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原点-1
元は研究所だったそこは跡形もなく破壊され、働いていた研究員達が積み上げられている。
少年はそんな屍の山の上に立っていた。
別に壊すつもりはなかった。
ただ、自分の身元を明かすと研究員達が目の色を変えて襲ってきたから自己防衛しただけだ。
特に気力が湧かないので夜空を見上げながらぼんやりとしていた。
此処の研究所は何と言っても弱かった。
自分が「切札」である事を差し引いても弱い。
同じ科学者でも違う物だなと、改めて実感する。
あの人ならば。
―――――――あの人?
自分の中に浮かぶあの人は、最低最悪の人間だった。
それは多分今でも変わらないだろう。
「………帰ろ」
沢木蓮一は屍の山を後にした。