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第7話 毒と少女

秀は悲鳴を聞き急いで雪のもとに向かう。

そこには、雪と雪の腕に何か変な動物がついていた。

その動物はなんて表現していいのかわからない

なんというか、基本は犬なのだが下半身は魚みたいになっていて、翼も生えている。

歯は犬のものというよりどちらかと言えばギザギザの鮫のようになっている。

それが、今まさに雪の腕に噛み付いているのだから大変だ。

後ろからミカが駆けつけてきた。

ミカはその光景を見て絶句した。

すると、ミカを見つけた変な動物は今度はミカに向かって飛びついてきた。

秀はとっさに手に持っていた鉄パイプを思いっきりその動物にたたきつけた。

変な動物は鉄パイプを思いっきりくらい「キュン」と言ってその場に血を流し倒れこんだ。

念のため秀はもう一度頭を思いっきりたたいて変な動物の顔をなくした。

そのとき、思っていたより血しぶきが出て秀の顔面を赤く染めた。

秀はあまりのことにハアハアと息を荒立てていた。

するとミカが秀の傍に寄ってくる。

「お兄ちゃん、あの、お姉ちゃん大丈夫なの?」

それを聞き秀は正気に返り雪の傍に行く。

ミカも続く。

「雪、大丈夫か?」

雪はおぼつかない微笑をうかべ「大丈夫」という。

━明らかに大丈夫じゃないだろ

「雪、腕見せてみろ」

そういうと雪は腕を出す。

腕にはくっきりとあの動物の歯型がついていて、そこから血が滴り落ちていた。

「ミカ、たしか救急セットみたいのあったよな」

ミカは肩から下げていた救急セットを秀に渡す。

中にはたいした物は入っていなかった。

包帯と塗り薬見たいのだけだった。

とりあえずそれだけで手当てをした。

雪は迷惑かけまいと必死で「大丈夫だから」といっていたが、まだ目には恐れが見える。

相当怖かったのだろう。


コツコツ


突然何かが近づいてくる音がした。

突然というよりさっきからしていたのかも知れないが秀たちには気づかなかった。

それに気づき秀は鉄パイプを強く握る。

雪たちは奥のほうでまた震えていた。


コツコツコツ


さっきより近づいている。

秀は壁に寄って身構える。

次の瞬間檻の中に何かが入ってきた。

秀は鉄パイプを思いっきり振りかぶる。

しかし、その何かはそれをよけてすごい勢いで秀の首をつかむ。

━苦しい・・・・・い・・息ができない・・・・・

秀の首をつかんでいる人はものすごい力だった。

それに意識が朦朧としてよく目が見えない。

━もうダメだ・・・・・

「やめてー」

すると突然雪が叫んだ。

それに気が付き秀の首をつかんだ手が緩んでいく。

そしてそのまま秀は咽ながらその場にしゃがむ。

「たしか弥生さんでしたよね」

そういう雪の声が聞こえた。

まさかと思い秀は精一杯の力を振り絞り首をつかんでいた者を見る。

確かにそれらしき人がいた。

しかしよく見ることができない。

そのまま秀は意識を失った。



気が付くとベットにいた。

周りにはミカ、弥生がいた。

━やっぱあれって弥生さんだったんだ。

とか思っていると秀が起きたのに気づきミカがこちらを見つめてきた。

秀は笑った。

少し引きつっていたかもしてない。

秀は特に体に異常がなかったのですぐにベットから起き上がる。

「ここはどこですか?」

「ここは三階よ。特に罠はないから安心して」と弥生

そして秀はあることに気づく

「あれ、雪はどうしたんですか?」

すると弥生は目線をそらす

だれも何も言わない。

ふと隣のベットを見る。

そこには呼吸を荒げた雪が寝ていた。

とても苦しそうだ。

「なんか、毒が回っているみたいなのよ、このままにしておくと彼女、死ぬわ」

そういう弥生の目には少し涙が見えたような気がした。

秀ももだえ苦しむ雪の姿は見ていられなかった。

「亘さんには知らせたんですか?」

亘ならか助け何る方法を知っているのではと尋ねる。

「いや、あんたが起きたら探しにいこうと思って・・・・・・」

それを聞いて秀は自分が雪を苦しめていたような気がした。

なんというか罪悪感に駆られた。

「ミカはここに残って、俺と弥生さんとで亘さんを探してくるから」

ミカはうなずく

秀はそそくさと扉を出た。

廊下は相変わらずうす気味わるくライトの光に照らされていた。



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