表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔珠  作者: 千月志保
第9章 駆け引き
90/134

カードを切る時(4)

「そうだね。スイだったらちゃんと交わせていたね」

 短剣に付いた血を拭き取ろうとハンカチを出した。

「私を殺すのではなかったのか?」

 訊かれてメノウは力なく笑った。

「無理だよ。殺されるかもしれないと警戒するスイが僕の短剣を交わせないはずないもん」

 スイはくすっと笑って手を出した。

「洗おう」

 メノウの素直に差し出した短剣を受け取り、短剣と傷口を水で洗った。

「どうしようかな」

 メノウが深いため息をつく。

「魔珠の秘密を知ってしまったスイたちを消さなかった僕は里の裏切り者だ。僕は消される」

 スイはきれいに拭いて水気を取った短剣をメノウに手渡した。

「メノウ、魔珠の問題は里とリザレスだけの問題じゃない。世界は常に動いている。売人と担当官。交渉して里もリザレスも納得できるような条件を探し出すのが私たちの仕事だろう」

「そうだね。そうだったね」

 メノウはスイから返された短剣を鞘に収めた。

「大丈夫だ。交渉の余地はある」

「分かったよ。話をしよう」

 二人は笑顔で頷いて元の席に着いた。メノウが初めて茶に手をつける。スイもそれを確認して笑顔になる。

「それでは、まず国王陛下のお考えを聞いてもらおうか」

「ちゃんと話を訊きに行ってくれたんだね。聞かせて」

 スイは頷いて話を始めた。

「そもそも兵器の開発は、マーラルが兵器を手にしたとき、容易には侵攻してこないようにするために始まったらしい」

「やっぱりマーラルの兵器開発の情報を受けて始めたんだね」

「そう。そして、陛下は、マーラルの兵器は押収されたが、里が開発を断念させるために魔珠の輸出を停止するのではないかと考えておられる」

「おそらく近日中にね」

「そうなったとき、マーラルは他国に侵攻して魔珠を確保するのではないかと陛下は見ている」

「自然な考え方だね。そのときに兵器を持っていれば、標的がリザレス以外の国になってくれるんじゃないか、ってことかなあ」

「だから、まだ兵器を手放すわけにはいかないのだと」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ