表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/19

十五話

「じゃあ、始めるか」

 俺がシリアに声を掛けてると。

「どうぞ」

 構えずに立ち尽くしたまま答えた。


 俺は軽く息を吐き出すと。

「『強くなる身体』」

 シリアの足に目掛けて蹴り込む。

 シリアは、間合いを見極めて軽く後ろに後退する事で、避けるが。


「こなくそ!」

 振り抜いた足が地面につくと同時に、ついた足を軸にして後ろ回し蹴りを放つ。

 シリアのお腹目掛けて、足が飛んで行くが、当たるか当たらないかを完璧に見切られて触れることは無かった。


「くっ、まだまだ!」

 その後も、いろいろと攻撃を繰り出すが、結果は変わらずかすりもしなかった。


「はぁはぁ」

 限界まで、身体能力をあげたせいで息切れが止まらない。


「ルカ様」

 気づいた時にはシリアが、水の入った木のコップを差し出してきた。


「はぁはぁ、ありがとう」

 水を勢いよく飲み干すが。

「げほげほ」

 咽せた。


「一六秒と言ったところです」

 咽せる俺の背中を摩りながら声を掛けてくるシリアの言葉に驚く。


「げほげほ、ほ、本当か」

「はい、間違いなく」

 よし、前回より伸びたと心の中で喜んでいると。


「しかし、今のように限界以上に使用しようとすると、身体の方が持ちません」

 注意が飛んでくる、声色に思わず顔に視線を向けると、相変わらずの無表情だが、怒りの炎が背後に見える気がする。


「ルカ様、戦いで大切な事は己を知る事です。

 自身の限界以上の事をすればその内、手痛いしっぺ返しが帰ってきます」

 シリアの言葉に、うなずく。


「今日はここまでにしましょう。

 シエオも風呂が終わった様です」

 言われて、シリアと同じ方向に視線を向けると、こちらを観ているメイド服に身を包んだシエオがいた。


「ルカ様も風呂に入って来てください。

 その後、座学としましょう」

「分かった」

 俺はシエオを連れて風呂に向かう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ