~即席魔動人形(インスタントゴーレム)⑤~
私は魔象使いだ。
魔象使いとしての能力の覚醒は、人それぞれタイミングが異なる。
みんな産まれた時から魔象使いというわけではない。
もちろん産まれた時から、という場合もあるが、それは数少ない魔象使いの中でも本当に一握りだ。
私が魔象使いとして本格的に『目覚めた』のは、中学生の時だった。
魔象の覚醒と人間の成長との関係性はまだ研究が進んでいないから、規則性や予測などは出来ない。
言われているのは、人間として多感な時期、つまり『思春期』に覚醒する場合が一番多いと言われている。
ただ、それが何故なのかはまだ解明されていない。
魔象についての研究はまだまだ十分でなくて、私達の知らない、経験のない事もたくさんある。
複雑なんだ。魔象も、人間も。
それははっきり分かっている。只のサラリーマンの私でも。
そう、複雑なんだ。
出来の悪い泥人形を鎮圧し、カゲ先輩をフォローして、ちょっとセンチメンタルな気分になっても、仕事はまだ終わっていない。
私は帰社すると、今日の報告書を手早くまとめた。
今回の事件は只の魔動人形の暴走とは少し違う。
『携帯』の件にしろ、主が埋まっていた件にしろ、レアなケースであると考えられる。
引き続きの調査と、データの収集が必要だろう。
また、停止させるために破損してしまった携帯を復元し、何故こうなったのか、原因が何なのかを早急に調べる必要がある。
簡単にまとめると、こんな内容の報告書だ。
それとは別に、あらかじめ携帯の復元を4課に依頼する書類を作り、提出しておく。
あと、体育館の扉を破損してしまった報告と、修理をこちらで責任を持つための証明書も作る。
私は魔象使いだけど、一社員でもある。社員としての仕事も、きっちりこなしておかないと。
ようやく会社を出られる頃には、終電の時間が迫ってきていた。
今回は3人で対処した(ヒトミは緊急な上、休日出勤扱いになるので別件)し、最も後輩で、かつ現場を指揮していたのは私だから、多分書類関係は私に回ってくるだろう。
ただでさえ、3課の書類はみんな私に回ってくるのに。
理由は、『四季守が3課で一番まともなOLだから』
なんだ、その理由は。
……また書類の山ができるかもなぁ。
せっかく御手洗課長が片付けてくれたのに。帰社したらデスクがすっきりしていたのには驚いたよ、ホント。
ごめんね、御手洗課長。
帰宅したら、メイクを落として、お風呂に入って、ストレッチして。
溜まってるドラマと音楽番組の録画も、全然見れる時間がない。
ちゃんと睡眠とらないと仕事に影響が出るし、何より美容に良くない。
最近、少し肌荒れしてきてるし。
目まぐるしい1日。これが結構続いてる。
早く休み来ないかな。そろそろ夏物の服を買いに行きたい。
そんな事を考えながら、私の1日は終わっていった。
翌日。
かつ、かつ、かつ。
ヒールが床を鳴らす。この音は割と好きだ。
カゲ先輩がチビとか言うから、久しぶりに気にして高めの8㎝ヒールを履いてきたけど、やっぱり疲れるな、これ。
結局、今回の件については私とカゲ先輩で対応する事が決まった。
……ちょっと嬉しい。
カゲ先輩と二人だけで事件に対応するのはかなり久々。
私も成長してるって事を先輩にアピールしたい。
先輩に認められたいし、褒められたい。
そのカゲ先輩は、朝イチで魔動人形を造り出した女子生徒の事情聴取を兼ねたお見舞いに行っている。そのまま外で昼食を取ってから帰ってくるんだろう、まだ帰社してない。
昨日の事もあるし、先輩があの子に乱暴な言動をすることはないと思う。
聴取に行くのはキヨ先輩でも良かったんだけど、彼は別件で忙しいらしく、今回の事件からは外されている。
大丈夫、そこまでカゲ先輩も馬鹿じゃない。
「あれ、そういえば今日は高いヒール。珍しいねー。可愛いじゃん。どこのやつ?」
「クリストファーの去年のコレクションの。でも、結構疲れるよ」
「えー、でも可愛いよー?エナメルなのがまたいいね。ミサ、意外にオシャレにこだわりあるもんね」
「意外、は余計かな」
ヒトミとランチを済ませて帰ってきた私。今は会社の休憩スペースでカフェモカの甘さにまったりしているところ。
ココアより甘ったるくはなく、かといってコーヒーほど苦味があるわけでもない。
甘すぎると午後からのやる気に響くからね。適度にしておかないと。
「カゲ先輩の言ってたお店、確かに美味しかったね。……チャーハン以外は」
「そだねー。でも、『チャーハンだけはクソ不味いからやめとけ』って言われたらさ、逆に試してみたくなるじゃん?」
カゲ先輩の口調をモノマネし、ヒトミがくすくす笑う。昨日の合コンが上手くいったのかな?機嫌が良い。いつもならまず先にきっつい批評を始めるところなのに。
今日のランチは、カゲ先輩オススメの中華飯店だ。昔ながらの、ちょっと小汚ないお店だったけど、隠れグルメなカゲ先輩のオススメにはハズレがない。
……ただ、チャーハンがね……。あり得ないくらい美味しくなかった。同じ腕なのに何故チャーハンだけ……ってくらいに。
「カフェモカおいしい?ちょっとちょうだい」
「いいよ。はい」
飲み物の回し飲みが気にならないくらいには私とヒトミは仲が良い。
ヒトミは見た目と同じで中身もきゃぴきゃぴの陽キャ。
私はこだわりの強いマイノリティな陰キャ。
それでも、気が合う人とは合うものだ。
昨日の女子生徒も、きっと何かが軽く噛み合ってないだけで、合う人とは合うはず。それを彼女が見つけられていないのかな。状況が分からないから、余り偉そうな事いえないけど。
ある状況に対して、例えばそれが辛かったとする。そしたら、打破する為には変化するしかない。
それを相手に求めるのか、自分が変わるのか。
もし私なら、自分が変わる事を選ぶだろう。
相手に変化を求めるのは単純に難しい。また、相手が変化するかどうかは相手次第だから確証も薄い。相手に確実な変化を促せるほどのポテンシャルを持ち合わせてもいない。
だからといって自分が変わる事が簡単だとは思わない。今までの自分を捨てなければいけない事に抵抗もあるし、何より新しい事に向かっていくのはエネルギーがたくさん必要だし。
でも、私なら自分を変えようとするだろうな。
「………それでは、次のニュースです」
休憩スペースに置いてあるテレビは、昼のニュースの時間らしい。スーツ姿のキャスターが、無機質にニュースを読んでいく。幾つかのニュースの中に、私達が対処した事件も入っていた。
ヒトミも関わっていたから気になるんだろう。気づけば私達は無言で、原稿を読み上げるキャスターを見ていた。
「………と見て、警察と魔象企業による合同捜査が進められています」
「ふぅん、あっさりだね。まぁ出せない情報もあるだろうから仕方ないのかもだけどさ」
「そうだね」
不服そうに言うヒトミに素直に同意する。確かにいちいち大々的に報道していたらきりがないもんね。
「次のニュースです。多機能携帯式機器、通称ツールの普及に伴う膨大な通信量が近頃問題になっています。政府は今日、通信設備「メルクリウス」にかかる負担を軽減するため、約3割通信量を規制する緊急是正案を閣議決定しました。これにより、地区ごとに輪番で通信制限がかかる可能性が発生し、各業界で新たな懸念材料となっています」
「うわ、通信制限とか困るよー。ブログとか更新しづらくなるじゃーん」
「私は平気だけどなぁ」
嫌なニュースが続くことは、単純に聞いてて気持ちいいものじゃない。平気と言いつつも、私はうんざりなニュースばかりでため息をついた。
携帯が普及すると何が起こるか。
まず莫大な通信が発生し、様々な他の通信に影響を与えたりする。
その為、通信能力を飛躍させる方法として、各地域でそれぞれ通信設備として魔象の力を備えた施設や中継所を持っている。ニュースで『メルクリウス』と呼ばれていたものがそれだ。
そこに負担が強くかかると、正直どうなるか分からない。
魔象についての研究はまだまだ途上だ。それを見切り発車で使っている政府もどうかとは思うけど、それがないと回らないのも確かだ。
たいていの人の反応は、ヒトミのような感じだろう。
まぁ私は困らない。そんなに携帯使わないし。
携帯は本当に万能だ。それこそ、魔動人形すら操作できてしまうくらいには。
カゲ先輩の言う通り、世も末なのかも知れないな。
私も、そんな時代が来るなんて思ってなかった。
電車に乗っていても、周りを見れば携帯を触る人達ばかり。
さながら、『携帯に人が操られてる』かのように。
もう携帯無しではきっと生きていけない人もいるだろう。
人はその頭脳で色々な便利道具を考え、造り出してきた。
でも、人がそれを操っているようで、実際は逆なのかも知れない。
そのうち映画やドラマのように、人間が機械に支配される時代が来るんだろうか。
自分達の創ったものに、自分達が操られるなんて………。
10代の頃なんて、こんなに社会情勢についてなんて考えた事もなかったな。
社会人になって、やっぱり意識が変わってきているのかも。
変わっていくのは、やっぱり大事なんだ。
自分が変わると、視点も変わる。
そうすれば、世界も違って見える。
「四季守、休憩中か?」
不意に声がかかった。
またセンチな気分になりかけてた私は意識を切り替え、声がした方を振り返る。
「あっ、御門主任、お疲れ様です」
性格を表したような、ぴっちりと分けられた七三の髪に、神経質そうな小難しそうな顔つき。そこにまたメタルフレームの眼鏡を掛けてるから、輪をかけて神経質さが際立つ。
個性を殺したシンプルなネイビーのスーツに、シンプルなタイピンが光る。
中指で眼鏡を押し上げるその姿は、THE・インテリそのもの。
魔象4課の主任エージェント、『御門ケンシン』さんだ。
「カフェモカか……。ムーンカフェのか?」
「あ、はい。好きなんです」
「あそこはいいカカオを使っているからな」
御門主任は神経質そうな顔のまま器用に微笑する。30代半ばのはずだけど、御門主任、カフェモカとか飲むのかな?そんなイメージないんだけど。
勝手なイメージで、男の人は40くらいになる頃には甘いものを全く取らなくなる気がしてた。
思い込みは良くないよね、うん。
「休憩中のところ悪かったな。携帯の復元の件、終わったぞ」
「ありがとうございました。早かったですね」
「早くしろ、と書面に書いてあったからな。朝一番でやらせてもらった」
「あ、すみません、急かしてしまって」
「構わん。若手のいい練習になる。それより、気になったのはその携帯の中身だ」
……やっぱり。刻印の映っていた携帯だ、何もないわけがない。
聞いた事がないよ、携帯が魔動人形を形成できるなんて。
本当に新しいタイプの犯罪なのかな。
「それについて説明したい。休憩が終わったら私の所へ来てくれ」
「分かりました。ありがとうございます」
「あぁ」
一礼すると御門主任も軽く会釈し、去っていった。
御門主任らしいな。清々しいくらいに簡潔。
「あ、そういえばカゲ先輩、またブチキレたらしいね。大丈夫だったの?」
「うん、それは大丈夫」
ヒトミはゆるウェーブの茶髪をくりくりと弄りながら、早速携帯をぽちぽちしてる。多分ブログの更新かな?持っているムーンカフェのほうじ茶フラペチーノの写真を撮影し、また携帯をぽちぽち。
こうして見ると、ヒトミって本当に普通のOLだ。魔象使いっぽさが余りない。
そういえば御門主任も魔象使いっぽくないな。彼も4課の主任、実力派の魔象使いなんだけど。
御門主任の能力は『修復士』。魔象によって形成されているものなら、かかる時間は様々だけど、ほとんど修復する事ができる。
なので、私を始めたくさんの社員がお世話になっている人だ。アザミの修復も何度かお願いしているし。
お陰で御門主任の仕事はいつもぱんぱん。でも、あの人は嫌な顔もせず淡々とこなしている。
凄いな。私もいずれああなれるんだろうか。
……今は無理かな。不条理な事とかあると、どうしてもイライラしてしまう。
……昨日の件にしても、ね。
「カゲ先輩もねぇ……口さえまともならねぇ。顔は悪くないんだし、魔象使いとしても強いんだし。キヨ先輩を見習うべきだよ」
ちなみにヒトミはキヨ先輩推しだ。というか、狙っている。今までも事あるごとに誘っているらしいのだが、暖簾に腕押しというか、かわされているらしい。
キヨ先輩はよく言ってるもんなぁ、『女は魔物だ』って。
あれだけイケメンでスタイル抜群、おまけに魔象使いの花形だと、女もうようよ寄ってきて、汚い部分もいっぱい見てきてるんだろうな。
「カゲ先輩はあぁじゃなきゃカゲ先輩じゃないと思うけど。噛みつかないカゲ先輩なんてつまんない」
「ミサ、面白がってない?」
「……ちょっとね」
「でも大人げないよー。言葉だけ聞いてたらチンピラかヤンキーじゃん。しかも28だっけ?ありゃ結婚できないわ」
「……悪かったな。チンピラついでに拉致ってやろうか?」
うわっ!!いる!!
気付けば、ヒトミの背後にロングジャケットの長身が立ってる。さすが忍び、気配が全くなかった。
これは迂闊に陰口言えないな。まぁ言いませんけど。
「げ、先輩居たの?いつから?」
「キヨを見習え、辺りだな。つーか、もう少し悪びれろよ。お前俺の悪口言ってんだぞ」
「ちゃーす、さーせーんっす」
呆れるカゲ先輩。ヒトミも全く悪びれる素振りもなく、茶化して首だけで何回も頭を下げる。
まぁ、これが3課の日常だから。
「ミサ、休憩終わったら情報まとめるぞ。第3会議室な」
「はい。あ、その前に4課行かないと。携帯の復元終わったそうなので」
「そうか。聞いといてくれ。俺は少し瞑想してから行くわ」
忍びの基本は平常心、らしい。
カゲ先輩には似合わない、というか全くできていないんだけど、それも本人も自覚しているのか、訓練の為によく瞑想している。
もしかして、カゲ先輩結構気にしてるのかな?
「じゃあ後でな」
「あ、私もそろそろ休憩終わりなんで行きます」
「おつー」
ヒトミとカゲ先輩と別れ、私は下層階にある4課のオフィスへ向かった。
「……なんですか、これ」
私の目はPCのディスプレイに釘付けになっていた。
4課オフィスの御門主任のデスク、その上のPCのディスプレイだ。
4課は、ほとんどの人が地下のラボに居ることが多い。ラボは修理工場の役割もしているから。なのでオフィスの人影は少ない。
「……その反応ということは、四季守も知らないんだな?」
「はい。こんなのは初めて見ます」
御門主任はキーボードを操作し、ディスプレイの画面をスクロールしていく。
画面に映っているのは、プログラミングと思われる私には意味不明なスペル、数字の羅列。
普通のプログラムなら私も驚いたりしない。
映し出されているプログラム言語は、ほとんどの文字が光っていた。ディスプレイの光じゃない。『魔象』の光だ。
プログラムに魔象の力を込められるなんて。少なくとも私は知らない。
そういえばさっきニュースでやってた『メルクリウス』は魔象の力を持つコンピュータだ。考えてみればあり得ない話じゃない。
「四季守は、確か大学で操作系魔象学を専攻していたな?」
「はい。主に傀儡と操手のシンクロ研究ですけど」
「その四季守でも知らないのか」
「魔動人形については少しでしたから。速見くんなら私より知ってるかも知れません」
「速見は魔動人形の実習学校卒だ。知識的には余り期待できん」
ずばっと斬り捨てる御門主任。確かに速見くんはインテリというよりは現場タイプだから、あながちハズレてはいない。
魔象を習う学校というのも色々ある。私は四大だし、速見くんやキヨ先輩は実習学校、ヒトミは短大といった具合に。
四大で魔動人形専攻の人なら分かるかも知れないけど、ウチにいたっけ?……多分いないかな。
「1課の人に聞いてみては?」
「悪いが1課の手を煩わせる訳にはいかない」
「……ですよね」
1課はムラクモでも本当に特別な存在だ。私だって会社ですれ違うくらいでしか見たことがない。ましてや共闘した事なんてない。
少数精鋭の、ムラクモの本当の看板を背負った人達。聞くところによれば、国を崩す事すら可能なんて声もあるくらい。
自分の仕事を卑下する気はないけど、『この程度』の仕事は1課の仕事じゃない……のかな。
「これは四季守から預かった携帯の、1つのアプリケーションの中身だ。光っていたのはこのアプリケーションだけ。おそらくこれが今回の件に関わっているのは間違いないだろう」
「このプログラムで魔動人形が造り出せる、ということですか?」
「そう考えるのが妥当だろうな。その生徒が一般人なら、な」
「多分そうだと思います。『覚醒』したとしても、いきなりあんなのは無理でしょうし、他にも気になる事がいくつか」
「ほう。聞こう」
私は御門主任に気になった所を説明する。
※本来なら命令で動くのだが、主が気絶していた事。
※その主から力を吸い取っているかのような光の糸。
※即席にしては並外れたパワーとサイズ。
※魔動人形に刻むべき『刻印』が携帯に映っていた事。
「ふむ。今回は留意しながらかかるべきだな。まぁ桐生と調べるなら戦闘面では大丈夫だろう。あいつは本当に『多機能』だからな」
「はい」
「捜査に役立つ情報としては、このアプリケーションは『メルクリウス』を通じてダウンロードされたものだということだ。つまり……」
「携帯に元々入っていたものでもなく、生徒が自作したものでもない?」
「そんなところだ。通信履歴を洗えば何か分かるかもな」
「了解しました。メルクリウスへの捜査許可を取ります」
「あぁ。新しく何か分かったら4課にも情報を回してくれ。新たな魔象データとして興味がある」
「了解です」
「私もこれからラボへ行かねばならん。悪いがここまでだ」
「はい。お忙しい所ありがとうございました」
私は御門主任に一礼し、オフィスを出る。
……どういう事だろう。
魔動人形を即席で造り出せるアプリがあって、それがばらまかれていたりするということだろうか。
即席でアプリからあんなものが簡単に造れるなら、危ない。危なすぎる。
それとも、あの生徒を狙って意図的に仕込まれたものなのか。
生徒は知らずに発動させたとしたら……。
ふと、私の脳裏をあの生徒への陰口がかすめていく。
いや、でも、そんな力をみすみす嫌っている生徒に渡すだろうか。下手したら自分も危ないはずなのに。
……分からない。
でも、捜査なんて最初はそんなものだ。
ちょっとワクワクしてきたかも。不謹慎だけど、これがあるからこの仕事は楽しい所もある。
まずは情報をまとめよう。カゲ先輩の待つ会議室へ行かなきゃ。
かつ、かつ、かつ。
ヒールの音が、私に自信をくれる。
何だか自分が少し強くなってる気がしてくる。
頑張ろう。あの生徒の為にも、解決させなきゃ。
私はヒールを控えめに鳴らしながら、カゲ先輩が待つ第3会議室へと向かった。




