図書部・・・・・・前途多難
俺は今、妹たちと朝ご飯を食べている。
いつもだったら、急いで食べて部活の朝練に行くのだが
そんな必要はなくなったので、ゆっくりと味わいながら食べている。
この卵焼きうまい・・・さすがだ妹よ。
だからなのか、なんでゆっくり食べてんだ?みたいな目でにらまれている気がする・・・怖い。
しばらく無言だったが、美月が話しかけてきた。
「なんで、そんなにゆっくり食べてんの?」
うーん、なんて答えようか。
図書部に入ったって言ったら怪しまれて、仲良くできなさそうだし。
一瞬悩んだ俺は
「えーっと、今日は休みだったはず・・・」
おいおい、何言ってんだ俺、ぼけてるじぃさんみたいな回答はさすがにやべぇー。
自己嫌悪に陥っていると、また話しかけてきた。
「兄貴さー昨日からなんか、あたしたちに隠してない?」
ぎくっ、あからさまに反応してしまいました。
まぁ仕方ない。だって俺は妹に関してはヘタレだもの。
そんなことを考えていると普段話さない妹ーーー音優が話しかけてきた。
「そうですよ兄さん、なんかあるんだったら話してください」
そんなこと言われてもな、しゃべったら俺の下心があけすけにみえてしまって
兄ちゃんと仲良くしたいって思ってくれないだろう?
俺としては隠せるとこまで隠し通したいんだよ。
ここはとりあえず当たり障りのない感じでいこう。
「そーだなぁ。最近シュートをミスりすぎてて・・・」
そう言うと妹たちはしらけた顔をして
「だと思ったー。ほんと兄貴は兄貴だよなぁ」とか
「そうですね。やはり、バスケ馬鹿はバスケ馬鹿でした」とか
口々に言っている。ひでぇー
普段の俺はバスケのことしか頭にないとおもわれてんのか?
なんかショック・・・。
その後俺は妹たちより少し早く家を出て学校に行った。
新学年に上がったからなのか、いつもの景色が新鮮に見えてしまう。
そんなことを考えながら廊下を歩いていると、がやがやした声が聞こえてきた。
その声に、引き寄せられるようにして
教室に入ると、光暉たちがなんかしゃべっていた。
光暉が俺に気づき、「よー悠太」と話しかけてきた。
そこで、ほかのメンバーも「聞いたぞ悠太ー」や「悠太最高ーぎゃははは」とか言ってくる。
思わず「なんだぁ?」と問いかけると、どうやら光暉が部活のことを話してしまったらしぃ。
そこではっとした
このままいけば俺が図書部に入ったことが妹にばれ、なかよくできなくなる。
そのことに気づいた俺は奴らを一列に並ばせ
「お前ら、俺が図書部に入ったこと一切他の奴らに話すんじゃねえぞ」
脅しをかけるように、低く囁くと奴らは顔を真っ青にした。
「なんでだ?ゆ、悠太・・・」
そのうちの1人が聞いてくるもんだから、さらに声を低くして
「あぁ?なんか文句あんのかぁ?」と
どっかのヤクザのセリフをまねしたように言うと
彼らは、首が取れるんじゃないかというくらいに横に振っていたので
まぁこれでしばらくは黙ってるだろと思った俺は彼らを離れ、まだ新しいクラスになって間もないので
席に着いて授業の用意をして待つことにした。
中島光暉ーーー
みんな、さっきの俺たちのやりとりを見て分かったと思うが、悠太は怖い。
普段は、普通に俺らとしゃべっているが、ふとした瞬間に怖ぇーときがある。
とりあえずみんなには、俺から見た悠太を話していきたいと思う。
まず、俺と悠太が仲良くなったのは中学の頃で理由は部活だ。
そのときから、悠太はバスケが上手くて俺の憧れだった。
けれど、はじめから悠太と仲が良かったわけじゃない。
あることがきっかけで、だんだん仲良くなっていき、気づいたら親友ってところまで仲良くなっていた。
悠太は自分で分かっていると思うが、イケメンだ。
男の俺から見てもすげぇー顔が整っていると思う。
あいつは知らないと思うが、新しいクラスになったとき悠太と一緒になれなかった一部の女子の落ち込みようが半端なかったし、逆に一緒になれた女子はめっちゃ喜んでいた気がする。
それにあいつは頭も良い。
だってな、バスケでとても忙しぃはずなのに、定期テストや模試ではいつも上位だし、
ほんとにいつ勉強してんだろと俺は思う。
しかも他クラスにいる妹さんまで美人とか羨ましすぎる。
あまり妹さんと話したことはないが性格は悠太と違っておとなしく控えめという印象だ。
くそっ、むかつくぜ・・・。
だからなのか、そんなハイスペック親友が図書部に行くということが許せない。
昨日は仕方ないといったが、本当はいますぐにでも帰ってきてほしぃというのが本音だ。
他の奴らもおんなじ気持ちだと思う。
なぁ親友・・・。俺はお前の隣にいたいんだよ・・・。
有栖川悠太ーーー
気づいたら今日はもぅ授業が終わり、放課後、光暉たちを見送り
覚悟を決めるように「はー」と息を吐いた俺は
さっそくかばんを肩にかけ、重い腰を引きずるように部室を目指した。
桐谷によると、部員は4人で幽霊部員はそのうち2人だそうだ。
そして意外なことに俺を含め全員が新2年ということらしい。
それに、だ。4人ともなんか変わっているというか、性格に難があるらしい。
そこで俺が桐谷から下された任務は、まず全員を部活に出席させることだ。
正直言って全く自信がない。
いったいどうすればいいんだ?なんて考えていると、
第一準備室と書かれた看板が見えてきた。
どうやら、ここで図書部は活動をおこなってるようだ。
扉の目の前にたち、「ふー」っと深呼吸をして、がらっと勢いよく俺は扉を開けた。
そこには、壁一面に本がずしりと並んでいて、ここが図書部だと、この景色をみた誰もが答えるような内装。そして、奥にはあらかじめ2人で準備したであろう5つの机がきれいに用意されていてた。
そしてそれら机の前にはどっかの校長室にでも入ったのかと思うような
大きい正方形の机が置かれ、両サイドには、貫禄のある黒いソファが置かれていて
ソファには男と女が向かい合うように座っていた。
「貴様が新入部員の有栖川悠太か」
いきなり、貴様なんて言われどんなやつかと思い、男の方をみれば
キリッとした目つきで、毎日アイロンでもかけてんのかと聞きたくなるような
一切しわのない制服
見るからにまじめそうで、堅物と思われるめがね野郎が座っていた。
とりあえずここは、なるべく穏便にいこう。
「そうだけど、そういう君の名前は?」
「ふんっ俺の名前は天王寺総司郎だ」
まじか・・・いまどきすげぇー名前のやつがいるなぁ。
まぁ初対面だし名字で呼ぼうか
「天王寺、よろしくな」
「ふんっよろしくしてやらんこともない」
こっこれは一癖も二癖もありそうだな・・・。
「こらこら天王寺そんな言い方勘違いされちゃうわよ」
突然横から口をはさんだ、大人っぽい女の声ほうをのみると
ゆるーくふたつぐくりにした、ふんわりと微笑む美人が座っていた。
「有栖川ごめんね?天王寺はすごい恥ずかしがり屋だから」
この子は常識人っぽいなぁ。
「気にしてないよ。そういう君の名前は?」
「あぁそうだったわね。私の名前は松下穂高っていうのよろしくね?」
「こちらこそ」
そういうと、松下に座って座ってーっと促され、天王寺の横に腰掛けた。
なんか、天王寺が「貴様、なぜ座る」とか呟いていたが無視だ無視。
「有栖川さっそくで悪いんだけど、うちの図書部について3人で考えていきたいと思うの」
「そうだな松下、聞くとこによると廃部寸前らしいし」
「貴様の言うとおり人数的にも部活ランキング的にもこの部は、廃部目前というわけだが・・・
どうする?」
「俺としてはまず、幽霊部員をなんとかしたいんだけど・・・」
桐谷からの命令だし・・・。
「そうね。たしかにそっちを優先した方がよさそうだわね」
まずは、2人を知らなきゃ、だよな。
「あのさ、なにも知らなくて悪いんだけど、幽霊部員の2人ってどんな人なんだ?」
「うーんそうね、1人は清水飛鳥ってやつで一言で言うならゲーマーかな」
「奴はゲームのために、ゆるそうな図書部に入るサボり魔みたいなおとこだ」
「へぇー」
「そしてね、もう1人は田本丸子って子でいわゆるアニメオタクなの」
「そいつは、奴ほどサボり魔ではないが、幽霊部員と言われるぐらいにはサボり癖がある」
「そうなんだぁ」・・・十分サボり魔だな。
「そんなサボり癖のある人たちを動かすの難しくないか?」
「でもね有栖川、この2人にはある1つの共通点があるの」
「なんの?」
「それはねぇ・・・・・・面白いこと大好き人間ってところよ」
「はぁ・・・それがどうしたんだ?」
「貴様分からないのか」
「なにがだよ」
「この性格を利用すればどうにかなるはずなのよ」
「こいつらは面白いことがあればすぐ食いつくからな」
「そうなんだ?仮にそうだとして、どうやって利用するかだよな-」
「えぇそうよ。そこで私たちは悩んでいるのよ」
「とりあえず、意見でも出し合うとするか-」
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そうして話し合っているうちに下校時間になり
俺たちは各自、次の部活のときまでに考えてくることになった。
小説はむずかしい・・・。
正直、直感で書いてしまいます。だからなのか、イメージ通りの感じにならない・・・。
もうちょっと、かっこいい感じにしたいけど、ラノベっぽくなってしまう・・・。補正がかかっているのだろうか。そう思えてならない今日この頃です。
あと、ポイント入れてくれた方ありがとうございます。