」

「あと少しよユウ君頑張ってね」

「はい!」

幾つかの建物を通り過ぎ本殿を囲む板壁を回り込み奥へ進んでいくと門が見えてくる

門を越え後ろを向き一礼してから再び歩き出す

歩き進むごとに足元の玉砂利が減っていき木々が密になってくる、境内の外に出たのだ

「あれ?結界の中?」

周囲の変化に気づいたユウが言う

「そうよ、結界内を維持管理する施設だから他の人が入らないようにしてるの、あの建物よ」

指さす先には鬱蒼とした森の中に建つとは思えないコンクリ打ち出しの建物が見えてきた



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