『086 宿に帰る』
『086 宿に帰る』
ギルドで換金してからダンジョンには行かずに宿に行く。
カリナとシュナが待っているからな。
「お帰りペドロ!」
「昨日はごめんな。帰れなくてカリナ」
「帰って来ないから不安だったよ」
「心配は要らない、日本で宿泊することになったからで、死んでるわけじゃない」
福岡で萌絵のマンションに宿泊したから心配したのか。
心配してくれるなんて可愛いな。
「私だって心配したんだよ」
「これからも帰らない日もあるから、でも心配しなくていい。ご飯はどうしたかな?」
そこが心配だった。
食べるのがあったかなと気になっていた。
食いしん坊の2人だから。
「パンがあったから食べたよ。パン屋で買ったのがね」
「足りないからまた買いに行った。カリナと」
「買ったならそれでいいよ。お金は渡しておくから、買いたいのは買えばいい。まだパンはあるかい、食べたいな」
カリナにはお金を渡してあるから、それでパンを買ったと。
あのパンはとても美味しいパンで、俺も食べたい。
「あるよ。カスタードパンに、ピザパンがある。ペドロが食べれば」
「食べるよ。ありがとう。甘い! でも美味しい」
カスタードパンもあるのか。
クリームパンみたいだが、最高に甘い。
これはいくらでも食べられるな。
その後はシュナが抱き着いてきて、食べるのが難しくなった。
日本に転移して女子と会うのもいいが、ゲームでのカリナとシュナといるのも楽しい。
2人とも俺になついていて、ケガモフモフしているから触ると気持ちいい。
「ところで俺は遊びに行ったわけじゃなくて、レベル上げをしていた。レベルはMAXの900に達した」
「ええええ! 900に」
「AランクのMAXだよ。そんな人見たことないよ」
「俺だって見たことないさ。バクエンが最強だったからな」
「レベル900なら、もうこれ以上は上がらない。転移しても無駄になるよね」
「無駄になる。転移レベルアップはしなかった。途中で中止して帰ってきた」
「十分よ。レベル900で十分最強です。それ以上上げる必要ないもん」
「いや俺は上げたいんだ。レベル900の上があるという噂はある。知っているかい?」
「ありませんよ。レベル900が最高なのは冒険者なら常識。誰でも知っている」
「常識です」
「そうだよな、俺も常識だと思っている。しかしネットの情報では海外にはレベル901になったプレーヤーが存在しているんだ。本当か微妙だけど」
カリナとシュナはレベル901の存在は知らないと言った。
ケッテ街にいる冒険者も知っているか不明だな。
聞き込みしたいものだが、あまり聞くと怪しいか。
「知りません。ペドロのゲーム知識の範囲でしょう。レベル901がいたらもっと騒ぎになってもいいと思うけど」
「そうね、でもそもそもAランクにまで達成できる冒険者が少ないからね。Aランクを見ることもないのだから、レベル900を超える人も知らないのは当然かな」
「それでペドロはネットの情報を知っているの。どうやったらレベル901になる化の方法を?」
「ネットの情報は見た。条件があってその条件が凄く厳しい条件。だから試すのは悩む感じだ」
「どんな条件なの、教えて」
「スライムを10000匹討伐。これが条件だ」
「スライムを10000匹? ちょっと大変かも。もしそのネットの情報が嘘だったらどうなるの?」
「噓だったら無駄になる」
完全に無駄だよな。
無意味というか、やる気がなくなるくらいに無意味。
だから悩むよな。