『063 10階層に』
『063 10階層に』
「気にすることはない。ペドロはレベルで選んだりはしないってさ」
「シュナは可愛いから、気にしてしまったのよ。さあ7階層ですよ」
7階層へ。
ここまでは魔物はデビルアントが強い感じであり、今の俺からしたら決して怖い魔物ではなくなった。
デビルアントどころかオークですら戦えるまでに成長したのだから。
以前にオークを見た時は、恐怖だった。
しかし今の俺ならレベルは354で、オークをしのぐかも知れない。
バクエンがレベル380だったから、バクエンのレベルを越すのはもうすぐだ。
あれだけ差があったのだが、転移レベルアップによって、一気に差はなくなった。
そのオークであるが、剣士3で得られるスキルはオークマイスターだった。
オークマイスターはオーク系の魔物に絶大な効果を発揮するとあり、習得したい剣術スキルだ。
その条件は掲示板サイトで読んでいたのを記憶している。
ゴブリンを200匹討伐するのが条件だった。
合計で200匹討伐すれば達成できるとして、200匹討伐は多く感じるが現在のところ、ダンジョンや渋谷、大阪でゴブリンを数多く討伐したから、決して無理な数字ではないかな。
7階層にもゴブリンは出てくるし、なるべく多くゴブリンを討伐したくなる。
やがて8、9階層にも到達できた。
「9階層に到達です。ペドロがいるとダンジョンの進みが早い。もうペドロはこのダンジョンを卒業してもいいレベルです。レベル354ならマロウ街から次の街に進むのがいいと思うけど、どうお思う?」
「そうだな、カリナが言うのは当たっている。マロウ街は初心者プレイヤーの街でF、Eランクくらいが目安とされる。Dランクになれば次の街に行く人が多いだろう。だがこの西のダンジョンは例外だった。ゲームの設定が狂っていて、オークが出たり、魔物のレベルが高くて初心者プレイヤーの多くが死んでいる。だから次の街に行くのが遅れた感じだな」
「このダンジョンにこだわる事はないよ。ペドロは本来なら楽にダンジョンをクリアできる強さがある。明日からは次の街に行くのも考えるべきよ」
「考えておこう」
9階層に来ても魔物は俺は十分に倒せるし、シュナからも次の街に行くべきとアドバイスされる。
俺もそこは考えてはいたが、設定が狂っているせいで、送れた感はある。
他のプレーヤーはどうしているかは気になるところで、レベル200くらいで次の街に行っているかもしれない。
まあそれがダンジョンオンラインでは通常なのであるが。
10階層にも到達。
「10階層です。ここに階層ボスがいて、誰かが討伐したんだった。オークが消えたのもその後だ」
「10階層が最下層。ボスは討伐したのでいないと、他の冒険者が話していました」
「そうか、最下層か、ここで少し魔物を倒してから、地上に戻るか」
カリナが聞いた話は10階層が最下層だと。
初心者プレイヤーには10階層でも魔物によっては困難であるが、やりこみはできる深さかな。
階層ボスを討伐したので、設定が弱くなったのが気にはなる。
運営のソフトイマージ社が設定を変えたとしか思えない設定だった。
これが転生前なら確実にSなどでクソゲー決定だった。
しかし死んだプレーヤーはSNSに書き込めない。
ボスが死んで設定を元に戻したと思える。
誰がボスを倒したかは不明らしいのがいかにも怪しくて、俺の予想ではボスは誰も倒していなくて、運営ソフトイマージ社が設定を弱くするのに理由を付けただけだと思う。
つまりはあまりにも西のダンジョンのレベルが高すぎてプレーヤーが誰も進めないから、理由をつけて弱い設定に戻した。
事実、誰もボスは見ていないからな。
10階層での戦いも順調に進む。
レベル 355になりました
レベル 356になりました
そうしているうちに俺のレベルも上がった。
356になったしトータルでは100匹くらいは討伐したと思う。
ゴブリンもできるだけ討伐したから、条件達成には近づけた。