始動
未だに一部の機能の使い方がわからなくて苦労してます。
あと考えずにすらすら書いてるので、あとから見直した時にキャラがブレてるような気もします。
なんか変だなー、と思ったらこっそり修正してますが、大筋は決まっているので内容はおかしくならない(多分)と思います。
◇王都・西の平原〈ワイルド・ボア〉の住処
俺がワームを倒した後、サリー達も問題なくボアを片付けていた。俺が不注意で死にかけたことを除けば問題はないようだ。
ミーナも落ち着いて来たし、とりあえず一度話をしておいたほうがよさそうだ。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「すまなかったメイザース。まさか『デコイ』が効いていないとは思わず、危うく君を死なせてしまうところだった…」
合流してすぐに謝罪をしてくるアレク。
だが彼の真摯な瞳には、確かな感情の揺らぎが見えた。
「いや、その事はもういいんだ。こうして無事なわけだし」
彼のことだ。きっと自分を責めているのだろう。
だがそれは見当違いで、本当に反省するべきなのは戦闘中に油断していた俺なのだ。
……俺の後ろにいた神官様は優雅に御食事をしていたわけだが。
それよりも、伝えなければいけない事がある。
「実はさっきワームにやられた時に『傷痍系状態異常』が出てきたんだ」
この世界がゆっくりと牙を剥いてきている。何故かそんな予感がした。
◇王都西区・『羊の夢遊亭』
あの後情報の共有を済ませ、森には行かずに真っ直ぐ王都まで帰ることにした。
理由は単純で、情報不足だからである。
俺はある程度西側の建物を回ったがそれでも半分にも満たない。みんなは戦闘していたか、俺を探して門を見張ったりしていたらしいし、明日はそれぞれの『ギルド』にいく必要があるだろう。
今俺たちは『羊の夢遊亭』という宿屋で食事を摂っているのだが、このお店の肉料理は何故か原材料が不明らしい。
それと、食べ始める前にアレクから奢らせてほしいとの申し出があったので俺一人だけタダ飯である。もちろん容赦するつもりはない。
「なぁ、メイザース。本当に大丈夫なのか?」
ケイが気遣うように尋ねてくる。もちろん体のことではないだろう。そちらは治癒済みなので、
彼が気にしているのはもっと精神的なところで、『死にかけたのに本当に大丈夫なのか』ということだろう。
「うん、大丈夫だよ。もう落ち着いたし」
心配をかけたね、そう答える。実際は今思い出そうとすれば鮮明に思い出せてしまうくらいには気にしているのだが、だからといって気にしても何も変わらないのだ。
明日の方針については街に帰ってくるまでに話を終わらせた。
今は打ち上げみたいなものだがほぼ食事会である。
ケイとサリーはお互いにボアと実際に戦闘した時の感想や改善点などを話し合っている。
ケイはゲーマーでありながら運動が得意な人間なのでこちらでも問題なく前衛が務められている。サリーの身のこなしもかなりのものだし、そういった意味でもうちの前衛は優秀だろう。
「呑まないとやってられませんよ……おかわり」
「…ミーナ、飲み過ぎ…もうそのくらいにして……」
横から声がしたので見てみれば、ミーナが完璧に出来上がっており、横に座るナディアがこれ以上飲ませまいと悪戦苦闘中だった。
アレクはというと、シラフではやってられないらしいようで先程から浴びる程飲んでいるのだが、お酒にはめっぽう強いようでまったく酔っていない。俺はというとお酒は飲まずに適度に食事をとっている。
「この焼き串美味いな…おかわり」
肉の脂と程よい塩加減がたまらない。今度からは必ずコイツを食べよう。
「メイザース。それ、何本目だい?」
アレクが呆れたような目でこちらを見つめて来る。
………20本目です。
◇side ケイ
初日に雑魚狩りを飽きるほどやって自信がついた。ゲームじゃなくても俺はやっていける、ちょっとしたミス程度はなんの問題もないと思っていた。
俺が攻撃役でアレクが壁役。サリーがサポートと索敵をし、後衛のメイザース達が的確な支援をしてくれる。ゲームの頃はそうだったし、こっちでもみんな問題はないと思っていた。
でもそうはならなかった。自分の役割に努められたし、連携もできた。被弾もなく安定して倒せた。でも、メイザースは危うく死ぬところだったのだ。
ほんの少しの油断。慢心という無意識の隙間で仲間を失うところだった。ただその一点だけが今回の問題で、だからこそ自分の至らなさに腹が立ってしまう。
とても単純な話でどんな事にも必ず優先順位が存在する。戦闘において敵の数を減らす事は重要だと思うが今回のボアはまだまだ弱い部類で後衛職であっても対処できるレベルだった。
もっと気を引き締めなければいけない、そんな言葉は誰の耳にも届かずに彼の口の中で消えていった。
このまま行くとバッドエンド一直線だったので少し修正してたら数週間経ってしまいました。
今日から不定期更新再開させていただきます。