『044』
『044』
素材を回収してアイテムボックスに入れる。
せりか達は見ていた。
せりかは不思議そうに聞いてくる。
「何をしているの?」
「これは魔物の部位を解体して持ち帰るんだ」
「なんで。死んでいるのでしょ」
「ダンジョンオンラインというゲームの世界から俺は来ているのはしっているよね。俺はまた転移してゲームの世界に戻るんだけど、この部位を持ち帰るとお金になる。向こうで必要な金になってご飯を食べたり宿泊
する」
「わかった、ナギはわかった」
「言ってごらんナギ」
「牛と同じ。牛肉はお金になるのと一緒です」
「う~~~ん、まあ似ているけど、まあいいか」
ナギは確信を持って答えるも、牛肉だった。
不正解ではないか。
自衛隊の隊員と話をして、
「ペドロ、また来てくれて自衛隊の隊員として感謝します。ペドロがいなければ渋谷、東京は壊滅しています」
「俺がいない時はどうなっているの、魔物は出現したのかな?」
ここは確認したかった。
「はい、出現したことはありますが、自衛隊の装備で全滅させた。しかし弱い魔物で数も少なかったから倒せたけど、今のように来たら勝てません。ペドロが頼みです」
「俺がいなくても来たのか。俺もゲームの世界にいますので、ずっと日本にいるのではないですし、でもなるべく来ます」
「お願いします」
俺が来ると魔物が出るという、俺が原因説は消えたな。
ここは気になっていて、俺が来なければ渋谷は安全ならば、俺は来ない方がいいとなる。
俺が転移してくる前から魔物は出現してきているなら、俺の転移は原因ではないから、渋谷に来てもいい。
少し安心した。
周囲からはスマホで撮影する人が大勢いて、俺を撮影する。
しかもアイライブの4人と一緒に仲良くしている写真だから、不安はあってアイライブの熱狂的なファンが怒るのだ。
「せりかに聞きたい。俺と一緒にいるのを写真に撮影されてSNSに拡散されたらどうなる?」
「炎上する」
「やっぱり」
「ファンは私らが男性と一緒にいるのを嫌うのよ。彼氏がいるのが発覚してアイドルが炎上。そのアイドルはファンに見捨てられていったわ。だからペドロが私の彼氏だとネットに流れると炎上する」
「じゃあ一緒にいな方がいいのか」
アイドルの人気がなくなるのが俺のせいなら困る。
「違います。ペドロは悪くない。だから気にしなくていい」
「せりかさ、ペドロをどう思っているの。ペドロをせりかは好きになったてこと?」
「るりるり、何を急に言い出すのよ、ペドロの前で」
せりかの顔が赤くなったけど。
「じゃあ好きじゃないのね」
「好きじゃない、とかじゃなくて、その」
「みなたんは好きよ、ペドロを」
「えっ、みなたんは俺が好きなのか」
いきなりとんでもない発言だ。
俺はみなたんを助けただけなのに、好きになるのは変だよな。
「好きです~~」
「みなたん! ペドロを独り占めしようとしています。ナギは許しません」
「ナギも俺を?」
まさかナギも俺を好きなのか?
「はい、だめですか」
「だめじゃないけど、ファンに俺は怒られるだろう」
「じゃあこうしましょう、ペドロと今日はデートします。誰とデートしたいかペドロに決めてもらいましょう」
「デートですか?」
るりるりが予想もしない提案をぶち込んで来た。
デートなんてアイドルとしていいのか。
俺はただの40のおっさんだぞ。
もちろんるりるりも俺が40のおっさんとは知らなくて、今のゲームの冒険者アバターしか見ていない。
俺の姿は見てないから、知ったら幻滅するだろうけど。