第20話 帰還
前回のあらすじ
自分を助けるために命をかけて戻ってきてくれた麺汰とミラのためにリンはついに自分の命をかけて守ろうと決意を固める。すると、スキルボードが急に現れ、リンのスキルが進化したのだった。「弓士」あらため「キューピット」になったリンの実力は桁違いに高く、一瞬で残る6人を殲滅したのだった。リンは必死に二人を背負い森を抜けたが、ついに体が限界を迎え街道にて意識を手放したのだった。
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「お……おぃ……おい……おいっ!!」
「ん”ん”っ……。」
誰かの呼び声が聞こえる。うるさいな……
「おいっ!!麺汰っ!!!!」
俺は目を覚ます。すると見たことのある景色だった。
「あれ、この天井……。」
「冒険者ギルドの救護室だ。」
「ゴーズさん。なんでここに?」
「お前ら3人が戻らないからって冒険者ギルド一丸となって探したんだよ。ゴブリン討伐を受けてたから北側に向かって探してたら、お前ら3人が血まみれで倒れてたからよ。急いで運んで処置をしたってわけだ。」
「ゴーズさん……ありがとうございます。」
またこの人に助けられちゃったな……ゴーズさんには頭が上がらないな。
「俺だけじゃねえ。お前のラーメンを食べたやつらも必死になって探し回ったんだ。お前より冒険者ランクが低いやつも、東や西、南もすべての方角を調べて回ったんだ。」
俺はそれを聞いて涙が出てきた。
「お”れ”の”だめに……。あ”り”が”ど”う”ござい”ま”ずぅぅぅ。」
皆のおかげで、今生きていられる。本当に俺は環境に恵まれたと感じている。
「まっ、御礼はお前のうめえラーメンで頼むぜ!みんなから伝言頼まれてたからな!」
「はいっ!!!!」
絶対にみんなにラーメンを渡して感謝を伝えることを決意した。
「おっと、わりいが少し用事があってな。あとは席外すぜ。じゃあな。」
「ゴーズさん。本当にありがとうございました。」
ゴーズさんは振り向かず手でグッドを作りながら出て行った。
俺は首だけを動かして救護室の回りを見てみる。
両隣にリンとミラがいた。
目がわずかに開いていることに気づいた。
「リン、ミラなんで寝たふりしてるんだ?」
「麺汰さん(ご主人)、なんか起きにくくて(なんか起きにくかった)」
「そっか。それにしても生きてたな~!!」
「「ですね~(ん)」」
「リンもミラもありがとう。そしてごめんな。今回俺は完全に足を引っ張ってしまった。俺が受傷しなければ安全に逃げられたかもしれない……本当にごめんな。」
「麺汰さんは悪くありません。ミラさん、麺汰さん、2人とも私を守るため戻ってきてくれて本当にありがとうございました。そして、ごめんなさい。私が弱かったからこんなことになりました。」
「いや、違う。私が弱くて誰も守れなかった。一回リンをおいて逃げてしまった……ごめん。」
その後も謝り続け、3周したころにずっと謝ってばかりで面白く笑いが起こる。
「じゃあ、これでこの件は終わりにしよう。みんなの活躍でみんなで生きて帰ってこれた!ありがとう!」
「「ありがとうございます!(ありがと!)」」
俺たち3人はその後来たギルド職員によりポーションを支給された。
「あれ?なんでくれるんですか?」
「あなたたち3人と交戦した人たちは犯罪組織として指名手配されていました。ギルドへの侵入を許し情報を漏洩させたこと深くお詫びします。大変申し訳ございませんでした。せめてものできることとしてポーションによる即時回復と謝礼金と慰謝料として1,000,000円をお渡しさせていただきます。」
「「「え……。」」」
突然の大金に目がくらむ。
俺たちが戸惑っているとギルド職員はポーションとお金をおいて謝りながら出て行ってしまった。
俺たちは、とりあえずポーションを飲み、回復し動けるようになったため、お金に関しては後日考えることとし、解散したのだった。(ミラは俺について来ようとしたが、リンと同じ部屋で寝ることになった。)
俺は自分の部屋に横になる。
「スキルボード」
ウォン!
いつもの五角形が出てくる。
いままで見たことない部分に焦点をあてる。
ユニークスキル「一丁あがり!」:交戦している相手が倒れるまで、自分の筋力
・体力を増強。加えて相手が死ぬまで、自分は何があっても気絶しない。
ユニークスキル「麺切一閃」:麺切包丁により、どんな食材(敵)でも必ず切る事ができる。
以下の条件で発動できる。
1.24時間以内に発動していないこと
2.ユニークスキル「一丁あがり!」を使用していること
3.一回切ったが、切れなかった場合
4.麺切包丁を装備していること
「このスキルたちが俺たち3人を救ってくれたのか……。」
俺はレベルが上がっていたが、そっとスキルボードを閉じた。
「俺もゴーズさんのように、強く・人を助けられる人になりたいな……。人を助けられる強いラーメン屋になれるよう、明日から頑張るぞ!!」
俺は勢いよく布団をかぶった。
窓から見える満点の星空を見ながら、眠りについた。
「ゴーズ、お前邪魔なんだ。死んでくれ。」
「はっ、悪いな、てめえにやられるほど俺は弱かねえよ。」
「確かにお前は強い。でも相手がおれだけとは限らないぞ?」
「っっ……。」
北の森は土砂降りだった。
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一丁あがり!は「ラーメン屋のいくら疲れていても、いくらきつい状況でも最後までお客様のために絶対にこの一杯を提供するという心を体現」しているスキルになります。




