先祖め…
あの後、家へ戻りシャルナが爆睡している時に俺の指を少し切って血を採取した。
結構痛いのは付き物。神経切ったか?コレ…まぁいいや…血を水で薄め、凍らせる。
そして、フライパンに凍らせた血を置き、炙る。
先祖から直伝のように血に刻まれた術式等は遺伝するため、この様にするとじわじわと浮き出てくるのだ。いやぁ〜いらないと思ってた血に刻まれた術式を読む方法がここで生きるとは思いもしなかったな!
おっと…もう出てきた…あまり時間がもたないからな…早く解読…[呪われし箱は地下深く、その星の核の近くに埋めてある。その箱を壊すことができる子孫ができることを祈る]は?術式じゃないのかよ…星の核?マグマとかのことか?とりあえず、ぶち抜いて…魔力ないんだった…いや?この言葉の背後に魔力無しで撃てる魔術的な術式があったよな?なら…いけるな…地下地下どこだ?
しばらく探し歩く。
しかし広いなぁ〜病院くらいの広さだろ…家の城じゃあるまいし…ん?ここだけタイルがズレてるぞ?
手を伸ばし、開けようとすると、
グォン!
と音がして、光り開く。
魔力認証?
中は…要塞のような…採掘場のような…石で土砂を防ぐ昔のやり方のようだ。螺旋階段のような石でできた階段で、ゆっくり下りる。ちなみに右手にマッチを持っているので、灯りは心配なし。
トカゲとかたまにいるけれど無視。
だんだん暑くなっていく道。
深く深く下がるとここまで暑くなるのか…
何時間下っただろう…さすがに疲れたぞ…ん?終わりが見えてきた!よし…え?コレは…
「危ないッ!」
え?シャル…ナ?爆睡してたろ…
「空間系統上位魔術ー檻結界」
即座に結界が張られる。
結界って1番時間がかかる魔術の一種だぞ?
「ふぅ…危なかった…ルイト死ぬとこじゃない!この箱、明らかにヤバい!」
「え?この箱を壊せば無くなるって…」
「違う!これ、壊せない!」
「え?」
「何考えてるか知らないけれど、これ、強力すぎる結界が張ってある!」
「多分、俺の先祖だな…」
「何よそれ…」
「実は…かくかくしかじかと考えていて…」
「あ〜だからあんな考え込んでたのね」
「そうそう」
「壊さないといけないのに、結界のせいで壊せない…と…術式いじるか」
「相変わらず幾何学外だな…」
「えへへ」
「褒めてないぞ?」
「えぇ〜」
「とにかく壊せ。いいな?」
「はいはい…」
今回は、ルイトの“血に刻まれた術式”というアーククライト家特有の設定が本格的に物語へ絡み始めた回でした。普段は使うこともない古い術式の読み取り方法が、まさか現代で役に立つとは思いもしなかったルイトの驚きと焦りが、描写から強く伝わってきます。
血を凍らせ、炙り、浮かび上がる文字を読むという古代的で儀式めいた行為は、異世界の文化と魔術体系の深さを感じさせ、読者に“この家系にはまだまだ秘密がある”と印象づけるシーンになりました。
そして浮かび上がったのは術式ではなく、「呪われし箱」に関する先祖のメッセージ。
星の核の近くに埋められた箱、壊せる子孫への祈り、そして強力すぎる結界──
この一文が、現代の事件と異世界の歴史が一本の線で繋がっていることを強く示しています。
地下へ続く道、魔力認証、要塞のような構造、そして“星の核”に近づくにつれて増す熱気。
現代の家の地下に、まるで異世界の遺跡のような空間が隠されていたというギャップは、物語のスケールを一気に広げる演出になっていました。
そして何より印象的だったのは、爆睡していたはずのシャルナが、危険を察知して即座に上位魔術を展開した場面。
結界魔術は本来時間がかかるはずなのに、彼女は迷いなく張り切ってルイトを守る。
この瞬間、2人の信頼関係と、シャルナの“異常なまでの天才性”が改めて強調されました。
壊すべき箱は壊せない。
先祖の結界は強すぎる。
どう壊すか。
物語はここからさらに深い謎へと踏み込んでいきます。




