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化学修士の僕が異世界で錬金術を専攻した結果  作者:


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19/39

スタートライン

翌日、僕たちは客間で朝食を食べていた。

王宮で夜通し行われた緊急会議により、僕たちは死刑を免れたのだった。

決め手となったのは僕の「異世界の戦争兵器や殺戮技術」という言葉だったそうだ。

異世界から勇者が召喚されると信じられているこの国では、異世界の力に過度な期待を寄せている節がある。

それとも、詐欺師とまで罵った僕の詭弁にすがるほど、この国は追い詰められているのだろうか…。


「ナギ様…。もうダメかと思いましたけど、ひとまずよかったですね。」

ヘラが疲れた笑顔を見せた。


「そうだね。大変なのはこれからだけど、生きてればどうにでもなるよ。」

僕は答えた。

重い空気が流れる。


本当はどうにかなる自信なんてない。

でも、ヘラに心配をかけたくない。

僕は小さなプライドを胸に掲げ、やれるところまでやってみようと決意した。

錬金術と化学。僕にもできることはあるはずだ。


「おはようございます。勇者様とお連れ様、昨日の無礼をお許しください。」

深く頭を下げたのは、王宮に仕える軍人だった。


名前をエルザと言った。

その後ヘイラム王国での軍の階級や経歴、さらには戦況を述べたが、昨日死にかけたという緊張や専門用語の多さからほとんど頭に入らなかった。


「ご質問は?」

「すみません、特にありません。」

「そうですか。また何かあればいつでも。」

「ありがとうございます。」


朝食を終えたあと、ヘラと共に装備の調整や軍施設の見学をした。

エルザの話では、「勇者一行は準備が整い次第早急に戦場へ出よ」と王直々に命令が出ているそうだ。

恐らく王は僕のことを、死んで元々、役に立てばラッキーと思っているのだろう。


僕たちは高そうな武器防具を繕ってもらい、用意された部屋で夜を明かした。


戦場へ出るまであと3日。

それまでになんとか技を形にしなければ。


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