第三章第二十七話 塩戦争か?
閑話休題でやらかした分、これで追いついたと思います。また通常の更新に戻ります。感想評価などお待ち致しております。宜しくお願い致します。ではでは(^^)/~~~
第三章第二十七話 塩戦争か?
シュナイバッハ侯に伴われて、陛下がおわす後宮に行く。どうやら一時の休憩タイム中らしい。
「陛下。お寛ぎの所申し訳ありません。お時間を少々頂いてもよろしいでしょうか」
陛下が嫌そうな顔をこちらに向けて来る。そこで俺達の存在に気付き、またも困ったような顔をする。
「何やら問題が起きたようじゃな。婿殿、ミゲル、まあ、座れ。すまぬな奥よ。せっかくの語らいの途中で仕事が入った様じゃ」
「陛下、致し方ございませんぞえ。婿殿が来たと言う事は何ぞいいものも持ってきておろう故、わらわも楽しみじゃぞえ」
「陛下並びに皇后陛下に置かれましては、ご機嫌麗しゅうございます」
「ご機嫌麗しゅうございます。こちら海鮮材料が入りましたのでおみやげでございます。後ほどご賞味ください」
「ほーほっほっ。なにやら悪いの婿殿。大きな蟹にエビかえ。これこれ、そこの者。頂き物じゃ厨房に持っていってたもれ。有り難く頂戴致そうぞ。うまいのかや婿殿?」
「大変おいしゅうございます。また食べごたえもございますればご満足いただけると思います」
「うむうむ。ではわらわは席を外そう。今夜が楽しみじゃぞえ。さてさて、どなたを招待しようかの~。悩むぞえ~。ほーほっほっ」
高笑いを残して皇后陛下が退出して行く。それを視線で追いかけていた陛下が一言。
「すまんな。婿殿。これで奥の機嫌も大層良くなろう。大変助かるぞ。ティア達は元気にしておるか?」
「はっ。至って元気にしております。やっと傍に侍女をお付けいたす事がかないました。難儀な生活を強い恐縮していたのですが、やっと一つ肩の荷がおりました」
「そうか。そうか。さて、こ度の訪問は如何致した。謁見ではない所を見ると内密な方の話じゃな? 何ぞ世界樹に起きたか?」
「いえ、陛下世界樹関連ではございません。サラが次の難題を開発した様にございます。危なくそのまま流す所でした。ティア殿下達がお止下さったようです。こちらを」
父上が陛下に海塩を差し出す。
「ふむ。なんじゃ。砂糖ではない様じゃな塩か?」
そう言って一摘み口に放り込む。またまた顔色が激変する。
「こ、これは! 岩塩ではないではないか!? どうしたのじゃ?」
「はっ。恐れながら陛下。小シュナイダー卿が開発した海塩にございます。まだ実験的に造った物とのことですので量はこれだけにございます」
宰相が報告をする。その後、目線で陛下に問いかけ如何するかと無言で問う。
「これは武器になるようじゃな。シュナイバッハ、ミゲルよ」
「はっ。サラは今一つ分かっておらぬ様子ですが、帝国引いては周辺国にまで波及致しましょう」
父様が怖い事を言ってるよ~。
「くっくっく。よいぞよいぞ。婿殿。ミゲルよ。ほんにいい子を持ったな。婿殿、実験でもなんでもどんどん作れ。どこにも卸すな。ここに運び込め。まあ、自分達が使う分は良いがそれ以外はここに運び込んでくれ。そうさの、何tくらい有ればよいかの。シュナイバッハ」
「帝国での年間消費量は100万t程でしょうか。家畜も食べます。また干物などにも多く使われますゆえ結構な量となります」
「うーむ。さすがに厳しいようじゃな。この半分でも作れれば良いのじゃが」
「はい。出来ない事はないと思いますが、人力が足りません。現在の人員でフル稼働しても月に1万5千tでしょう。年間でも18万tです」
「ほう。今の人員でそこまで出来るのか。ならばおいおい行けそうじゃな。婿殿。よしよし。シュナイバッハ。塩も貯め込むぞ。流す時は一気に行く。内密に動け。ミゲルよ。そちの所から順繰りに運び込め。数年先が楽しみじゃな」
どうやら陛下は塩戦争を吹っかける気の様だ。どの辺で手打ちにする気かな~。怖いな~。
「承知致しました。陛下。サラよ。塩職人を抱え込め。絶対に外に漏らすな。我が領でも監視体制は強化する」
とうとう塩戦争の引き金を引いちゃったよ。どのくらいの貴族が没落するんだろう。平民にも随分被害が出るのかな~。
・・・塩を供給するから直接の被害は出ないのかな? まあ、帰ってティア達に聞いてみよう。
塩計画も立てなきゃいけないな~。母様の所から侍女を引き取って、前線に居る家臣団からも魔法素養の高い人員を引き抜こう。
『!!』そうだ、エルフ! ダークエルフも! 魔法素養高いじゃん。ラッキー。何か行けそうだよ。
この後、上機嫌の陛下と雑談して、軽く天幕一式を購入したいって言ったらくれるって。やったー。豪華天幕セットゲットだぜ。とりあえず持参した20kgの塩はそのまま献上した。
天幕を数セット貰ってさらに城下の武具屋の紹介状。例の紋章付きコインまで頂いちゃった。大盤振る舞いだよ。
これで侍女たちと騎士団の正式装備を発注しちゃおっと。小シュナイダー騎士団とか侍女隊が完成だ~。
陛下の下を辞して父様とシュナイバッハ侯で打ち合わせてる間に武器防具屋に行って来る事にした。
俺がいても細かい事は分かんないし塩作ってればいいんでしょ? って聞いたらそうだって言うから。
転移でいきなり店の中に現れる。さすが一流店。一瞬ビクッてなっただけで後はいらっしゃいませシュナイダー男爵様だって。
「お久しぶりです。これまた陛下に頂きました」
「!!! どうぞこちらへ。またまたのお越し恐悦にございます。この度はいかような物をお求めでしょうか? 誠心誠意良いものをご提示させて頂きます」
「うん。ありがとう。今度うちの戦闘メイド隊と騎士団の正式装備を作ろうと思ってデザインとか含めてお任せできないかと思っています」
「承りました。お任せ下さい。して数はいか程お作り致しましょうか?」
「そうですね。戦闘メイド隊は50くらい。騎士団は100くらい? 後から追加できますよね?」
「もちろんでございます。数もまとまっておりますので勉強させて頂きます。メイド隊の方は帝国近衛の物を流用して一式金貨100枚でお作り致しましょう。騎士団の方は帝国騎士団の物を流用致しまして一式金貨150枚で如何でございましょう。合わせますと大金貨で2千枚程ですな。当然魔法付与致してあります。ご安心ください」
「・・・大丈夫かな。やり過ぎかな~。いいや、やっちゃえ。あと容量の多いマジックバッグってありますか?」
「そうですな。こちらなど如何でしょう。魔力量で収納量が変わります。個人登録式ですので一度登録してしまいますともう他の方では使えませんが、シュナイダー様でしたら結構な量を入れられると思います。金貨10000枚ですが8000枚にてお譲り致します。これ一つしかございませんのでこの機を逃すともう入手できないかもしれません」
くぅ~、商売上手だな。ほしい。けど高い。コイン効くかな~。塩のためとか言っておこう。それから例の完成品も十本づつも渡せば許してくれるだろう。
「貰った~!!」
お互いホクホク顔で別れる事になる。納品は大シュナイダー領の領主館にしといたよ。持ってきてくれるって。
ちょー特急でデザイン案を提出するから承認して下さいってさ。3日後にはデザイン案を2週間後には第一陣で各10セット納めるって。早いな~。
うちの紋章は大丈夫みたい。紋章府で聞いておくってさ。俺でも知らないのに凄いな紋章府。父様の紋章とは違うのかな?
一応分家だから何やら決まりがあるのかもしれないね。今度父様に聞いてみよう。転移で帝城に戻るとまだ父様と宰相様は打ち合わせ中だった。
それとなく宰相には結構使っちゃったことを報告しておく。返答は構いませんだったよ。今少し追加しておくのが良いでしょうとか言われちゃった。
でもその変わり例の完成品を十本づつと塩100tを今月中に上納しろだってさ。仕方ないか。頑張ろう。
お話がまだ長そうなので横でお茶を飲みながら買って来たばかりのマジックバッグの登録でもしてようかな。
どうか100個以上入りますように。・・・・・・結果は!! じゃじゃん。253個でした~。やったね。ここん所魔力量アップに励んでた甲斐があったってもんよ。
そんな感じで待つことしばし。ようやく終わった見たい。そそくさと転移で父様を送り届けて拠点に戻る。
姐さん達が待ってるからね急がないと。拠点に着くと姐さん達もマイヤ達のお家作りを手伝ってた。
「サラやん、遅いで~。待ちくたびれたわ。家の方は増設と別棟両方作るらしいで。お風呂も侍女さん用とで分けるて。残念やったな~サラやん。侍女さんのはもう拝めんで~」
「ざ、残念じゃないよ。それが普通でしょ!」
「うふふ。でも侍女さんも入浴手伝ってくれるからちょいちょい見れるわよ。よかったわね」
なんかヤルルが変なフォローを入れてくるよ。残念じゃないよ。ほんとだよ。信用ないのかな~。ちょっとだけだよ残念なのは。
「じゃあ、遅くなったけど周辺の間引きに行って来るよ。あ、リュディー、エリクサーと万能薬10本づつ上納しなくちゃならなくなっちゃった。お願い」
「え~、何でそんな約束して来るかな~。しょうがないな~。マイヤ一旦中断して採取して来よう」
ブツブツ言われちゃったけどリュディーはやってくれるらしい。じゃあ間引きに出発しますか。
「姐さん。じゃあ、行きましょうか。レッツラゴ~」
南門から出て、時計回りに周辺を回って行く事にした。メル姐さんが先頭で俺とヤルルが二番手に並ぶ。最後尾がルル姐さん。
この隊形で進んで行く事になった。前方と後方は一切気にしないで横だけ見て歩いて行く。あ、遠いけどウルフ発見。なんだろう?
グレイハウンドウルフじゃないな。おお、こっちに接近して来る。向こうも気づいたっぽい。ならばこれは俺の獲物だな。素早く抜刀する。
刀で照準をつけて、顔面に水球をぶつけて切り捨てよう。ひょいっとえい。よしよし。うまくいった。ありゃ。こいつただの狼だ。なんで獣がこんな所まで入って来てるんだ?
魔獣が減って来てる証拠かも! いい感じだな。大シュナイダー領の前線部隊が頑張ってるのかな。
「・・・サラ~、こないな相手に魔法まで使ったらあかんよ」
うわ。ビックリした。いつの間にこんな近くに居るの。ルル姐さん。絶対穏身と瞬歩使ってると思う。ずっこいな~。
「な、ルル姐さん。脅かさないでよ。こんなとこにただの狼がいるとは思わなくって。遠目だと分からないじゃん」
「ちっちっち。ちゃうでちゃうで~。遠目でも相手の確認怠ったらいかんやろ。ほんま死んでまうよ」
うわ。今度はメル姐さんかよ。近いよ、突然現れるのが。
「もう。メル姐さんまで脅かさないでよ。穏身使って近づくのはずるいよ」
「あのね。サラ、姐さん達スキル使って無いわよ。注意力散漫よ」
ヤルルが直ぐ後ろに居る!! え!? いつの間に囲まれてた? 全然分からなかった。
「うっそ! ヤルルまで後ろに居る!? え? 俺ってそんなに注意力散漫だった?」
「・・・そやな~。注意力散漫とゆうよりは、集中力高過ぎなんやな」
「せやせや。狼に集中し過ぎやな。集中力が高いんはええことやけど、常に周囲にも気を配らなあかんよ」
「そうなのね。そっか。集中力が高過ぎるんだ。姐さんよく分かるわね」
ヤルルが納得したように頷く。
「そりゃ分るよ。伊達に何人も弟子取ってへんよ。まあ、ここまで集中力高い子はおらんかったけどな」
「・・・あんたらが一番集中力低かってんよ。まあ、直ぐに横道それるよって困ったで」
「うぅぅ。ごめんなさい。そう言えばすぐにミヤとかリュディーが余計な事してそのまま皆でそっちに行っちゃってた気がするわ」
俺からヤルルに飛び火した。ふふ。ヤルル達は集中力なかったんだな。うん、分かるかも。逆に俺は高過ぎなのか。
でもしくじったら後がないと思うとどうしても絶対仕留めるんだーって思っちゃうんだよな。
「そうね。サラは胸部装甲とかすぐガン見して来るから集中力はあると思ってたわ」
「ぶふぅ。いやいや、それはないでしょ。ちらっとだよちらっと。ガン見とかありえへん」
思わずお茶拭いちゃったし姐さん口調になっちゃった。
「・・・言い訳くさいで、そんな慌てんでもサラッと流さんとほんまやと思うてまうやん」
「・・・。言い訳も出来ん」
「うふふふ。冗談よ」
完全降伏です。もう勘弁してつかあさい。ん? メル姐さんが静かだな。なんかいるのかな?
「どうしたのメル姐さん。何かいるの?」
「いや。うちの勘違いっぽいんやけど。北の方がざわざわしてへんかな~って」
「・・・メル! 勘違いやおへんで! うちもざわざわしてるよ。不味いで。大侵攻発生する直前なんやないの」
「サラやん! すぐみんなの所に跳んで! 全員集めてから前線行くで」
「待って! 前線に行っちゃ駄目だよ。拠点に引き寄せなきゃ。まだ大シュナイダー領とエルフ達とダークエルフ達の準備が整って無い。まずみんなと合流しよう」
そこから海岸に跳んで全員を集めてから直ぐ様拠点に取って返した。
「マイヤ、リュディー! 不味いよ。大侵攻が起こっちゃいそうだって。どうにかしてこっちに引き戻さなきゃ」
「落ち着け! 大侵攻だと少なくても数千の魔獣の群れ、多ければ数万だ。引き戻すのは良いとしてこちらでも対処できんぞ」
マイヤが状況を確認しながら対処法を考えてるようだ。俺も慌てちゃってる。落ち着かなきゃ。引き戻すのは簡単だろう。
ここで大規模な焚火をすれば集まってくると思う。世界樹の安全圏まで殺到して来るものなのか分からないけど。拠点は潰れちゃうかもしれない。
でも仕方ないここで火を焚いて魔獣たちが方向転換してここに殺到してきたら火を消して転移で逃げるしかない。後はまた最初からやればいい。よし。腹はくくった。




