ご飯
「へい!毎度あり!!10万ギルダー」
満面の笑みを浮かべたエックスソードが目の前に差し出された金貨を手にした瞬間だった。
「えっくすぅ~」
そんな声とともに誰かの指先がエックスソードの背筋を上から下へとつつつと撫でていった。ぞわわとなった彼だったが、その主を知っていた。
「この声は、ヤンウェイ。どうしてここに?」
引きつった笑顔で振り向くと小柄な少女が立っていたと思った途端、パカンと頭を叩かれ、首を閉めれれていた。
「どうもこうもないわよ!!エックス!!あなた、私にしたこと覚えてないの?」
「え・・・えーーーと」
声がどもるエックスソード、そんな彼から彼女は金貨を奪い取った。
「あーー!!俺の金!!」
すると再び頭をパカンと叩かれてしまった。
「よくもそんなこと言えたわね。無銭飲食しといて、私を置き去りにして!!これはもらっておくわよ」
そう言って、中身を見ると思ったより少ない。じっと彼を見つめる彼女、顔は笑顔のまま怒っていた。
「どこに隠したの?」
引きつった笑顔で答えるエックスソードだったが、その頬をむんずりと引っ張られた挙句、ぐりぐりと上下に引っ張られた。
「ひぃふぁい」
「どこなの?」
「さぁ?」
すると彼女は店主の方を見た。ただし、片手でエックスの服はつかんだまま、もう方の方の手で、バチバチと稲光を上げる光るボール状の危ないものを作っていた。そんな彼女に驚く店主
「わ・・私は知りません。彼が持ってきたものを、ただ換金しただけです」
「あら?そう・・」
そう言って、振り向いた彼女、再びにっこりと怒って
「えっくす・・・どこにやったの」
「ほ・・本当にこれだけだ!!」
と叫んでいる彼の目はよそを向いていた。
「そうなの」
「そうです」
そう言った瞬間、彼女は手にしていたその危ないものをエックスにぶつけた。
「ぎゃーーー!!!」
ボロボロになったエックスを見ながら、手をぱんぱんと叩いているヤンウェイ
「ま・・・いいわ。それより食事にしましょう」