虚無
穴がありました。
彼を内包する。
彼は穴を見つけた。
彼は腹から穴を見る。
黒い唇が見上げてくる。
彼は疲れた。
嵐が迫る。
うんざりとした彼は種を与える。
唇は満足しない。
彼は与え続ける。
穴を埋めるために。
穴は埋まりましたか?
彼は分からないと答える。
彼は必死だ。
穴を埋めて嵐と向き合うために。
穴は埋まらない。
種は尽きかけていた。
穴は埋まらない。
嵐は迫る。
彼は数字を確認した。
種が足りない。
脳から引っこ抜いた種を唇に与える。
数字は改変され、嵐が迫る。
唇は帰った。
穴は埋まりましたか?
分からない、と彼は答えた。
だが成長するかもしれない。
穴を埋めてくれるかもしれない
分からない分からない
分からない分からない
分からない分からない
分からない分からない
分からない分からない
分からない分からない
分からない分からない
それは彼にも分からない