第二章第二十五話 試験農場の収支報告検討会②
これで二章が終了です。次はご要望があった。父様のシュナイダー領(大シュナイダー領と呼ぶ事にしました)を入れようかと思います。ではでは。
葉っぱの値段一ケタ間違ってました。訂正。
第二章第二十五話 試験農場の収支報告検討会②
干し肉は、結構な量になってるな。これはしょうがない。だって魔獣が直ぐ襲撃して来るんだから。およそ一日に20頭を撃退。その内食肉として使えるのが十分の一位かな。
さてさて干し肉の売り上げはというと。なんと! 金貨で30枚。お肉は高いからね儲かるよ。生肉は金貨2枚。
たまごは・・・ほとんど儲からないや。銀貨数枚だ。でも間引かないと植えたばかりの種を食べられちゃうんだよな。かと言って俺達だけじゃ食べきれないし。
干し魚は、銀貨1795 開きとかにお姉さん方(おばさんって言うと怒られるんだ)にお願いしたので銀貨30枚支払ったよ。
おみやげに生魚も持ってかれたしおば・・・お姉さん方強し。生魚は銀貨258でした。加工しない分安上がりだね。
よって食料品の総額はおよそ金貨48枚でした~。これって凄い売り上げだよ。やっぱりお肉が大きい。
次次っと。魔獣素材は面倒だったみたい。種類によって違うし、個体でも違う。一個一個目利きして、いくらってなるんだ。だから金額だけにする。およそ金貨18。
やっぱり核が一番高い。普通はこんなに儲からない。獲物を探すのに時間がかかるし斃すのも大変だからね。
大森林だから獲物は勝手にどんどん寄ってくる上、サクッとマイヤ達が倒すから稼ぎだせた金額だ。
傷薬は2、上傷薬22、ポーション50、ハイポーション82、フルポーション12、魔力薬1、上魔力薬20、マナポーション51、ハイマナポーション90、フルマナポーション8、毒消し1、合計銀貨339。
薬はやっぱり良い値で取引されるよ。大して労力がかからないからもっと増やそうかな? だめか、薬師ギルドの反発を招くな。くわばらくわばら。
インゴットは、儲かるかもしれないけど、今回はただで大シュナイダー領にあげちゃった。量も少なかったし、鉄器不足になってたからね。
本命は秘密の材料。世界樹の葉金貨400、命の木の葉金貨400。値切られちゃったよ。葉っぱ一枚で金貨10枚。今後どんどん値切られそう。
皇家と揉めたくないから程良い値段で落ち着くといいな。今はまだ高いけどその内銀貨まで、いやもっと下がっちゃうかもしれない。
エリクサーと万能薬の成功率が低過ぎるから材料でそんなにお金が掛けられないんだろうとは思ってたよ。
「と言うことでまとめると、農作物大金貨6枚、金貨3枚、銀貨62枚。狩猟品大金貨8枚、金貨8枚、銀貨23枚。合わせて大金貨14枚、金貨11枚、銀貨85枚でした。この20分の1位が大森林で暮らす事になる領民収入になると思う」
「え、なんで20分の1なのさ。領民も同じくらい出来るでしょ? と僕は思うな」
「出来ないよ。領民は剛力も怪力も持ってない人たちばかりだし、狩猟品も獲れないからね。狩猟品がないから半分位になるし、スキルがないから作業効率もだいぶ減るからね。俺とマイヤを比べた感じでは10分の1どころじゃなかった気がするけどきっと領民の方が俺より作業効率が良いはずだからね」
「そうですね。そんな感じでしょう。それでも他領の民に比べれば破格の収入でしょう」
「うん。アンジュ、そうなんだ。これだけでもおよそ2~3倍な上に2カ月分くらいだからね。そして俺達には秘密の素材がある。値切られちゃったけどそれでも大金貨80枚だよ」
「すごいね~。でも前に貰ったお小遣いまだあるよ?」
「そうだねリュディー。金貨1000枚まだ丸々残ってるんだよね。でもそれはお小遣いだから気にしないで良いよ。もう一度貰える訳じゃないから」
「うん」
「さて、今後の事なんだけど皆意見ある?」
「そうだな。このままでも暮らしていけると思うが、小シュナイダー領として考えるなら何が必要かってことだろ? 塩だな」
「待ってよマイヤ、塩なら買えるじゃない。やっぱり人よ」
「どちらも正解じゃな。塩がないと経済封鎖された時どうにもならん。じゃが領民がいないとそもそも領地とも言えん」
「ですねぇ~。城主館が丸太小屋ってのも問題ありますしぃ~、貴族としての体裁をぉ~整える必要もありますよぉ~」
「さらに軍備には金がかかるであります。いざ出兵令が出された場合、小シュナイダー領も出兵しなければなりません。まあ、大シュナイダー領と合同にせざるおえないでしょうが」
「そうだな。では今後は塩、人、軍備で良いかな? 他にはある?」
「商業路! 僕達はサラが転移してくれるから良いけど、領民は売り買いできないよ。行商の人ですら来ないんだから」
「おお~、ミヤ鋭いとこつくな~。お金があっても買えなかったらただの鉄クズなんだよね。今の俺たちみたいにさ。お小遣い丸々残っちゃう」
「足りていない物の方が多のではないですか? 教会、商店、施療院、鍛冶屋、道路、橋、防衛施設数え上げたらきりがないわよ」
「・・・ヤルル。考えない様にしてたのに」
「え。あ。ごめんなさい。ち、違うのよサラ。色々あるな~って。ハハ・・・ハハ」
「うむ。じっくりと一つずつじゃな。でまずは最初の一つになにをするかじゃ。こういう時には初心に戻るのが良いであろ。大森林の問題点はなんじゃ?」
「魔獣! 妖魔! なんかの敵性存在。こいつらの脅威が減るだけで随分楽になる」
即答でミヤが答える。
「そうじゃ。ゆえにわらわはこう考える。大侵攻が怖くて人が増やせぬならその対策をするべきじゃと」
ここに来たばかりなのにティア姫が鋭い指摘をする。多分降嫁が決まった時から考えていたんじゃないかな。
「!!!」
「大侵攻が起きて真っ先に狙われるのはどこじゃ? そこが踏ん張ってくれるなら怖くないの。さらに大侵攻をただの侵攻位にしてやれば踏ん張り易かろう?」
「・・・・・・大シュナイダー領」
「そうじゃ。まず大シュナイダー領の防備を固めさせる。大シュナイダー領の負担を減らすために小シュナイダー領は間引きまくるじゃ」
「そうか。もう大侵攻は興る事を想定しておかないといけないんだな。その被害を減らすのとなくす事を優先するのか。よし決めた。今回の利益のうち大部分を大シュナイダー領に投資する。残りのお金で俺達は従士、それも冒険者ランクでCクラス以上のパーティーを引き入れるのはどう?」
「うん。いいかも。暫くはあたし達にお金は必要ない。なら投資して増やしておく。その投資がうまくいくように魔獣を間引いておく。ついでに魔獣素材も溜まる。今くらいの規模なら農作業もまだまだいけるわね。で、誰を仲間にするの?」
ヤルルがまとめてくれる。
「・・・マイヤ達は心当たりない? アイダ姫なんかも知り合いがいないかな?」
「自分のところは軍でしたので・・・」
「・・・私らはない事もない」
「なんか歯切れが悪いねマイヤ。確かにここの秘密を守れるくらいじゃないと仲間に出来ないけど。難しそうなの?」
「・・・そこは大丈夫だと思うけど。みんなどう思う? 私はあいつらしかいないと思う」
「!」「あいつらってあいつらのことだよね? あいつらか~」
「なんですのぉ~。ご自分達だけで納得してないで、きりきり吐きなさいなぁ~」
「・・・各条件は大丈夫だと思う。秘密は守れるし、強い。私が心配してるのは全く別の事なんだ。アンジュ説明してやってくれ」
「ふぅ~。まだ子作りの練習すら始めていられない内からこうなることは避けたかったと言う事ですね。私達のパーティーは女だけですよね? 男どもが鬱陶しいからそうなったのですが、当然付き合いのあるパーティーも限られてきます」
「つまり女だけのパーティと言う訳じゃな」
「なんだ、姐さん達の事だったのか。僕やっと分かったよ」
「姐さん?」
「ひひ、僕たちの先輩パーティーさ。僕達がノービスだった頃からお世話になってるんだよ。で、何が問題なのかな?」
「・・・今でさえ女だけしかいないのに更に女が増えるんですよミヤ。場合によってはまた側室なんて事にも」
「ええ~!! サラ! まだ奥さん欲しいの! どういう事さ!」
「ええ~。俺の問題なの!? そもそも側室増やすとか言ってないよ」
「ふむ。しかし男のパーティーを増やして、わらわ達が危険になるのも問題じゃぞ?」
「・・・そうか。姫様達もいるから他の男とか駄目なのかな?」
「はい。皇族がいる以上、男は去勢して頂きます。帝城ではそうする決まりになっておりますので我々戦闘メイド隊が結成されたと聞いた事があります」
「・・・」「・・・」「・・・」「・・・」
「去勢するなんて言ったら誰も来てくれないだろうな」
しみじみとマイヤが言う。
「え~と。近衛の人たちって全部が全部去勢されてないよね?」
「はい。男は去勢すると途端に弱くなりますから。警護の者は去勢されておりません。しかし後宮警備の任にも付けません」
「待つのじゃ。待つのじゃ。思わぬ方向に話がそれておる。問題は側室が増えるのではないかと言う事であろう? 現状欲しい人材は、ここでも暮らせるくらい強くて、信頼が置け、口が固い事じゃな?」
全員が頷く。
「強さはまあ良い。じゃが信頼とか口の固さは、さてどうやって判断する? 万が一も許されんぞ。わらわから言わせれば側室にして身柄と一緒に抑えるのが一番じゃ。とんでもない悪女でもない限り優良物件を裏切らん。男の忠誠を得るより簡単じゃ」
「しかし姫様。お子が出来た時の問題も多いと存じますが」
「わらわか、グリンダ、そちでも良い。そのうちで男の子が出来ないとは考えられん。皇族出身のわらわ達から跡継ぎが出るのは確定じゃ。その他はいくらでも面倒を見よう。ゆえに問題ない」
「お手が付かなければ、そもそも身籠らないんですけどねぇ~。ぼそぼそ。自分のお胸の心配はないのかしらぁ~。ぼそぼそ」
「小声でなにをぼそぼそと、聞こえておるわ! これはこれからじゃ! わらわには未来があるのじゃ! いかん。また話題がそれる」
「ちなみにぃ~、お姐さん達はぁ~美人なのかしらぁ~?」
「えへへ~。姐さん達はすっごい美人だよ」
「「「・・・」」」
「ほ、ほら側室じゃなくても侍女隊の人たちみたいに一緒に居るじゃないか。だから側室にこだわらなくても良いんじゃないかな~なんて?」
「侍女は全員側室もしくは妃候補じゃ」
「・・・」
「・・・ふ~。でも現状仕方ないのだろう? 側室候補と言う事は、黙っておいて話を持ちかけよう。あっちにその気がなければ問題なし。従士にはなってもらうで依頼を出すでどうだ?」
マイヤが提案する。
「従士ではちと弱いが、しかたないじゃろう。確かにライバルは少ない方が良いであろ」
「周辺の間引きもそうでありますが、ダンジョンも捨て置けません。あそこも溢れる可能性があります。今までは魔獣たちが対応していたのかもしれませんが間引いた分対応できない可能性もあります」
「そうじゃな。今後の事もあるのじゃ、テストケースと言う事でやってみるしかないであろ」
「え~とじゃあ、まとめようかな~。秘密の収益は大シュナイダー領に投資します。残りでもって姐さんのパーティーを勧誘します。農場は小麦の生産だけに絞って、試験農場では自分達が食べる分だけ作る事にします」
「周辺の魔獣は狩って狩って狩りまくりであります」
「南街道はぁ~、海岸まで伸ばしますぅ~」
「それまでに遠隔同時多発展開魔法を習得しておくのじゃ。ほほほ。来たらしごいてやるのじゃ」
「と言うことに決定します」
「「「異議なし」」」
こうして小シュナイダーの第一回収支報告検討会は議決した。




