第2話 約束
冷酷で感情がこもっていない少女の声がどこからかする。
その少女は意味のわからないことを言う
生きるために宝探しをしよう
みんな混乱と怒りで何がなんだかわからないことをいっていた。
しかし秀は落ち着いてこの状況を判断する。
━俺達はこの部屋に連れてこらてたそして、生きるために宝探しをする?ここが密室で抜け出すために宝を探すってことか?ならば、なぜせっかく捕まえた人を逃がすようなことをするんだ?なぜ記憶がないのだ?
考えても埒が明かない、何も知らないのに何を考えてもわかるはずがない。
ガーギー
まだ少女の話は続いているようだ。
ルールは簡単この場所のどこかに鍵があります。その鍵でこの建物から抜け出すことができます。それを協力して探してください、ヒントはそこにいる一人一人がもっています。がんばって生きて抜け出しましょう!
なおこの部屋のドアは三十分経つと開きます。それまでみんなで話しあっていてください。そしてそれまで決して扉に触れないでください。
少女の話は終わった。
みんな唖然としていた。
顔の白い少女は幼い女の子に「大丈夫だよ」とか言聞かせ抱き合っている。
正直秀はビビッていた。
「生きるため」と言う言葉がなぜか秀の胸に響いたのだ。
━生きるため?ってことは死ぬ可能性があるってことか?いやきっとそうだ!!
周りのひと達がざわめき始めた。
怒り、叫ぶ声
恐怖で嘆く声
いろいろな音がこの小さな部屋で不協和音する。
小学生くらいの女の子が秀により腕を抱きしめてくる。
━みんな怖いんだ、知らぬまに知らないところに居ればそりゃ怖いだろうけど・・・
いきなり秀と同じくらいのちゃらちゃらした女子高生がさけび始めた。
「あぁぁぁ〜、もうなんなんだよふざけんなよ!!こんなとこさっさと出ればいいじゃん」
そう言うと誰も近づこうとしなかった重そうな鉄の扉の方に向かう。
誰一人その子を止めようとはしなかった。
おおよそ女子高生が扉を開けるとどうなるのか試すつもりだろう。
━なんて醜い人間なんだ
秀はそう思うとその女子高生を止めなければいけない気がした。
「おい、やめたほうがいいんじゃないか、あの声も言ってたろ。」
秀がそういうときにはもう女子高生は扉の前まできていた。
「なんだよ、怖いのかよ。別に何にもおきねぇ〜よ」
女子高生はかなり興奮していた。
そして秀の忠告も聞かずに扉にふれる。
ビリリリリリリリリリリリリリリリリ
高圧の電流が流れる音がする。
女子高生はぶるぶると体が震え、腕はすでに焼け焦げて原型をとどめていない。
衣服は燃え上がり体中に火傷をおって体の腹部は燃え尽き中から具がどろどろ出てきている。
そのまま女子高生は原型をとどめることなく倒れる。
倒れるというよりはその場にグシャとつぶれるようだった。
いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜
部屋中に悲鳴がこだまする。
━これがゲーム?酷い、酷すぎる・・・・・
秀は吐き気を覚えた。
実際奥のほうで吐いている人もいる。
━これがあの声の言うことを破った罪か、オレは生きていけるのか?