[一章] 知識を育む幼子(修正)
「おぎゃおぎゃぎゃおぎゃーーー!」
(どうしてこんなことになったんだーーー!)
意味は分からないが、俺は転生していた。
俺には前世の記憶と呼べるものがあり、俺がトラックに引かれる瞬間まで思い浮かべていたことも覚えているし最後に言った言葉も覚えているのだが、俺自身の事が思え出せない。
何度も思い出そうとしているのに浮かぶのは技や学校と爺に教えてもらった事ばかりである。
それ以上考えると頭が痛くなり始めたので辞める、それにしても死ぬ寸前に浮かんだのが怪物教師と化け物爺さんの二人だけとは、今振り返ってみるとすごく虚しい気持ちになり頭の痛さもあいまって泣きたくなってきた。
「××××××?
×××××××××」
すると俺を抱き上げて優しそうに声をかけてくれたのは長い金髪で青い瞳を持つ美人さんである。
どうやらこの人が俺の新しい母親らしく、最初のころは外国に転生したのかと思ったがそうであるかどうかは父親らしき人の姿を見たときに考えさせられた。
なのでこの世界の事と父親の事はともかくあとで考えることにして、とにかく今はこの新しい母親を心配させたく無い俺はとにかく笑うことにした。
「キャッキャッキャッ」
すると母親は安堵の顔で優しい声で、
「×××××」
といい俺が眠たくなるまで腕の中の俺を揺りかごの様に揺らし続けてくる。
そうして俺は母親の温もり知りながら意識が暗闇に吸い込まれるようにして眠りについていた。