猫のお絵かき
たまきちくんはお母さんのつぶやきを聞きました。
「猫という字は、描くに似てるわねえ」
そういって二つの字を書いてくれました。
猫 描く
左はネコで、右は絵をかくときの描く
そういえば、字の左のほうがちょっと違うだけのようです。
たまきちくんは、いいことを思いつきました。
昼寝をしていた猫のタマをつれてきて、前足に絵の具をといた水をつけてみました。
タマは足をプルプルさせたので、まわりに絵の具が飛び散りました。
「だめかー」
「よし、じゃあ」といってタマのしっぽをつかみました。
しっぽに絵の具をつけようと思ったのです。
でもタマが怒ったので手をはなしたら、逃げて行きました。
「やっぱりだめかー」
「猫が描く」のではなく「猫を描く」のかなあ
たまきちくんは、画用紙と絵の具をもって、昼寝をしているタマのところにもう一度いきました。
タマは一度目をあけてたまきちくんを見ましたが、たまきちくんが座っていたので安心してまた昼寝をはじめました。
たまきちくんは静かに猫の絵を描きはじめました。
タマはしっぽを抱くように丸くなって寝ています。丸を描きました。
あっ、タマが動いてしまいました。
今度は横に手足を出して横寝です。「に」という字に似ています。
「に」!!
たまきちくんは、タマがぐっすり寝たのを確かめると、筆に絵の具をつけてタマの背中に塗ろうとしました。
でも、タマはすぐ気がついて逃げて行きました。
「猫に描く」でもなかったようです。
感想をいただき、「猫を描く」に少し追加いたしました。ちい華さんありがとうございました。