[間話] 未来の親バカと冷徹メイドの会話(修正)
ある屋敷の一室で明かりを点けず、奇妙に動く人影があった。
その人影は部屋の中を歩き周っている。何十周いや何百周を周った頃、突如立ち止まり両開きの扉を凝視し始めた。
数秒後、扉を叩く音が部屋に響き渡ったると、扉がゆっくと開くとそこに居たのは光の玉を手に浮かべた女性が佇んでいる。
その女性は異様な程、美しく整った顔立ちだが無表情で部屋の中の人物を静かに見つめながら、唇を動かし言葉を告げる。
「お生まれになりました」
その言葉を聞いた部屋の中の人物は数秒間、身動き一つせずにいたがその後、
「本当かーー!?」
女性に大声を出しながら詰め寄よった。
普通なら顔を顰めそうになる程の音量だが、女性は無表情なまま平坦に返答する。
「はい、それとお静かにしてください」
しかし、部屋の中の人物は女性の言葉を無視し部屋を出ると、
「そんなことを言っている場合か!
いくぞシリア!!」
女性にまた大声でそう言うとそのまま走り出してしまう。
それにシリアと言われた名前を呼ばれた女性は、変わらず無表情にため息を吐くという器用な事をするとそのままゆっくりと歩きだした。
シリアと呼ばれた女性が、手に浮かべた光の玉が僅かに照した部屋の中の人物の頭には犬耳が生えていた。