ある日の お迎え
そうして少し 俺のチカラが
チャージされてきた頃。
そいつは突然やってきた。
ある日、俺たちが仲良く朝食を食べている時に。
トントン、と扉を叩く音
「 ?」
不思議顔の 甘い君
可愛 可愛 首傾げるのは
犯 罪
やろ。うむ。
いつもカラスは 窓から来る
しかも 勝手に入って来たりするし。
しかしその日は 柔らかなノック
それが三回、ダイニングに響いたんだ
柔らかいけれど、ハッキリとした その音が。
いつもと違う雰囲気に
少しゆっくり立ち上がる甘いの
しかし 俺は
何となく 甘いのを制止して 俺が扉へ向かう
そうして開けた 扉の前
そこに佇んでいたのは
俺が子供の頃飼っていた ネコに似た
ラグドールだった。
んん?こいつは ? ?
疑問符を顔に貼り付けたまま俺は
そのネコが咥えている おてがみ を
受け取った。
「あえて よかった 心配しているぞ」
そう言って踵を返した その ネコ
やはり。
いつの間にかいなくなった 俺のネコ
母さんに「ネコは死ぬ前にいなくなるの」と
言われて
全く
納得いってなかった俺だが
今 納得がいった。
そゆこと。
なら、いいか。
朝靄の森の中へ消えた、そのネコが持ってきたのは
いつもとは違う おてがみ だったんだ。
…………………………………………………
さっきの封筒は まだテーブルに乗ったまま
俺は気になっていたが
宛先は 甘いの 宛
まさか勝手に開けるわけにもいかないので
いつものように 甘い仕事を手伝っていた。
「 ラギシー 」
甘いのの 言葉を聞き お庭へお使いに行く俺
「えっと、ラギシー、ラギシー 」
「どれだっけ?あ、ちょっと?」
チョロチョロしている小さいものたちを掻き分け
ラギシーげっと。
マンドラゴラに気を付け 畑を抜ける
小さき虫が 俺の肩に乗っているのを下ろし
家の扉を開けた
す る と
パッと
甘いのが何かを隠した。
俺はその動きを見て
心臓が
止まるかと思ったけど
持ち堪えた、ぜ?
なぁなぁ
ドドドドどどどうおもう???
あれあれあれ ななななな なに????
心臓 バクバク ドキが ムネムネ
しかし
しかし
しかしのしかし
あれは 多分 さささ先程の
あの あのあのお、俺の ネコ
ネコが持ってきた アレ
だよね?
いや待て。
よく考えろ。
甘いのは 「アレを俺に見せたくない」
「アレを俺に見せたく ない」
うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん?
しかし 俺の頭にパッと浮かんだ
「心配している」
という ネコの言葉。
それはきっと
あの ネコが あの ネコならば
「母さん」
の事なのだろう。
母さん
どうしたのかな。
病気? 心配? 俺が消えたから?
うちに来たのか? あの、「報告書」は見えないよな?
俺の事は 死んだと思ってくれ………。
てか、俺 死にに 来たしな。
でもまぁ 親不孝 では
あるかも知れん。
うーーーーーーーむ。
一人ぐるぐる悩む俺は
その時
甘い君と 窓が
ひっそりと 相談していた事なんて
全く気が付いていなかったのだ。




