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私のために
私、どんどん生きると、どんどん死ぬのが怖くなっていくの。私はまだ21だし若い娘だから、自分自身の死の実感はないけれど、私の両親は、もう62になったから。とても怖いの。
泣きたくなるの、幸せが輝く「その瞬間」に。
私を連れて、時間は瞬足で駆け抜けて、今日までの21年間、時間は、色々な景色を私の目に映してきた。胸が張り裂けそうな日もあったけれど、思い返せば「その瞬間」は、何度も私のところに訪れてくれた。
私は、私の目に映った、心に染みた、「その瞬間」を、残したい。本当は全てを書き残したいのだけれど、私にはたいそう大変なことだから、せめて「その瞬間」だけでも。
私の、愛しい人たち、美しき景色、色鮮やかな心の揺れ、総じて私の人生を、私のために綴ります。
清らかな香りクマさんより
作者自身の自伝記。