第9話 鍵
雪がよくなるとまた鍵の捜索が開始された。
とりあえずまだ見ていなかったこの階をみんなで探すことにした。
ここは三階、さまざまな機械部品などが散乱していた。
次々と扉を開けて探してみるが鍵なんてものはない。
鍵らしき部品はあるがおそらく違うだろう。
探していると突然奇妙な扉があった。
ものすごく大きい二メートルは超えるくらいのやつで秀は開けてみようと扉を引くがびくともしない。
ものすごい重さだ。
「誰かちょっと手伝ってくれ」
そういうと剛がきた。
「どうしたんですか?」
「いや、この扉が重くて・・・・」
すると剛は片手で重い扉を開く。
流石にこれには秀もびっくりした。
━こいつ人間か?とか思ってしまった。
「開きましたよ」
そう言う声はとてもおだやかだ。
剛と秀はその重苦しい扉の部屋に入る。
そこには希望と絶望が混じりあっていた。
そこにあったのは身長二メートルのパンプキンマスクをして全身を黒いマントとフードで隠している大男がいる。
しかも片手には大きな斧が携えてあり、腰には日本刀らしきものが差してあった。
しかしその大男の首元が金色に輝いている。
そう、パンプキン男の胸元に鍵があるのだ。
秀はどうすることもできなく立ち止まってしまった。
しかしパンプキン男も動く様子はない
━ひょっとしてただの飾りかも・・・・・
とか思う秀だが近づこうとはしない。
すると剛も同じ事をおもったのかパンプキン男に近づいていく、そして鍵を取ろうと手をのばす。
まったくパンプキン男は動こうとしない
あと少しで鍵が取れる。
あと少し、あと少し・・・・・
ハァという掛け声と共に剛は一気に手を伸ばす。
バシッ
しかしその手は止められた。
パンプキン男がしっかりと剛の手を取っている。
やつが動き出した。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
と剛が雄叫びを上げる。
それが聞こえたのかみんなが集まってきた。
そしてその光景を見てみなが絶句した。
剛は体勢を立てなおしパンプキン男と取っ組み合っている。
しかしパンプキン男は一歩も引くことはなかった。
「逃げろ!!逃げるんだ」
剛が大声で叫ぶ。
しかし秀は足が震えなかなか動くことができない。
なぜなら剛の力を知っているからだあの重い扉を片手で開けたそんなやつが今力と力で負けている。
信じられなかった。
━こんなやつから鍵を奪い取れだと!無理だ、絶対無理
秀の中では絶望がひしひしとココロの隙間を埋めていく。
すると突然腕をつかまれた。
秀はビクッとして腕をつかんだものを恐る恐るみる。
雪だった。
「何やってんの、死にたいの?」
そういうと雪は秀の腕を引っ張ってその場から離れる。
他の人はもうすでにいなかった。
雪の隣にミカがついている。
三人は必死に走った。
無我夢中で走りまくった。
どれくらい走っただろうか途中で悲鳴のようなものが聞こえた。
それに肉が引き裂かれるような音。
鉄が人体をぶつような音。
そしてまもなく放送が流れた。
ギーガッガッ
浅野剛 死亡しました。
声が響きわたる。
パンプキン男ですよ!
ホロウィーンまでに書きたかったのですが間に合いませんでした。
感想お待ちしてます。