『045 アイドルとカラオケボックス』
『045 アイドルとカラオケボックス』
「選んでください、ペドロが」
「いやあ、俺が選べと言われても困るな。決められないよ」
決められないし、そもそもデートするの前提じゃないか。
「私よね、甘いパンケーキ作ってあげるよ」
「るりるりのパンケーキか、待ってくれ、俺はデートしている時間はないんだ。ゲームに帰らないといけないから。少しだけ遊ぼうか」
デートは避けたいから、少しだけ遊べるとした。
「うん、そしたらそこのカラオケボックスでいいよ」
「そうね、ボックスなら個室だし、人には見られないもん」
「じゃあカラオケで」
話はカラオケボックスになってしまい、個室に入った。
店員はせりかを見て確実にアイライブのせりかだと気づいているっぽい。
俺だけ部外者だし、防具だから変だろう。
ペドロだとわかっていればいいが、わかっていなければコスプレイヤーでしかない。
ボックスの個室では俺も少し歌う。
やはり歌は上手いな。
歌うのはいいが、みなたんが俺の横に来ていて、
「みなたんね、ペドロと一緒に歌う」
「いいよ」
腕を組んで歌う。
みなたんは意外と胸がある。
胸の弾力は危険だな。
「あ~~~んして」
「美味しい」
るりるりがチョコレートパフェを俺の口に。
甘いのが好きなるりるりが頼んだスイーツだ。
現役アイドルとカラオケボックスで過ごすのは楽しかった。
直ぐに時間は過ぎてしまった。
「今度も来る時はここで待ち合わせしよう、いいかなペドロ?」
「わかったよ来るよ」
カラオケボックスで4人と別れた。
充実した時間とは、こういうことなのかと思った。
渋谷の街は元の渋谷に戻っていて、人込みが戻っている。
いつもの渋谷だ。
スマホを持った人が来て、
「私は週刊誌の記者をしています。ペドロさんですよね?」
「ペドロですが」
週刊誌の女性記者だった。
初めて見るが、俺が質問されるとは夢にも思わなかった。
「スライムなどを倒したのは見事でした。ゲームに転生したという噂がでていますが、本当ですか」
「本当です。俺はダンジョンオンラインで生活しています」
「どうやって渋谷に来ているのですか、ペドロだけ自由に来ているから不思議です」
「俺だけ渋谷に来る方法を知っている。他のプレーヤーは知らない」
「転生したプレーヤーは皆さん生きていると?」
「生きています。しかしゲームに転生して死んだプレイヤーは日本に戻って来ているはず。そして死体でしょう」
「死体ですか。そこはまだ我々は把握してませんでした。もっと話を聞きたいです」
「すみません。俺はゲームに戻るのでここで終りにしてください」
「もうちょっとだけ」
「すみません」
しつこいな、これが世に言う記者っていう職種か。
俺から色々と聞きだしたいらしいが、あまり話すと俺が雑誌とかに載ってしまうだろう。
それは好まないので雑談は切り上げる。
記者は残念だってはいたけど、アイライブの4人といたのは見てないようだ。
見ていたら、もっと食いついて質問攻めだったはずだ。
しかし情報も得られて、ゲームで死んだプレイヤーは日本で死んでいると思うが、まだ雑誌は把握してないらしく、今後には発見されると思う。
ダンジョンオンラインに帰るとしたい。
宿にいるカリナが待っているから、もう少し転移ポイントのレベルアップをして宿に帰るかな。
レベルアップもしたし素材をゲットしたけど、まだレベルアップできると思う。
ハチ公からゲーム内に転移する。
また渋谷に戻るのを繰り返す。
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