第三章第二十四話 激闘! シーサーペント
ちょっとやらかしました。今三章の直前に閑話休題を入れたのですが、更新を早めないと何が何やらわからないかもと思い。慌てています。なので追加で更新をしています。まだ後の話を閑話休題で入れてしまった・・・。ちょっと早めに更新するので勘弁して下さい。
第三章第二十四話 激闘! シーサーペント
侍女さんが用意してくれた食事は素晴らしかったよ。素人が考えて作る料理とは一線を画しているね。なんて言う料理か知らないけど素晴らしかった。
見た目も良い。料理は目で楽しむものと言いうからな。侍女さんに塩の件も聞いてみた。初めて使う塩なので使い方が分からなかった。
予想していたよりもう一味足されてしまう。それが吉と出るか凶と出るかは作ってみないと分からないので使い勝手としてはあまりよろしくない。
結構批判されてしまった。う~ん。海塩を使ってこなかったから出る感想なんだろうと思う。本当はこの旨味が足される所がメリットなんだけど今はデメリットとして認識されちゃうんだな。
暫く使ってもらって色々試してもらうしかないかな。ああ、やっぱり侍女さんは良い。食後のお茶の話だ。いつもアイダに淹れてもらってたお茶と変わらないほど美味しく淹れてある。
アイダに淹れてもらうのはちょっと気が引けるけど侍女さんなら仕事だもん遠慮はいらない。お給金払った記憶ないけどさ。
さあ、風呂に入ってという段階で侍女さん達が何やら慌ただしく動き出す。お湯を沸かそうとしてるようだな。
「ちょっと待って。お湯いらないよ」
「しかし旦那様。男性と違い女性は身を清めないとなりませんので」
「いやいや。身は清めるんだけど魔法で作るから。見てて。火球水球包み。これ触ってみて。ね?」
「・・・お湯ですね」
「そうみんなこれに入るから、洗ってあげて髪の毛とかは苦労してるみたいだから」
「かしこまりました」
全裸になってお湯玉に入るティア。いきなりそこで侍女さんの悲鳴が上がるがティアが一括して黙らせる。
「人などおらぬ。いちいち騒ぐでない。それまず髪を濡らすから洗ってほしいのじゃ」
ザブンと潜って一気に髪の毛を湿らす。もちろん侍女さんは息を飲むが先ほど一喝されたので黙っている。
髪を洗うのは一人でもよさそうなのでお湯玉をあと二つ出す。グリンダとアイダも全裸になって入る。それぞれ侍女さんが付き髪を洗う。
次に自分で体を洗ってしまう姫様達に侍女さん達がオロオロしだすがお湯玉の中なので手が出せない様だ。お湯玉から出て来たので直ぐにタオルで包んで拭きあげていく。
髪に香油を塗り、体にも何やら塗りたくって着替えをさせて終了だ。その間側妃達は、自分達のことは自分達でさっさと洗いだしている。
俺なら5、6個のお湯玉を出せるからどんどんだしては全裸になり飛び込んで行く。慌てたのが侍女さんだが、かろうじて皆の髪の毛は洗ってあげれたようだ。
香油などもちゃんと塗り込んだ様子。その頃には侍女さんはびしょびしょになっていた。最後に自分の分と侍女さん達の分を出して湯に入る。
侍女さん達がまごまごしているが自分達もここで入るとは思っていなかった様だ。でもお湯玉があるから入れとのことだろうと納得したのか濡れた服を脱ぎ始めた。
侍女程度だとお風呂にまで入れるのは高位貴族に仕えるような行儀見習いのための貴族の子女くらいなので驚いたのだろう。
それでもお互いにお湯玉を行き来しながら髪などを洗っている様子だ。俺はそちらを極力見ないようにしながら勝手に洗う。・・・見つかった。適当にしてたのが悪かった様だ。
「これ、お前達。すまぬが、旦那様が適当にごまかそうとしておるようじゃ。洗ってやってくれ」
「・・・か、かしこまりました」
「いいよ。いいよ。ちゃんとやるから今ちゃんと洗い直すから」
既に時遅しとはこの事か。命令を下された侍女さんはその命令を実行に移すべく活動を開始した。全裸で旦那様に近づいていいものか少しは悩もうよ。
まあ、奥さんが良いって言うんだから悩まないか。三方向から俺を取り囲み一気にお湯玉に侵入して来た。
慌てて周囲を見回し逃げ道を探ったが、手練の戦闘メイドでもある彼女達から逃げるすべなど無い。頭の先から足の先まできっちりと洗われて綺麗にされた。
洗い終わった侍女さん達は自分のお湯玉に戻って行ったが温くなってしまっただろうから新たに熱いお湯玉を増し湯してあげる。
「温いだろうから増し湯するよ。足した部分は凄く熱いからかき混ぜるんだよ分かった?」
一声かけてから足したんだけど、きゃあー。あっつい、あっついと叫びながら飛び出してきた。仕方ないのでお湯玉をぐるぐるっと回してかき混ぜておく。
「もう大丈夫だよ入りなよ」
俺の事をジト目で見てるけど仕返しとかじゃないからね。何でちゃんとかき混ぜられないんだろう? マイヤ達の時も最初はそうだったんだよな。
足される前からかき混ぜておいて足されたらもっとかき混ぜれば多少熱いくらいで済むはずなんだけど。
そんな騒動があったが、お風呂も終わってアンジュがタオルで拭いてくれたので着替える。着替えてる間アイダが髪を拭いて乾かしてくれている。
侍女さんが脱いだ服を回収して行く。明日洗ってくれるのだろう。洗濯もしてくれるのか~。至れり尽くせりだな。外征中はあんまり着替えられなかったんだよね。洗濯が面倒だったから。
これからは着替えられるんだ。素直に嬉しかったりする。寝る前にお茶を飲んで水分補給だ。侍女さんも飲みなさいと言ったけど遠慮しちゃって飲まないから後で飲みなさいと言っておく。
脱水症状でも出たら大変だからね。どうやら端の方でしっかり飲んだようだ。安心安心。さて寝る段になって侍女さん達にマントを渡してがしっと掴まえる皆さん。
当然侍女さん達は何が起きるのか分からないので挙動不審になる。俺は何が起きようとしているのか理解したので逃げ出そうとしたんだけど振り向いた先には姐さんが立っていた。
当然俺もがしっと掴まって、ごちゃまぜで寝る事になる。いい迷惑なのが侍女さん達だろう。深窓の令嬢に献身的に仕えるはずがワイルドな主人に掴まって抱き枕とか違い過ぎる。
あまりにも哀れで目から汗が出そうだ。俺も含めて。それでも侍女さん達は誰よりも早く起きて洗顔の準備にお茶の準備、朝食の準備とこなしてくれた。
自分の準備もあるだろうに良く働く。用意して貰ったタライで洗顔と歯ブラシを終え、そのままお茶タイム。優雅だ。貴族の様だよ。みんなが揃うのを待って食事をする。
パンが残り少なくなってきていたので、トウモロコシの粉を生地にして海鮮ピッツァだ。おお、美味しい。スープも海鮮スープ。
どこでワカメなんて取ってきたんだろう。塩胡椒で味付けした蟹、エビ、貝をたくさん入れて具だくさんだ。
「よし。侍女さんのお陰でばっちりだ。海岸の掃討を始めようか。その後周囲を巡って地形の確認とか食材も探す?」
「そうだな。食材は勝手に増えるだろうからいい。地形の確認は今後のために必要だろう」
海岸に向けて出発する。野営地は森に少し入った所にしているので海岸は見えないんだ。海岸には案の定ジャイアントクラブがまたも群れをなしていた。
どこから湧いたんだか。もうアイダは満足したのか昨日ほどノリノリじゃない様なのでアンジュが行った。
うん。まだまだだな。アイダ程の攻撃力がないので半数くらいを残して撤収して来た。
「しゃーないな。残りは全員でいくで。高速戦闘は温存や」
昨日より個体数が少ない上アンジュが半分位は片付けたので普通に倒して行く。30分ほどで一掃したので今度は海には入らず周囲を探索して行く。
岩場の部分を越えていくと入江があった。砂浜は遠浅っぽかったけどここは深そうだ。港が作れるかもしれない。
「ねえ、ねえ。ここって港が作れそうじゃない?」
「はいなぁ~。ここなら大型船でも入港できますねぇ~。良い地形を見つけましたぁ~」
「でも、なんかおるでここ。海ん中や」
メル姐さんがなんか察知したみたい。水深も深いし入江になってるから大物が住みつてるみたいだ。こいつが居るのは困ったな。岩場から下りて水の中を覗いてみても分からない。
「どうしようか? 退治しておきたいけど」
「水面に向かってみんなで火球でもぶち込んでやれば怒って出てくるんじゃないでしょうか?」
アンジュが荒っぽい方法を提案して来る。
「なにが出てくるか分からないからあまり怒らせたくないけど仕方ないか」
みんなで火球をぶち込んでるとしばらくして海面に巨大な何かが浮上して来た。鎌首を持ち上げてこちらを怒りの眼差しで睨んでる。シーサーペントだ。
「初めて見た。シーサーペントだよね。ね?」
「そやで~。こいつは大きいだけのただのヘビやから。やっちゃおな」
まあ、大きいのが問題なんだけど、全長20mくらいかな。ここから激闘が始まるのか気合を入れないと。姐さんがウィンドカッターで首を切り飛ばす。おしまい。あれ激闘は?
「なんかあっさり片付いたね」
「だから大きいだけやゆうたやんか。肉は結構いけるはずやから回収しとこか。まだおるかな? 誰か潜ってみて来てくれへん? 水中呼吸の魔法使えるんはアンジュとヤルルーシカ、ライラもいけるか?」
「・・・いけると思うけど恐いです」
「どんな魔法? 俺にも教えて。やってみたい」
「しゃーないな~。水魔法と風魔法の複合や顔を魔力で覆う。風魔法を内側水魔法を外側にして、そこを通る水を空気に変えるだけや。魔力の強度は深く潜る時はしっかりせなあかんよ。体全体を覆う方が水圧にも耐えられるよって魔力が保つんなら全体の方がええよ」
「・・・サラが行くならみんなで行った方がええやろ?」ルル姐さんが懸念を表明する。
「そうじゃ。みんなで行くのじゃ」
全員が、それぞれ自分を魔力で覆う。洋服が濡れるのは嫌だから脱ぐ。アンと、ライラの魔力が厳しくなって来たら上がる事にして崖の上から飛び込む。
ドボーン。ひひひ。お股の辺りがスーッとした。あー怖かった。おお、海の中は結構綺麗だ。これで晴れていれば上から太陽の光がキラキラしてもっときれいなんだろう。
結構深いこの辺でも15mくらいあるんじゃないかな。海底は岩場だな。そこかしこに海藻が生えてる。昆布かな? ワカメかな?
まったく別の海藻もあるな。小魚が群れをなして泳いでる。全然魔獣が居ない。あいつ、シーサーペントが巣にしていたから他の魔獣が寄り付かなかったんだろう。
番とか親子だったら他にも居る可能性があるんだけど、今のところ静かだ。入り江の外に向けて泳いで行く。
どんどん深くなって行く。もうこの辺の水深は20m越えてる。所々砂浜もあるな。どこからか波にさらわれてきたんだろう。
入り江の中を一周したけどなにも居ない。普通の魚が居るだけ。シーサーペントが寝床にしていたらしい窪地も見つけた。
なにやら色々な骨がそこら中に散らばってる。核も結構落ちていたので拾っておいた。ぼろ儲けだ。入り江の出口を出るといきなり深くなっていた。
海溝って言うのかな。危なそうなので行かないけどね。さて、海中散歩もこのくらいにしてもう上がるか。
飛び込んだ所まで戻って来て崖をよじ登る。ひと泳ぎして来た所なので結構きつい。ヒイヒイ言いながら登りきった。
「みんな水で良い? やっぱりお湯?」
当然の様にお湯を要求された。お湯玉を出してみんなが海水を流す。水中呼吸の魔法を使ってたから結構魔力を消費してるのでけちりたかったのに。クスン。
でも冷えた体も温まったからいいや。マジックバックからタオルを出して体を拭いて着替える。
さて、もう少し先の方まで行ってから引き返そうか。反対側もどうなってるか気になるしね。海岸線に沿って進んで行く。
歩きやすい様に藪とか木は伐採して放置してる。丸太だけ回収。暫く行くとまた砂浜。・・・ジャイアントクラブの群れ。もうこいつらどこにでもいるな。
ガシガシと狩っていく。大分逃げるようになってきたな。やっと実力差を理解して来たか。ここらの砂浜も一掃したから引き返すか。
侍女さんが待ってる海岸まで引き返す。浜に戻ると昼食の準備が出来ていた。今日は浜焼きをするみたいだ。
「おお、いいね。浜焼き。普通の魚も居る! 捕ったの? 捕ったんだ」
にっこり笑う侍女さん達。貝とか普通の食材も結構ある。待ってる間に色々捕ったんだ。あ、山菜まである。
いも? 山芋もある。大変なのに頑張るな~。俺らもシーサ-ペントを出す。ビックリしたみたいだけど切り分けて浜焼きに追加してた。食事をしながら、午後からの行動を決めていく。
「午後は二手に分かれよう。反対側の海岸線を偵察に行く組とこの辺りとさっきの入り江の辺りを開墾する組みに別れようと思う」
「ええよ。組み分けはどないするん?」
「偵察組は穏身持ってる人が3人もいれば良いよ。戦闘はなるべく避けてね。下草は軽く刈って置いて。また行くときに楽だからさ。残りは剛力中心にまた二手に分かれる。でどう?」
「なら、偵察は2人で良いよ。アンジュとあたしで行って来る。いいよね?」
「はい。リュディーとなら手早くすませられます」
「ほな、入り江の辺りはうちらと姫さん達でいこか。で、どの位開墾すんねん?」
「後で村を作れるくらい。こことの間に道も作ってね。防壁込み!」
「了解や。港造る気なんやな。ええで、立派な港こさえたる」
「あ、あの差し出がましい様ですが、こちらの人数が少ない様ですが・・・」
「? なんで? マイヤとヤルルーシカ、ミヤに俺。侍女さん3人いるよ?」
「・・・すいません。勘違いを致しておりました。私達も・・・」
食事を終えてお茶タイムを過ごして午後の活動開始。




