そんなこんなで
そんなこんなで 俺たちは
えへ 俺たちだって えへ
あ、いかん
ちょっと仲良くなった俺達は、順調にその距離を縮めていた。
あ
すいません、言い過ぎました。
一応、毎日同じテーブルには着ける様になった、あの甘いのと、俺。
しかし、会話は無い。
ていうか、あの甘いの喋れるの?
それ 分かんない
夢の中でしか 喋らないあの甘いの
直接声が聞きたいけれど
きっと きっと無理をしたら
また家出
そう、俺はよく調子に乗った。
何度かしつこく話しかけた次の日は
やっぱり家出 帰って来ない しかし 夜は甘い
調子に乗って 昼間何してるのか聞いた日は
また帰って来ない しかし夜は 甘い
なんなの あの子
なんなの あの子は
俺の事 何だと思ってんだろ?
ペット? …………それはなんか違うな
ただ飯食らい? それは合ってる
しかし 一体 彼女はどうして
俺をここに留めているのだろうか。
でも今迄の経験から言って
これは 訊いては いけない部類
地雷系
なら
まぁいいか 甘いし 俺 なんも困ってないし
ただ
ただ言ってみれば
俺は贅沢になってきたのだと思う
だって死にに来たのに
だから どうでも良かったのに
きっと彼女の 役に立ちたいと
思い始めていたんだ。
それを 彼女が望むのか 望まないのか
分からなかった いや、考えも及ばなかった俺
だって
人との付き合い方なんて 知らなかったんだ
…………………………
「なぁ、影よ。」
「なに」
「俺は何かしてはいけないのか。」
「なにが」
「あの、甘いのの為に。何か、手伝うとか。」
「さあ」
「だよね。」
そう、俺は学習しないおとこ
しかし午後は俺の暇時間
時間だけは 余りあるこの部屋
これから夜まで する事ない
アホな想像するくらい
あの 甘いのが来るまで
ん?
もしや?
あの甘いのはこうして俺を骨抜きの甘いの無しでは生きられない様にして最終的には俺を喰っちまうつもりなんじゃ……………
でもな。
俺、死にに来たしな。
あの甘いのに
食べられるなら本望。
あのフカフカした丸い広場で
死ぬよりずっといい
そうなんだよな。しかし この状況
なんとかならんものか
今日夜 訊いてみようか うん
怒らせないように
そっと ね
あっ いい匂い きた
甘いの きた きたきた あま~い 甘甘
うんっ甘い 美味 あま 甘い はい 甘い
いやいや 俺は 甘甘い 甘い
甘いのの為に なにか 甘い 甘甘 甘いっ
ちょ 待って 甘いの
ねぇ 甘甘い ねえって 甘い
俺 何か きみ 甘い 君の 甘甘い
だ か ら
君の役に立ちたいんだ
「でも」
でも何よ 甘いの
「でも」
大丈夫 言って 大丈夫 俺は 甘いのの味方
「 」
むり? どうしたの? 俺の 甘いの。
「 でも」
そうかぁ でもね 俺は 君と
一緒にいたいんだ あの 小さな部屋で
別々じゃなくて 一緒が 良くない?
大丈夫 俺は
甘いのが
甘いのであれば
なんでもいいんだ
「 甘く」
ん?
「なかったら」
え?
んん?甘くなかったら?
えーーーー
難しい問題だな。
しかし
しかし俺は
甘いのが甘いから好きなのかしかし
始めはやはり甘いから
でも甘くなかったら死んじゃいそうなのも事実
うーん
うーん
甘いのが 甘くない
甘いのが あまくないのか
しかし彼女がもし
もし甘くないとしても
甘くない彼女だとしても
もう 俺は
ねぇ?
あら?
あれれ?
俺の 俺の甘いのは?
あれ?
ゆ、夢??
「あれ?」
夜だ。夜に起きるのは久しぶりだ。
いつも夜はぐっすりだからな。あの甘いの来る時も寝てるし。
わざとじゃね?
それにしても………夢?????
しかしそれから
俺の甘いのは初めての長期家出をしたのだった。
どこ。
甘いの。




