『076 バクエンの剣』
『076 バクエンの剣』
次も次も回避した。
最近の魔物を一人で100匹以上討伐してきたので体術もよくなったと思う。
ちなみに体術スキルは1である。
回り込み1スキルもフル稼働させるとバクエンの後方に行けるので、チャンスがあれば後ろに回る。
速足2もあるから、バクエンに迫られても回避できる。
「速い! 俺の剣が回避できるはずがない、おかしい!」
「俺を想定しているようだが、想定が間違いだったみたいだな。これで終わりだバクエン」
「まさか!! 俺の後ろを取っただと!」
バクエンの後方に回り込み剣を肩に置く。
これで終りだ。
バクエンは動けないまま固まる。
俺の強さに圧倒されたのだが、当たり前で俺のレベルは502だからな。
「これでわかったろう、俺のレベルを散策するなバクエン。もう一度言うけど俺を疑うな」
「疑うなだと? どうやって俺の後ろを取ったのだ。意味が分からない。鑑定してやる、ペドロのレベルを鑑定してくれ」
仲間に俺を鑑定させる。
残念ながら俺はステータス偽装2スキルがあるのでレベル20に設定したままだ。
しかもスキルは2に上がっている。
「バクエン、レベル20だぞ。ペドロのレベルは20だ」
やっぱりね。
「嘘だ、あり得ないぞ。レベル20のわけない」
しつこいなバクエン。
「レベル20だよ俺は。そしてレベル20の俺に負けたんだよ」
「うううううう、認めるかよ~~」
バクエンは剣をダンジョンの地面に叩きつける。
悔しさを剣のせいにするのは、自分が未熟者だと認めたのと一緒だ。
精神的な弱さがでたなバクエン。
「なぜマロウ街のダンジョンにいたのかな。それがわかる。バクエンは強いけど、精神的に弱い。きっとケッテ街のダンジョンなどで先に行けるのに怖くなってマロウ街のダンジョンにいた。そうだな?」
「う、う、う、うるせえ! 黙れペドロ。俺はバクエンだぞ。このダンジョンだって怖くねえよ」
「もうペドロには関わるな!」
「そうです、ペドロが強いのは認めろ。もう来るな」
「獣人まで俺をバカにしやがって」
カリナとシュナにも文句を言われると、怒りだすのは性格が怒りやすいと思えた。
バクエンのパーティーは俺には何もしないでいて、そこで別れた。
当分は俺の所には来ないのを願う。
面倒だしまた戦えとか嫌だしな。
俺達はこのまま3階層に滞在した。
これ以上はカリナの負担になるし、十分にこの階層で経験値をもらえるから。
ただバクエンと会ったのは予想してなかったから疲れた。
そして思ったのは、なぜバクエンはマロウ街のダンジョンにいたかだ。
このケッテ街のダンジョンで冒険していて良かったはずで、なぜ戻ってきてマロウ街のダンジョンにいたかは謎。
「バクエンめ、ざまあみろです。ペドロに負けて悔しがっていた」
「本当にあの顔は笑えました。絶対にペドロに勝てると思っていたから、負けた時の顔はショックだったのよ」
「本当にバクエンを切っても良かったのに」
「いいや切るのは後で困る。バクエンを切って後でギルドに文句を言われるのは避けたいんだ。ギルドからは疑われるのはなるべく控えておく。これで良かった。問題はバクエンがまだ俺に付きまとうかだな」
「しつこいもんね」
「もう少し頑張ろう、ペドロに頼らなくてもいいようになりたい」
「いい心掛けだなカリナ」
バクエンとダンジョンで決闘したのはギルドには知られていないと思うから、後は魔物の素材を回収しつつ、ギルドに持ち帰るのでいい。
レベル 503になりました
解体2になりました
最後の方になってレベルアップしたな。




