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第二章第四話 再突入第二夜以降

遅れが目立ってきましたね。すいません。農作業も始まりません。・・・すいません。普通に考えて土地も何もないと農作業始めるまでって大変だからしょうがないと自分を慰めてます。

作者のモチベーション維持向上のため評価感想など頂けたら幸いです。

第二章第四話 再突入第二夜以降



「・・・」


 二日目の朝はいつもに増して、四肢を拘束された状態で目覚めた。上半身はまあ、いつも通りヤルルーシカとミヤに拘束された状態でマイヤに埋もれていた。


 問題は下半身。股を大きく開きその中にリュディーとアンジュが背中合わせに俺の足を拘束している。頭部は俺の股関節辺りに有り、危険な位置取りとなっている。


 常々思っているが、この寝方に疑問ありだ。それは後の問題だ。現状自由を取り戻すのが先だろう。幸いなことに左腕が久しぶりに解放されている。


 頭部を開放するべきか右腕を開放するべきか。頭部は完全にマイヤの胸部と腕によって固定されているので早く開放したい。


 右腕はヤルルーシカの胸部をつんつんすることで解放される事は検証済みであるがこれがなかなか気恥ずかしい。


 さてどうやって解放されるべきか。ふむ。やはり確実に解放される手段を選ぶべきだろう。かなり気恥ずかしいがヤルルーシカをつんつんすることにする。


 ・・・選択を誤ったようだ。両方の腕を抱え込まれてしまった。引き抜こうにも引き抜けない。怪力スキル恐るべし。


 あろうことか俺の手のひらががっつりヤルルーシカの胸部装甲に当たってしまっている。


 不味い!! 柔らかいけど、いや、そうじゃなくて。どうしよう。完全に身動きが取れなくなった。手を動かすのは一番不味いだろう。


 それでなくてもがっつり当たっているのだから。ならば、足か、頭か。体は無理だな。仕方ない頭を揺すってマイヤを起こそう。


 両側がむにゅむにゅした胸に挟まれている所をさらに動かすのだこれはかなり・・・難事になるな。覚悟を決めねば溺れてしまいそうだ。


 ・・・さらなる試練を神は与えたもうた! 完全に抑え込まれた。ちょっとも顔を動かせない。この状況で足を動かすのは流石に危険ではないだろうか。


 リュディーのグリグリが発動する気がする。アンジュまでそうなったらもう耐えられないかもしれない。


 ここはミヤだ! ミヤを何とか起こさねば。俺の胸から腹にかけて仰向けで寝ているミヤを揺り動かし左側に落とせばきっと起きるはず。


 ・・・もうだめです。神よお慈悲の有らん事を。落ちる寸前にミヤが寝返りを打った。そのまま両腕両足を俺の体に巻きつけピッタリとしがみついてしまった。


 はっとここで気がついた。なにもこっそり起きる必要はないのではないだろうか。動けないのだから声をかけて解放してもらおう。最初からそうすればよかったのだ。


「み、みんな起きて離してほしいんだけど」


 うわあぁぁ。全員がもぞもぞしだしちゃった当たってますそこら中に当たってますよ。


「ちょ、ちょっと。早く起きて! もう、いや~。それ以上はだめ。やめて~」


 それからしばらくして。皆がやっと起きた。しかしまだ完全には解放されていない。拘束が緩んだ程度だ。


「もうこの寝方やめようよ。色々当たってるって言ってるじゃん。ぷりぷり」


「だから触っても良いと言っているだろう? 何の問題があるんだ?」


「そうじゃないでしょ! そうじゃないでしょ! どうしてもっと慎みが持てないの! 僕も男の子なの!」


「よく分かりませんが、男の子ならうれしいのでは?」


 小首をかしげるような感じでアンジュが疑問をぶつけてくる。


「そうじゃないでしょ! そうじゃないでしょ! 嬉しいけど嬉しくないの!」


「なにを言ってるか僕分かんないよ。サラは何をそんなに怒ってるのさ」


「寝方だよ。寝方(・・)。どうして普通に寝れないの!」


「まだ夜は肌寒いからでしょ? 体温が一番高いのはサラだし」


「分かった。分かった。ならば私が交代してやるからそれで良いだろ?」


「・・・それは無理があるかな」


「ならミヤと交代すればいいじゃないか。それで解決だ」


「違うでしょ! 違うでしょ! それ根本的な解決じゃないでしょ。ちゃんと男と女で別れて寝るべきでしょ」


「それはダメだ。お前が一人で寝るのは危険すぎる。ここは大森林なんだぞ。自分の力量を良く考えるんだ。またブラックスネークに引っこ抜かれたらどうするんだ」


「――くっ!」


 前例を出されたら反論のしようがない。こうして朝の問答はうやむやになったのだった。ええい。諦めるもんか! いつか改善してやる。これでも俺は男なんだから!


 朝食の準備にかかることにする。最後の白パンと昨日のスープの残りに具材を追加して味を調えるだけ。お肉を炙って昨夜と同じメニューの出来上がりだ。


 この食事の改善もいつか果たしたい。料理など出来ないが、前世の記憶で食べていた物が忘れられない。特にカレーライスとラーメン、欲を言えばもっとある。


 この二品なら再現が可能なのではないかと思っているだけだ。お寿司にうな重なんかも良いがきっと技術がいるのだろうと思う。


 カレーライスとラーメンを再現するには米とかん水を見つけないといけない。香辛料なんかは結構売ってるので何とかなるのではと思っている。


 ひょっとしたら米はどこかにあるかもしれないが、かん水がいかなるものか前世の記憶にもない。


 どこかの湖の水がたまたまそうだったらしいという記憶だけだ。前世で住んでいた地域ではないはずなので恐らく何かしらの硬水の可能性が高いと思っている。


 どっちにしろ先の話だ。十分な食料すら確保できない領地なんだから。


「じゃあ、森を切り開きながら進もうか。最近はどうやってるんだ?」


「へへへ。最近はね魔法を飛ばす事を覚えたんだよ。僕がやって見せるから見てて」


 そう言うとミヤが、自分のハルバードを構えて魔法を付与し巨大な刃を生み出す。ん? エンチャントの魔法が武器全体を覆っていない様だ。


 ホントの刃の様に薄く前面を覆っていいるだけだ。ミヤが渾身の力でハルバードを振り抜き、右側の何本かの木が切り倒された瞬間、「飛べ!」と気合の言葉がミヤから発せられた。


 振り抜く勢いのまま、魔法が前方に射出されて行った。およそ10m位を走り抜け、巨木に当たって魔法が四散した。魔法が走り抜けた場所は幅1m長さ10mに渡って切り開かれていた。


「おお! 凄い。凄い。でもこれ早いの?」


「うん。早くない。たまに遊びでやる位だよ」


「・・・」


 だろうな。魔力を貯める時間に飛ばすまでの気合とか振り抜いた後魔力がなくなるまでの時間を考えると普通にザクザク切り斃した方が早い。


「さあ、遊びは終わりだ。まずは生み出せるだけ、ゴーレムを生み出してくれ。そして整地作業を命じてくれ。アンジュ、少ないぞまだいけるだろ!」


 マイヤ、ミヤがツートップで伐採の主力、二人の切り洩らしをアンジュが伐採して行く。その後ろで残りの三人で切り株を引っこ抜く形態に落ち着いた。


 やはり魔法と肉体を一遍に使うことに慣れていないアンジュが四苦八苦している。


「アンジュ。ゴーレムが土に戻っちゃったよ。再構築して」


「・・・はい」


「アンジュ! その位の木は一撃で切り倒せ!」


「・・・はい」


「アンジュ」「アンジュ」「アンジュ」「うがー」アンジュが切れましたとさ。


 切り株の処理はやはり怪力持ちでも引っこ抜けない。巨木の根も有り二人掛りだったりするので、マイヤ達からは遅れる。


 俺はスキルなしなので、ゴーレムを総動員して何とか抜いている感じ。それでも遅れが目立ってくるとマイヤとミヤの剛力コンビが手伝いに戻ってくる。


  恐らく一番先に剛力にランクアップするのはアンジュだろう。アンジュより先に俺が怪力を取得出来るか競争だ! なんて勝手に思ってる俺。


 木を切り倒したり、根っこを穿り返すのは大変だ。スキルがなければ一日に二、三本だろう。当然スキルが有ってもその分速いからきついはず。


 汗ダラダラだ。うん。いつものように上半身裸になる。アンジュのみまだ羞恥心が残ってる。良い傾向だ。と思ったら午前中一杯保たなかった。そら、みんな裸なんだから気にしなくなるよな。


 俺はひたすら下を見ながら、作業に没頭する様に心がけているがちらちら目に入ってしまうのは勘弁してもらいたい。


 午前中だけで500m位は進んだ。午後は暗くなる寸前まで作業して700m位進んだ。通常なら数ヵ月下手したら年単位はかかるのだから遅々として進まないのはしょうがない。


 明日は速度を上げて作業するそうだ。汗でべとべとすると言うので、魔力に余裕がある俺が空中に水球を生む。


 その中に歩いて入って体を洗うのだ。さらに洗濯も出来るのでこれはかなり好評だった。一人が終わったら水球を投げ飛ばし新しい水球を生む。


 五人終わったので寝るつもりでいたが、視線が痛い。はいはい。分かりましたよ。洗えば良いんでしょ。


 実はまだお湯は作れない。火魔法と水魔法を組み合わせればできそうな気もするが、火力が足りない様だ。前世の記憶では熱容量が大きい水を温めるのは大変らしい。


 火魔法の熱量をそのまま水に伝えきれないのも要因の一つだろう。よって夜は冷える上に水浴びでは寒いのだ。当然ゴチャッと固まる事になる。今朝、駄々をこねたが全くの無意味だった。


 これはお湯を作るしかない。我が研究心に火がついた。火魔法と水魔法を同時に発生させると魔法同士が相殺してしまうのだ。


 次に試したのが普通に焚火と鍋の関係と同じ、上に水球下に火球を生んで炙る。・・・普通に時間がかかる上に火球を何回も生まなければならなかった。


 熱が周囲に逃げるせいだと思う。ここで気力が尽きたので素直に抱き枕になって就寝。


 三日日目の朝、いつもより遅い目覚めだ。しばらく寒くて寝付けなかったのだ。お互いの体温で温めていなかったら寝られなかったかもしれない。


 そのためかいつもよりも一層固まって寝ている。うん? 見張り? この辺はまだ魔獣より獣の方が多いから接近されればすぐ起きるので立てていない。


 昨夜だって二回程襲撃されているが、誰かが倒してるらしい。俺? もちろん気付いてないさ。はは! 何で分かるかって? 起きると獲物が木にぶら下がってるからさ。


「おはよう。昨日は誰が迎撃したの?」


「おはようございます。私がしましたよ」


 アンジュだった。やっぱりか。なんだかんだ言ってアンジュが一番察知能力が高い。ミヤも高いんだけどたぶんアンジュが何とかしてくれると思って起きない。


 実は俺はスキルが生える様、気を張ってるつもりなんだが、彼女達が察知するのが早過ぎて、なにも感知出来ないのだ。


 今日は拘束が緩かったので、すんなり起きられた。うん。ごめん。正直に言おう。俺がしがみついてたんだな。朝食の準備をしよう。


 その前に朝のお茶っと。薪の火を起こし直して、鍋をかけて湯を沸かす。一連の動作。湯が沸くまでは、アンジュの膝の上だ。今起きてるのは俺とアンジュだけ。当然の様に膝に乗せられる俺。


「ねえ。アンジュ。無理にスキンシップ取らなくても良いんだよ?」


「別に無理はしてませんよ。このほうが直ぐに馴染めると言うのは確かですから。裸をさらすのは流石に抵抗がありましたけど、他のみんなとはいつもそうでしたから割とすぐ気にならなくなりました」


「・・・いやいや、そこは気にしようよ」


「水浴びの時なんか暗がりですけど全裸ですからね。そりゃ羞恥心もなくなりますって。ふふ」


 お湯が沸いたので、茶葉を入れて蒸らす。カップに注いでアンジュに渡して一緒に飲んでいると、もぞもぞとヤルルーシカが起き出して来る。


 たらいにお水を出してあげると顔を洗ったり身だしなみを整える。


「ふぁ~。おはようございます。・・・サラおいで」


「・・・おはよう。はい。お茶飲めば温まるよ」


 寒そうにしているのでしょうがなくアンジュからヤルルーシカの膝に乗り換える。寝起きの一時はちょっと寒いのだ。


 後は続々と起き出して来る。朝食を済ませて、伐採再開。本日は何事もなく順調以上に伐採が進む。


「今日は水浴びは止めとく? さすがに昨日は寒かったもんね。汗が気持ち悪いけど」


「ふふ、ふふ、ふふぁははは。見よ我が編み出した秘技、火球水球包み!」


 まあ、字の通りなんだけど、火球を完全に水球で覆たんだな。水球の内壁を管を這わせるような感じにして表面積をふやして空洞を作る。


 その中心に火球を発生させてあまねく全ての熱量を水球に伝えるようにしたんだ。


 でもこのままだと直ぐに火球が消えちゃうから下から二本の管の内一本に風魔法で空気、特に酸素を送り込んでもう一本から排気する。


 これやると火球の温度がものすごく上がるんだ。周りから手で水球の温度を確かめながら程良い所で火魔法と風魔法を解除するとあら不思議、お湯玉の出来上がり。


 ポポンと服を脱ぎ散らかしてミヤが飛び込む。


「ふわぁ~。これお風呂だよ! いい。あ~、でも温くなるのも早いね。って熱っつ」


 焚火で沸かしといた熱湯を足したのだ。


「ほら、かき混ぜて。熱いよ。熱湯だからね。ぐぬぬ~。よし。もう一個で来た。どんどん入っちゃって」


 もちろん目がキラキラしていたリュディーが飛び込む。


「ふわぁ~。お風呂だ~。確かにお風呂だよ」


 三個目のお湯玉が出来た所で、ふと思いついた。洗濯機。ヤルルーシカが入った所で髪の毛を先に洗ってもらい、結い上げて貰う。


「こう? それでどうするの?」


「いくよ~」


 お湯玉の中で縦横無尽に水流が暴れまくる。足首から首までをお湯玉に浸かっていたヤルルーシカだが中で水流が暴れ回ったのだ。


「きゃ~~。止めて止めて」


 しこたま怒られました。うん。きれいになると思ったんだよね。良く考えたら洗濯機に放り込まれた人間がどうなるか分かるよね? 一応他のメンバーにもやるか聞いたけど、皆やらないそうだ。


「はぁ~。寝転がりたい。立ったままなのが難点だね。お湯玉の中で洗うからお湯も汚れるし、魔力消費も大きいからね~。改良の余地ありだね」


 因みに土魔法で湯船を作ってお湯を入れるは失敗している。泥水になっちゃうんだな。そりゃ、焼き固めた訳じゃないからいくら固めても溶けるよね。


 後マッドゴーレムの洗浄機能付きも不評だった。

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