第17話 逆転の狼煙
前回のあらすじ
リンは麺汰達を逃がすために必死に敵に立ち向かう。しかし多勢に無勢、一矢報いたものの、残念ながら倒れてしまう。最後に麺汰への想いがあふれ地に伏しながらも、汚される前に自決しようと試みようとした……その時、目の前の男が吹っ飛び、大好きで安心する声が聞こえた。
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「はあ……はあ……はあ……。」
私は必死に森の中をかけぬける。ある程度離れて一旦ご主人を降ろした。
「リン……。」
リンの最後の笑顔が脳裏に焼き付いて離れない。あれは完全に無理をしている笑顔だと分かっている。
「私にもっと力があれば……。」
ただ現状動けない。ご主人をこんなところで放置しては、ゴブリンにやられてしまう。
やはり、見捨てて帰るしかないのだろうか。
「う”う”っ……。」
「ご主人!」
「あれ……ここは?」
「ご主人……ごめん。リンをおいて逃げてきちゃった……。」
私は怒られる、殴られると思い歯をグッと食いしばり、目を瞑った。
しかし、私を待っていたのは感謝だった。
「そっか……。ありがとうな、助けてくれて。」
頭を撫でなられる。こんなことは初めてだ。
「せっかく助けてくれたのに悪いな、ミラ。俺はリンを守る盾だ。ミラだけでも逃げてくれても構わない。俺は戻るな。」
ご主人は素早い足取りで森を進もうとします。
私が走り、かき分けてきた草を逆走して。
「ご主人……。」
正直、ご主人の実力では相手には勝てない。私でもわかる。でも彼は立ち向かう。なぜ?
ご主人は私に優しくしてくれる。
ご主人は私にご飯をくれる。
なんで?
ご主人には何も特は無いのに。
私は気になった。そして私は彼とのせっかくできた絆が壊れるのが怖かった。
私は走ってご主人の後を追う。
「ご主人!」
「ミラ!ついてくるのか?正直かっこいいこと言ったけど、勝率なんて微塵もないぞ?」
「ついていく。ご主人の力になりたいから。」
そして、リンが見えた。
私は最速で、男のみぞおちにパンチを入れる。
「ぐぼっ!!」
男は吹っ飛んでいった。
「お待たせ、リン。ごめんな、守ってやれなくて。」
「ん、お待たせ。こいつら全員殺す。」
彼の力になりたい。
彼の生きざまを見たい。
彼と共に歩きたい。
「ご主人!右よろしく!」
「おう!ミラ左は頼んだぞ!」
残る敵は13人。ボスを含めて戦わなくてはならない。
ミラと共に必死に戦う。
俺が倒れたら、リン、ミラも終わる。
相手にいくら切られようが、相手にいくら殴られようが、一体ずつ敵を倒していく。
「おいおい~お前ら。少しやられすぎじゃねえか?」
「「ボス……すみません。ボスにも手伝ってもらえたりとか……。」」
「しゃあねえな~。おら、さっさと終わらせてお楽しみタイムといくか!」
俺は、がたいの大きいボスの攻撃を寸胴の蓋で受ける。
ガキン!
完璧に受けたはずだった……。
「がはっ!」
俺の体は気づいたら木に激突していた。
肺から空気が抜ける。呼吸が苦しい。口の中が血に染まる。
「まげられない”……。」
鼻から血を出しながら、立ち上がる。
ただ、あのボスを倒すためにはこのままでは絶対に勝てない。
「スギルボード!」
他の雑魚の相手をしながらも、横目で確認する。
レベルは20。スキルポイントは4ポイントたまっていた。
割り振りを考えようとした、その時だった。
俺の体に強い衝撃があり、俺は空を飛んだ。
「おいおい~俺相手になめすぎなんじゃねえの~」
骨にひびが入っているのがわかる。もう体は限界のサインを出している。それでも負けられない。
俺は「体力」に4ポイントを振った。
ウォン!!
ユニークスキル「一丁あがり!」を取得しました。




