『051 5階層に行く』
『051 5階層に行く』
4階層でかなり時間は費やしていたら階段を発見。
下に行く階段だから5階層への階段だ。
「どうしますか、5階層へ行きますか」
「行ってみたい。俺は行きたい」
「ペドロが行きたいならいいわよ」
階段を降りた。
4階層はやや複雑な構造になっていたから、5階層も少しずつ複雑になるだろう。
ダンジョンの階層は下の階層に行くごとに、複雑化する。
難易度が上がるから、ダンジョンの攻略は簡単にいかないが、運営会社はそうやってプレイヤーを楽しませるのを考えている。
しかしここは初期の街のダンジョンであるから、初めてプレイするプレーヤーの親切にするとは思う。
5階層は魔物はスライムメイジは多かったと思ったが、違う種類の魔物も発見する。
「デビルアントだな」
「アリの魔物です。昆虫に近い魔物です」
「こいつはDランク。レベルは100から300が該当する」
渋谷に行った際に出現したのがデビルアント。
渋谷で戦った時に気持ち悪いのがあったから、できれば遭遇したくない魔物。
しかし逃げるよりも戦うのが今の俺とカリナには必要だから戦いをする。
カリナにはかなり無理があるのは、カリナのレベルは45。
対してデビルアントは最低でも100以上はあるので、単純な比較で言ったら勝ち目は低い。
しかも2匹きたから、1対1で戦闘となりカリナは危険になる。
連続切りはこれまでは有効であったのは、魔物のレベルが同じか低い相手だったからで、デビルアントには簡単には通用しない。
カリナは苦戦する。
逆に俺はスピリッツブレードを習得したし、さらにレベルが223とアップしているから、デビルアントは討伐できる。
カリナが苦戦中を横から俺が援護して討伐。
「アリの魔物、強い」
「うん、カリナには強いと思うから俺が援護する。しかしもらえる経験値は多いよ」
「頑張る」
デビルアントが強くても頑張るとやる気だ。
カリナは見た目はおとなしい感じだが、強い気持ちを持っている。
5階層での戦いはデビルアントが中心で、他にもゴブリンも加わったりして面倒だった。
しばらく戦闘する。
すると階層に休憩所を発見した。
「休憩してますね、寄りましょう」
「寄ってみるか」
「ダンジョンでは、階層の途中で休憩所がありますね。10人います」
「うん、疲れもあるし、冒険者は途中で休憩を取ることがある」
5階層に休憩所があった。
ダンジョンが深い階層になると、途中で休憩する冒険者が集まり、テントを張ったりご飯や飲み物を取る。
10人くらいが休憩していたところで、俺は冒険者達に挨拶した。
みんなオークがいないから5階層に来れたと話している。
初心者プレイヤーが多いマロウ街のプレーヤーにはオークは強すぎる。
カリナと一緒に座っていると一人の獣人の女性が俺のところに来た。
「回復効果のあるドリンクだ。飲むか」
「ありがとう、2つ欲しい」
「はい2つな。金は取るぞ」
獣人の女性は回復ドリンクをくれる。
てっきり無料かと思ったら、金は取るようで支払った。
ちょうど喉が渇いていたから欲しかった。
カリナも飲んでいる。
「疲れが取れた。キミはダンジョンでドリンクを売っている?」
「金儲けだよ。ダンジョンは冒険者相手に金儲けができる。もちろん私も強いぞ」
「強そうには見えないが」
「なんだと! 私をバカにするな」
「私も思った。私と同じ獣人の女性。でも背は低いし、戦いに向いてない感じ」
女性は獣人で背はカリナよりも低い。
子供よりは少し高いくらいだから、戦闘するには見えなかったが、本人は気にしているっぽくて怒っている。