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強運の持ち主のチートガチャ  作者: ダブ
オルヴィエの町
4/4

カリン 襲われる

就職関係で投稿が遅れてる……。


何とか巻き返してみるので、よろしくです。

「今度は、ガチャをしよ―――――」

ステータスを確認した俺は、当初の予定通りスライムの死体をポイントに変換して、ガチャをするつもりだった。


「た、助けてくれーー!!!」


――――この悲鳴が聞こえるまでは……

「あー、何でこんなテンプレ的イベントが起きるかな…」

聞こえてきた悲鳴の主は男だった。しかし、異世界から召喚された者が、盗賊たちから人を守るのはテンプレの中では定番だった。


「仕方ない…。時間もないし、剣で倒すか」

俺は、悲鳴が聞こえた方に向かい走り出した。


――――距離は200メートル先(・・・・・・・・)ぐらいか?

「出来るだけ急ぐか…」

レベルアップで上昇したステータスをフルに使い俺は走る。




私の名前は【カリン・オルヴィエ・リーシア】

これでも、オルヴィエの町を治めている貴族の娘だ。

一応、令嬢と言う立場になるのだろうか?


今日は、とある理由があって町の外に出ていた。


――――え?護衛は無いのかって?

確かに父からもらえる、月の小遣いでお金を貯め、護衛を雇った。

なぜ、貴族の令嬢でもある私が、ここまで待遇が悪いのか?


――――答えは簡単だ。

私が家の落ちこぼれだからだ。

実際、適正年齢の10歳を過ぎても魔法適性は出なかった。

私の家は、古くから実力主義だった。しかも、魔法が使える者が当主になると言う決まりがあるくらいには……。


私は悔しかった。だが幸いな事に、父から5年の猶予を与えられた。

その年月を使い、私は魔法ではなく、剣の技術で家を見返すことにした。


―――――そして5年の年月が過ぎた今日。

私は、現当主に決闘を挑もうとした。

だが、現当主に言われた言葉はこうだ。


「魔法もろくに使えないお前に、私に挑む資格などない!」

この時だった。家を出るという決意が固まったのは……。

…悔しかった。ここまで自分が差別されてしまう事に。

だが一番悔しかったのは、自分い力が無い事だった…。


家には私の居場所なんてなかった。

いや、一つだけあった。……それがこの子だろうな。

私は、無意識に隣の子供を見た。


彼女の名前は【マリー】

彼女は、私がまだ幼い時に家の前で倒れていたのを助け、育ててきた子だ。

私としても、妹のような感覚があり、一緒に居るととても癒された。


今回私が家を追放された時も、危険だと静止しても頑なに拒否した。

「何だかんだ言って、私も甘いのかもしれないな…」

「え?どうかしたのですか?お姉ちゃん」

おっと、声が漏れてしまったようだ。


――――門を出てから半日が過ぎただろうか?

その時、突如としてトラブルが起きた。


「敵襲だ!」

その声に私とマリーは起こされた。

時刻は早朝。だが、たった二つの文字がこの場に決して朝とは思わせない緊張感を生み出した。

「敵は何ですか!?」

「オークだ!ランクは低いが、群れで行動する習性を――――っ!?」


――――呆気なかった。

先程まで、私と敵の話をしていた男性は森から出てきたオークに食われた。

「………」

まだ護衛は何人かいる。早く援護しなければならない。

…だが、私の足は恐怖に震えていた。


ああ、情けない。私の意志とはここまで脆かったのか?

「た、助けてくれーー!!」

「冗談じゃない。逃げるぞ!!」

護衛が全員、散り散りになって逃げていく。


だが、その度に丸で嘲笑うかのように護衛の男性(・・)を殺していく。

「逃げてください。お姉ちゃん!」

「――――っ!?」

不意に、マリーの声が聞こえた。彼女は、護身用として持って来ていたナイフでオークに斬りかかる。

だが、オークには全く痛くないらしい。

「わ、私が囮になっている間に!」


冗談じゃない。マリーを置いて逃げられるものか!

「はぁーーーぁぁっ!!!!」

私はオークに向かって剣を振りかざす。


カンッ キンッ ゴンッ


だが、剣でもオークたちの皮膚には傷を付けられなかった。

「お、お姉ちゃん!?」

マリーの震える声が聞こえる。どうやら、上手く私に注意を向けることが出来たらしい。


「ははっ……。マリー、おいで」

「はい。お姉ちゃん」

私はマリーの名前を読んだ。彼女は、直ぐに私のもとに駆け寄ってくれた。

どうせ死ぬなら、一緒に死にたかった。


…………。

「お、お姉ちゃん……?」

可笑しい。オークたちは男たち(・・・)を直ぐに殺していったはずだ。

なのに、まだ死んでいない。

不思議に思い、恐る恐る私は目を開けた。


――――男たち?

ここまで考えてようやく理解した。

「こ、怖いです。お姉ちゃん」

腹に巻いてあるオークのタオルの一部が膨らんでいる。


…ああ、そうか。オークは繁殖能力が異様に高い、と聞いたことがあった。

恐らくそれは、こういう事だったのだろう。

「大丈夫よ、マリー。直ぐにどうにかなるから」


絶望する前に、これだけは言っておきたかった。

今年10歳になるマリーにはこの現実は辛すぎる。

今のうちに言っておかないと、もう言う機会が無くなってしまう。


せめて、私が私でなくなってしまう前に……。

「お姉ちゃん。どうして泣いてるのですか?」

そりゃあ、泣くでしょ。

私は、最後になるかもしれないツッコミを心の中でした。


「せめて、最初くらいは好きな人とやりたかったな…」

「私もです。お姉ちゃん……」

――――っ!?何だかんだマリーも分かっていたのかもしれない。


「恋ぐらい、したかったな」

オークがドンドン近づいてきた。


………そして、オークたちが吹き飛んだ。


「じゃあ、やってみろよ……恋ってやつを」

「え?」

「誰ですか?」

助けてくれたのは、黒髪の少年だった。

次回作【キョウヤ 人助けをする】

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