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春の乙女


今日も人っこ一人いない雪の道を

森へ向かって歩く俺。


誰もいない夜の雪道。



「いいよね。」



一人で言う。


聞いているのは氷の風だけ。


鋭い音を立て 返事はしないけれど


きっとまたこの粉雪を舞い上げ俺を歓迎する様に

俺の行手を派手に

飾り付けるのだ。






何だか前回より粉雪がサラサラしている気がするが、冬の精霊は交代だと俺の元に来た。


しかしこの景色。


あいつ、森の入り口に居たなら一言

文句を言ってやらねば。


そう思いながら歩いて、辿り着いた森の入り口。




そこに居たのは様子の違う

一人の女。


に、見えるなにか。


ふんわりと雪の中に浮かび上がる大きな何かは

きっと

きっと春のなにか だ。


だって頭には

草花が美しく生い茂って

身体にはふんわりとした薄い布の様な

春風が纏わりついているし

足元は 見えない。



まぁ、よくあるパターンだ。

きっとあれは

春の精霊だろうよ。


雪景色の中、あいつを追い出して春にする為陣取っているに違いない。



確かに今年の冬は長い。

そろそろ、春になって欲しいとは思っていた。

しかし、その所為で俺は

ここに   うーむ。




とりあえず、春は取り立てが冷たくない事を知っている俺はそのまま森の入り口へ

進んで行った。





……………………………………………






「おや  ぼうやはあの子の所に


    いるのではなかったの?」



おや。


どうやらコイツは俺の事を知っている様だ。

しかし、森の中は筒抜けなのか。

やはり、カーテンは必要なのか。うむ。

検討せねばならんな。


しかし。


それも、無事戻れたら、の話だけどな。



「お前が追い出した所為で、俺が追い出されたんだよ。」


恨みがましく言ってやったが、面白がっているばかりで聞いちゃいない、春の、何か。


しかしこいつの側に居れば、冷気を感じないのは有り難い。

かと言って、ここに留まる訳にもいくまいよ。




だって。


だってさ。



また、俺の甘いのにバレたら


もしかして


もしかしたら


また、焼き網を 持ち出しちゃうかも


知れないだろう??




てかさ、



そーーー  ゆーーーーー  こと



だよね??


ね???




「だよな???」


「うん?  何がだい?」


思わず春のヤツにも尋ねる俺。


だって、だってさ。


まだ、確かめてないんだけど。

確かめてないんだけど多分、俺はこれから謝らなきゃなんないワケで。


そして多分、その、理由が。


やはり。



「まあ お前さんのいうことにも

       一理あるよ 」


フワリと微笑む春の何かは、楽しそうに俺に言った。


「つきあってやる  では いこうか」



「え?おい、待てよ。」




その、春の何かはススッと森の中へ滑って


俺は追いかけたのだが、嫌な予感。



コイツらが進んで協力するなんて、何か欲しいものがあるか、面白がっているかのどちらかに決まっている。



これ以上、ややこしい事になるのは勘弁だ。


甘いのにどうやって話すかも決めていない俺に、女三人、纏められるワケがない。


てか、おんな、なの??




とりあえず、ちょ、待てよ!!!



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