微かに感じた魔力
俺たちが事情聴取されている間にレナのオペ(手術)が行われていた。
奇跡的に臓器をかすったくらいで済んで、後は輸血。深く、穿いていたのに助かったのはまさに奇跡。奇跡の子とか言われていた。
そんなコトより、俺はシャルナに絶対とも言えるほど確かめたい"事"があった。
事情聴取で、人見知りが発動して廊下にて、ほぼ紙のようにやつれているシャルナに問いかける。
「なぁ、シャルナ。お前が1番犯人に近くいた。感じなかったか?"魔力"を」
ほぼ紙のようにやつれていた表情は何処へやらと思わせるパ〜!という明るい表情。
「ルイトも"気づいてた"か〜あの犯人、微かに"魔力"を持ってた。つまり、魔力保持者だよね」
そう言ってシャルナは、近くにあったベンチに腰をかける。続いて俺も腰をかける。
「その通りだ」
「やっぱり……この世界には魔力そのものが無い。ということは異世界から私達みたいに来た可能性がある」
「もし、そいつが俺達をこの世界に転移させた張本人なら説明がつくな。"魔力"を持っていたという説明が」
「うん……そいつを捕まえてゲロさせたら元の世界に戻れるかもね」
「言葉遣いが少し下劣だぞ?」
「下劣かなぁ〜」
そう言ってブラブラと足を揺らすシャルナ。
ベンチに座ってるとはいえ、足がつかないって身長何cmなんだよ……
今回は、レナの手術が終わった直後という緊迫した状況の中で、物語が大きく動き始める回でした。レナが奇跡的に助かった安堵と、犯人がまだ逃走中という不安が入り混じる中、ルイトとシャルナの会話が“ただの事件ではない”ことを示していきます。
犯人から微かに感じた魔力──
この世界には存在しないはずの力が、確かにそこにあった。
その事実が、2人が現代へ転移した理由と、犯人の正体をつなぐ重要な手がかりになっていきます。
シャルナの「ゲロさせたら戻れるかも」という軽い言い方とは裏腹に、状況はかなり深刻で、異世界からの干渉が現代に及んでいる可能性が高まってきました。
そして、紙のようにやつれながらも“魔力”の話になると一気に元気になるシャルナの姿は、彼女らしさがよく出ていて、重い展開の中でも少しだけ救いを感じさせてくれます。
現代の事件と異世界の謎がつながり始め、物語はここからさらに加速していきそうなんですよね〜




