『101 バクエンには負けたくない』
『101 バクエンには負けたくない』
マジかよ、急にカリナがやる気になったな。
俺はゆっくりとは行く予定なのに。
「私もカリナに賛成。絶対にバクエンに負けたくない。私のことを低レベルの獣人女と言いました。負かしてやりましょう。私達が最速でダンジョン最下層まで行く。報酬は得るのです。そしてバクエンに屈辱を与えてやります」
「バクエンなんて放置してればいいけど、シュナがそこまで言うなら、少し急ぐか。ペースアップだな」
「ペースアップです!」
2階層にてバクエンに出会い、バクエンが余計なことを言ってきたため、彼女の闘志に火をつけてしまった。
2階層を速度上昇して進む。
魔物のゴブリンの群れを俺も切りつける。
ドラゴンソードであっさりと倒す。
バクエンのパーティーの姿はないことから、3階層に行っている。
早いな。
「ペドロ、3階層だよ。追いつくよ絶対に」
「頑張ろうな」
3階層に到着。
ここに来るとレベルが高い人とまだ低い人の差が出る。
まだ低レベルな冒険者は段々と魔物が多くなるし、すでにペースダウンするからで、逆に楽に進めている冒険者はシュナよりもレベルが高い。
「レベルアップしました。レベル51です。見たかシュナ、私が活躍している証拠だ」
「カリナよりも活躍してますけど。でもレベルアップはおめでとうです」
「レベル51か。閃光スキルが効果があるからだな」
「デビルアントでも倒せる気がする」
レベル51になったカリナはどんどん進む。
その勢いでダンジョンを突き進んだ。
俺もカリナとシュナの援護しつつ進むから問題はないとして、バクエンのパーティーは見せないからもっと先に行ったな。
それから7階層に来た。
進む速度は俺が援護するから、最初よりも速度アップした。
こうなると俺達を置いていった冒険者は逆に俺たちの後方になる。
もう追いつけないだろう。
速足3になりました
速足2から3に上がった。
7階層にきての感想はそろそろ誰かが最下層まで行っている可能性がある点。
俺達が途中で急いで来たとしても、平均的に強いパーティーなら早く進めるからで、最下層が10階層なら到着か。
「最下層が何階層なのかわかるかい?」
「聞いてませんね」
「私も知りません。マロウ街のダンジョンが10階層だったわね。そうすると10階層が最下層かな。もっと深い階層なのか。普段から最下層まで行っている冒険者は有利です。うちらはまだ最下層まで行ってないから不利です」
「情報が少ない分、不利だな。10階層なら最初に進む冒険者は到着しているかもだ」
「うん、時間的にあり得る。ペドロがいるから凄く楽に進むけど、先頭の冒険者は早いかも。バクエンのパーティーだけは嫌だな。バクエン以外ならいいけど」
「あくまでバクエン嫌いだなカリナは」
「獣人をバカにしてからバクエンは。絶対にダイヤは渡したくないのよね」
「わかる、カリナの気持ち」
「わかるのかよ、俺はどっちでもいいけどさ。少し休憩しよう。疲れただろう、回復薬もあるし、飲み物など飲むかな」
「飲みます」
慌てるよりも休憩にした。
軽く飲み物を取る。
ここまでの戦いでも十分に経験値も貰えているし、カリナもレベルアップした。
よく頑張ったとカリナとシュナには言ってあげたい方が強いかな。
休憩していると他の冒険者が来た。
冒険者に飲み物を差し上げたら、
「どうぞ飲みますか」
「ありがとう、感謝します。キミはとても強いですね、後方から見たらデビルアントが瞬殺だったぞ、驚いたけど」
「彼はペドロです。ペドロはとても強いんだから」
「ペドロですか。名前は知りませんでした」
「聞きたいんですが、最下層がいくつかわかりますか?」
「最下層は12階層です」




