第12話 醬油ラーメン
前回のあらすじ
リンとのパーティ結成により死にかけたゴブリン討伐を安定して受注できるようになった麺汰。念願のスキルポイント振りにより、醬油ラーメンが作成可能になった。
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「よぉし!いい朝だ!」
異世界に来てから一番ともいえる気合の入った寝起き。頭に鉢巻を巻きたいところだが、残念ながら装備品にない以上装備できない。
「本当に普段着のまんまラーメンを作るんだもんな……。」
俺は早速市場に小麦粉、魚、醤油、肉等必要なものを買いに行く。
「今日はお世話になったいろんな人にごちそうしたいからな……。材料は多めに買っておかないとな!」
俺はおおよそ100杯分ほどの材料を買い込んだ。
「さてと……。」
今日の日のために広場の一部の区画を借りている。簡易的な屋台もセットで10000円したが、仕方がない。ずっと宿暮らしだからキッチンなどこうしなければ、立つこともできない。
俺は早速魚をさばき、出汁を取る。そのだし汁にチャーシュー用の肉、各種野菜を入れ煮込んでいく。
「前世界では一回もラーメンなんて作ったことなかったのに……スキルってすごいんだな……。」
ゆであがったチャーシュー用の肉をかえし(だし入りの醤油)につけておく。
「スキル、製麺!」
本来あるべき姿で、あれよあれよという間に麺が完成していく。今回は醬油ラーメンなので細麺のストレートでいく。中太のちぢれ麺でもいいとは思ったが……。
「おう!麺汰!来てやったぜ!」
「ゴーズさん!今日はごちそうしますから、たくさん食べてってください!」
「おう!お前のスキルは初めて見たからな!楽しみにしてるぜ!」
「麺汰さん!来ましたよ~」
「リン!今日はたくさん食べてってくれよな!」
「はいっ!いただきます!楽しみにしてますね!」
いよいよ麺をゆで始める。どんぶりにかえしを入れて、スープで割る。準備を着々とし、麺を湯切る。
「湯切り!」
なぜか周りから拍手が聞こえてきて少し恥ずかしくなりながらも、異世界初ラーメンを完成させた。
「皆さん、食べてください!」
次々とラーメンを作り、配っていく。
「おお!こりゃあうまいな!」
「美味しい……。」
「らーめん?って初めて食べるけど、毎日でもいいぐらい美味しい……。」
皆の美味しいという声が聞こえてくる。俺の口元は自然と笑みがこぼれる。
「麺汰!これすげぇうめえな!」
「麺汰さん!これすごく美味しいです!ありがとうございます!」
ゴーズさんも、リンも喜んでくれた。
「ふぅ……満足だ……。」
もう既に日が沈んでいっている。あれから最後の一杯を提供し、俺はくたくたになっていた。
「みんな喜んでくれたな……。」
皆の笑顔が思い浮かび、事前と笑みがこぼれる。
「ぐうううう~」
「ん?」
「あっ……」
服がボロボロの少女が立っていた。
「食べるか?」
俺は自分用に取っていたい1杯をなぜか少女にあげた。なぜかは説明できないが、そうするべきだと感じた。
コクコクとうなずき、ラーメンを受け取った。おぼつかない様子で食べ始めた。食器を使うのも慣れていないのだろうか……?
「うまいか?」
「うん。」
少しだけ少女が笑顔になる。俺はその笑顔だけで満足だった。
夕日が沈む広場に美味しいラーメンの残り香が舞う。
「ラーメン屋っていいスキルだな……。」
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筆者より
更新途絶えてしまいすみませんでした。筆者が体調を崩してしまい、少しの間お休みをいただいておりました。更新は続けますので、引き続きよろしくお願いいたします。




