『117 結果発表』
『117 結果発表』
「ペドロ~~良かった1位だよ」
「バクエンに勝った!」
受付嬢から俺が1位と宣言され、カリナとシュナと抱き合う。
日本での頑張りが良かった。
結果を聞くまでは不安だったけど、1位と名前が呼ばれると全ての冒険者の視線が俺に集まる。
「嘘だ!!」
「ペドロが1位のはずはない。ダンジョンで見なかったのだぞ。どうやってアンデッドミイラを討伐したんだよ」
「バクエンと違う階層にいたんだろうな」
「怪しいな。全く見なかったのに」
バクエンは俺がダンジョンにいなかったのを怪しいと感じている。
それはバクエンは正しい。
俺は本当にダンジョンにはいなかったからな。
でも俺は別の階層にいたことにする。
「2位はフォルダーの団で1150個、3位はボックの団で1120個、4位はバクエンの団で1090個。他にも活躍された方には特別に報酬はお出しします」
「すげえええ、フォルダーの団は1150個だってよ。40人の合計だから多いな」
「バクエンは後半は伸びなかったな。きっと疲れもあったんだ。前半に飛ばして後半体力が切れたとか」
「ぷぷぷ、バクエン、だせえな」
バクエンは結果は4位だったのは意外だったけど、会話では体力がなくなったらしい。
体力の計算ミスか。
前半に900以上と凄いな思ったが、オーバーペースだったのか。
「待ってくれ受付嬢。俺が4位はおかしいぜ。フォルダーの団が1150個も取れたのか本当に?」
「はい、1150個ありました」
「納得できねえ、俺が4位なんて」
悔しがるバクエン。
いい加減に認めろよな。
これが実力なんだよバクエン。
「それじゃあ1位のペドロは何個なんだろう?」
「1200個は取ったのか?」
「1位のペドロは2000個でした。ぶっちぎりで1位でした」
「2000個!!」
「予想以上に多いぜ! しかもパーティーは3人だろ」
「3人で2000個とは圧倒的だな」
俺のパーティーはカリナとシュナで3人。
3人で2000個は衝撃だったようで、みな驚く。
「あり得ねえだろ。3人で2000個は。しかも獣人の2人はほとんど戦力外だ。そうなるとペドロ一人で1900個以上は取ったことになる。ダンジョンで見てねえのに変だ。不正をしているぞ。受付嬢、ペドロは不正をしている」
「バクエン。1位じゃないからってペドロの文句を言うのは情けないぞ」
「そうだよお前は負けたんだよ。認めろ」
「ううううう」
冒険者から認めろと説教されると黙ってしまった。
バクエンは俺が不正をしていると訴えるが、逆に言われる。
「残念だったねバクエン。ペドロがまた勝ちよ」
「不正に決まっている」
「ペドロが1位です」
「バクエン。俺のぶっちぎりだ。いい加減に認めろよな」
「くくく、悔しい」
俺のぶっちぎりの1位だった。
黒炎のダイヤを売却して聖なる土を購入したのが効果があった。
貴重なアイテムを売却したのだから、1位になれないと大損である。
その報酬は受付嬢から受け取る。
「2位、3位、4位までは報酬は金額で支払います。1位は賞金も出ますし、特別アイテムの秘密の鍵を差し上げます、どうぞペドロ」
「ありがとう」
秘密の鍵を取った。
欲しかったアイテムだったから、ゲットして嬉しい。
このために頑張ったと言ってもいいからな。
鍵はアイテムボックスに入れた。
カリナとシュナと満面の笑みでイベントは終わったものの、バクエンだけは俺を怪しんでいた。