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[間話]薄暗い部屋の中の男女
「やっぱりこうなってしまうのね」
薄暗い部屋の中で女性が悲しげに呟く。
「まだ、決まった訳ではないさ」
励ますように男性が明るい声で返事する。
「でもここまで『視た』道理なよ」
「それでもまだ可能性はあるさ」
しかし、女性の悲しげ声は変わることはなく、それを男性が励ますといった会話を繰り返す。
「だけど...「大丈夫さ」
「それに、もし君が『視た』道理になったとしても、私は後悔などしないさ」
再び同じ言葉を言おうとした女性を遮り男性は優しげな声で言う。
それに、女性は震える声で。
「ごめんなさい」
「謝るなんてしないでくれ。私は君とそして、あの子を愛しているだから」
男性の返事に女性は。
「ありがとう」
少しばかり明るくなった声で男性に感謝の言葉を言った。
それに、男性はおどけた調子で
「こちらこそ」
そう言うと、女性と一緒に薄暗い部屋から出て愛しい子の元に向かった。