page 7
ここまで読んだか。
さて。
お前がこれを読んでいるという事は、とりあえず送り返されたって事だ。
残念。
僕の忠告、は間に合ってなかったか。
彼女がせめてもの情けに、お前に多目に魔力をくれてる筈だ。
もし、余力があれば続きが見えるかもな。
現れていなければ、残念だが頑張れとしか
言いようがない。
まぁ、仕方ない。
アホばっかりやってないで、よく考えろという事だ。
さて、ここへ帰ってきたという事はやはり彼女の仕事にケチをつけて返されたのだと思う。
もし、別の理由なら喜べ。
未来は変わったという事だ。
反対に変わっていなければ、このまま行けばお前はやはりあの森からポイされる、って事だ。
どうかな?
とりあえず、まだ魔力が残っているうちに無駄遣いせず森へ帰れ。
やり直すんだ。
まだ、いける筈だ。
ちゃんと謝ってこい。
人としてな。
多分、大丈夫な筈だ。
こう言っちゃなんだが彼女は僕に、惚れてるからな。お前じゃなくて、僕だぞ?
まぁ、おなじだけど。
しかし、僕は考えた。
長い間、彼女の森を探しながら考えて、これを書いて、微細な事も書き留める予定だったが、変更する事にする。
だってさ。
多分、僕は、ちゃんと自分で考えて、行動しなきゃいけなかったんだ。
何かに、誰かに。いや、僕なんだけど、頼ってちゃ駄目なんだ。
例え。
自分だとしても。
きっと、未来を変えられなかった僕と、今そこにいる俺は違う筈なんだ。
だって。
同じだったら、やはり、また、きっと森には辿り着けなくなるんだよ。
最後には。
だからな、俺よ。
よく、考えて進め。
お前があと何回、ここへ戻れるかは分からない。
もう、僕の描く報告書は読めないかもしれない。
だが、それならそれで、いいんだ。
きちんと、自分の未来を掴み取ったという事だからな。
まぁ、あの森で溺れ死ぬのもいいだろう。
だが、僕のように後悔にだけ塗れて
寂しく死んで行くような
そんなのは
違う。
だったら最初のあの森のあの月の下で
彼女の下で
死ねばよかったんだ。
だが僕は見つかってしまった。
そしてあの甘さの虜になってしまった。
君はきちんと彼女に伝えろ。
甘いから、愛してるわけではないと。
不器用な僕たちに、運命は味方している。
今のところは、まだ。
これを読んでいるのがその証拠だ。
さあ、行け。
鍵を閉めるのを忘れるなよ?
遺書はいらん。
もう、君がこの続きを読まない事を祈るよ。
そのまま森で、暮らせるように。
祈ってる。
追伸:あの、小瓶の中身はアレじゃないぞ。




