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魔珠  作者: 千月志保
第2章 尾行
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外務室長室(2)

「お前のお守りをしてやるほど暇ではない」

「普通に断るな」

 さらりと流したスイに、キリトは突っかかった。

 そんなキリトでも執務室を使うことはある。個別で極秘情報などを聞くときにはやはり個室というのは便利なのだ。

 スイが頷いたのを見て、キリトは立ち上がった。

「ちょっとスイと執務室で話している。何かあったら、ノックしてくれ」

 キリトの後を歩きながら、途中、本棚から地図を引き抜いた。地図を抱えたまま執務室に入ると、キリトがドアを閉めて鍵をかけた。

「なんだ。メノウ君から面白い情報でも仕入れたかね?」

 少し茶化したように聞きながら、キリトは座り心地の良いソファにどんと倒れ込んだ。スイも続くように何も言わずに静かに座った。口を開いたのは、その後だ。

「どうやらメノウが二ヶ月前から尾行されているようなんだ」

「尾行?」

 キリトが身を乗り出した。口元に笑いを浮かべている。何か面白いことを期待している顔だ。

「魔珠の里の者を尾行するなんてそんな猛者いるのかね?」

 わざとらしい訊き方だ。スイは苦笑した。

「どこの誰かまでは突き止めていない」

 だが、二ヶ月前に港で不審な動きをする人物に気づいて記憶しておいたこと、そして今もその人物が尾行を続けていることをキリトに話した。

「いやあ、無謀だな。そんなのばれたら組織ごとつぶされちゃうよ。それとも」

 キリトも昨日のメノウに負けない悪い顔になった。

「つぶされない自信がある組織なのかなあ?」

 面倒なので、スイはつき合うのをやめた。

「メノウがそいつを生け捕りにして情報を引き出したいと言っている」

「で、協力しろと?」

 相変わらず楽しそうに笑っている。予想はしていたとおり、キリトがこの作戦に反対することはなさそうだ。

「メノウは何としてでも証拠を手に入れて、マーラルの魔術兵器開発を阻止したいと考えている。情報の一部はこちらにも提供してもらえるらしい」

「悪くない話だな」

 隣国の魔術兵器の開発はリザレスにとっても脅威だ。証拠をつかめば、外交のカードに使うことも、やりろうによってはもくろみを阻止することだって可能かもしれない。いずれにしても不安定な情勢のマーラルの情報は、どんなものでも持っておくだけで価値がある。それに尾行を捕らえることによって魔珠の里に貸しを作ることにもなる。

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