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カクヨム、noteではじめる小説家、クリエーター生活  作者: 坂崎文明
2019年

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「ホモ・パンツたちへ がんばれよ!と贈る本」栗本慎一郎/暗黙知、自分の才能に悩む若い人向けの本

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天才と宇宙と海


 からだの奥にある「大きな力」


 人間のみならず、生物はすべて、生まれながらにして”この世のすべて”を理解する力を持っています。それは動物だけではなく、植物さえもなのです。

 ここ二十年ほどの哲学や自然科学の展開を私なりに見て、その成果を要約すると、この冒頭の二行のようになります。もちろん、哲学も物理学もこのようなことばで語っていませんし、最先端をゆく学者でも、私のまとめに首をかしげる人もいることでしょう。しかし、あっさり断言すれば、それらの学者たちが自らの仕事の意味を「ことば」で十分理解していないからです。ノーベル賞を取った学者でも、自分の研究上の業績が科学の歴史において正確にはいかなる位置にあるかを知らずに受賞する人もあるように、自分の研究がなぜ今日注目されてきているかをわからない学者が多いのです。

 だが、私に言わせれば、すべての人間は「深層の知」を内部に有する天才ですから、その一部分であっても外に表すことができれば、”素晴らしい”業績をあげることができます。

 「深層の知」とは、我々がか体の奥底に持っている非言語的な知識の力――ことばにならないが知っているという力です。それは、生命の力と言い換えてもいいのです。つまり、我々は自分が心臓を動かすことを意識して動かしているものではなく、我々の知らない体の奥底の力によって動かしているのですが、そのような力がものを理解するときにも働いていることが知られています。知られていないという学者もいますが、駄目な学者です。その総体を、ここで「深層の知」と言っているのです。


(中略)


 人類は、その創世のときから、つまり、アインシュタインの”発見”よりずっと前から、時間や空間は相対的なものであり、宇宙は無限大であると同時に我々の体内の小さな細胞の一部に含みこまれるほど小さい無限小のものでもあることをも知っていました。ただし、それを「ことば」を用いて、他人に知らせたり、記録したりすることはなかったし、頭の中でさえも言語的に思考を組み立てたりはしなかったというだけのことです。

 これまでは、頭の中で「ことば」を用いて組み立てられていない知識では、知っていないことになる、と思ってきました。しかし、それは間違いなのです。


「ホモ・パンツたちへ がんばれよ!と贈る本」栗本慎一郎著より引用。

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)

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 この文章は東欧ハンガリーの物理化学者にして、ノーベル賞目前で科学哲学者に転身したマイケル・ポランニー(アシュケナージユダヤ人)の暗黙知理論のやさしい解説です。

 マイケル・ポランニーのお兄さんは、ジャーナリスト、経済史家であり、経済人類学者のカール・ポランニーなんですが、奥さんは超美人なんですが、社会主義革命の過激派リーダー?という女傑で、カール・ポランニーは彼女の活動資金援助で大変だったようです。

 カール・ポランニーはドイツで経済紙の記者をしていた時に、若きドラッカー少年に出会って影響を与えて、後に家族ぐるみの付き合いをしたという話が、「傍観者の時代」(ドラッカー著)に書かれているらしいのですが、僕は見てない。また読んでみます。

 栗本慎一郎氏の話ではドラッカーはポランニー家の人々のことを「天才だ!天才だ!」と絶賛しすぎているらしいのですが、確かにヨーロッパにはポランニー家を研究するポランニー協会があるらしいです。僕も以前、検索して見つけたのですが、まあ、今は知らない。

 確かに孫のジョン・チャールズ・ポランニーが、1986年にダドリー・ハーシュバック、李遠哲とともに、化学反応素過程の動力学的研究への貢献によりノーベル化学賞を授与されています。天才一家なんだろう。

 ポランニー幼稚園にアーサー・ケストラーも通っていて、ホロン理論野元ネタはマイケル・ポランニーの「層の理論」(暗黙知理論)です。



ジョン・チャールズ・ポランニー

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)




 ドラッカーのいう知識社会というのは、マイケル・ポランニーの暗黙知理論から、社会生態学者と名乗るのはカール・ポランニーやマイケル・ポランニーの生命論の影響が濃いですね。



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「私は自分が何であろうとしてきたかを知っている。私は自分が社会生態学者だと思っている。自然生態学者が生物の環境を研究するように、私は人間によってつくられた人間の環境に関心をもつ」(『すでに起こった未来』)



社会生態学はすでに起こった未来を見る

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)

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1042夜『暗黙知の次元』マイケル・ポランニー|松岡正剛の千夜千冊

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)



第13回:胎動しはじめた社会的経済 ~よみがえるK.ポラニーの思想

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)


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カール・ポランニーの一生は、実質的な流浪生活だった――居心地のいい教授職を得たこともない――この放浪経済史家は、それでも象牙の塔の同時代人たちに対して強い影響を与えた。ポランニーはウィーン生まれのブダペスト育ちで、学生時代にはジェルジ・ルカーチやカール・マンハイムといった天才過激派たちの集団に参加。第一次世界大戦中にロシア戦線で捕虜となり、釈放されるとジャーナリストとしてウィーンに帰還した。1933 年にイギリスに移住し、英語教師としてその日暮らし。1940 年に、アメリカの講演旅行中に、ポランニーはベニントン大学からの招きを受けることにした。ここでかれはその大力作『大転換』(1944) を書き上げた。


 ポランニーの中心的な理論は、社会学者や経済史家の間では有名だ。つまり、資本主義は歴史的に見て異常な存在だ、ということ。それまでの経済的な仕組みは、社会関係に「埋め込まれ」ていたけれど、資本主義では、その状況が逆転している――社会関係のほうが経済関係によって規定されている。ポランニーの見方では、人間の歴史の中では市場関係なんかよりも相互関係、再分配、共同体の義務なんかのほうがずっと頻繁だった。でも、資本主義はそうした様子を見せないどころか、その台頭によってこうした関係は後戻りできないほどに破壊された。産業革命の「大転換」は、あらゆる相互関係のあり方を市場で置き換えてしまうことだった。



カール・ポランニー (Karl Polanyi), 1886-1964

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)

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 この時代、ハンガリーのブダペストに今の文明を作り上げたコンピューターのフォン・ノイマンたちなどのアシュケナージユダヤ人系の天才たちが集結していたらしいです。

 そこは栗本慎一郎氏の著書「ブダベスト物語」を読んでもらえればわかる。

 


ブダペスト物語―現代思想の源流をたずねて

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)




 その中心にいたのがブダベストのガリレオサークル(フリーメイソン左派らしい?)という学者の連合なんですが、カール・ポランニーとか、オーストリアの物理学者、科学史家、哲学者のエルンスト・マッハ(超音速の「マッハ」という単位の人)という人がいたりします。

 エルンスト・マッハという人が凄い人で「相対的認識論」というものを唱えて、アインシュタインの相対性理論の思想を99%完成させていた人です。


 フランスのソシュールの言語学、構造人類学などの成立にも深く関わっているというか、エルンスト・マッハの「相対的認識論」がその後の学問の流れを変えてしまうのです。


 つまり、相対性理論などには元ネタ本がありまして、こういう本を当時の物理学者や哲学者は読んでたか、講義を聞いて共有していたと思われます。ということが、僕の二十歳ぐらいの大学の卒業論文に書かれています(爆)



感覚の分析 (叢書・ウニベルシタス) 単行本 – 1971/10

エルンスト マッハ (著), E. Mach (原著)

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)


認識の分析 (叢書・ウニベルシタス) 単行本 – 2008/7/1

エルンスト マッハ (著), Ernst Mach (原著)

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)


時間と空間 (叢書・ウニベルシタス) 単行本 – 2008/7

エルンスト マッハ (著), Ernst Mach (原著)

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)



 ハンガリーなんて東欧の貧乏国でしょう?という人がいるとは思いますが、オーストリア・ハンガリー帝国という世界の頂点の王族や富裕層が集結していた当時の世界最高の都市のひとつだったんですね。パプスブルグ家とかいう凄い人々がいた。


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オーストリア

ヨーロッパ中央部のドイツと同じゲルマン系国家。ハプスブルク家神聖ローマ帝国の本拠であり、首都ウィーンを中心にオーストリア=ハンガリー帝国を形成、中欧の大国の多民族国家となった。第一次世界大戦で敗北し、支配下のハンガリー、チェコなどが独立したため、領土を縮小させ共和国となる。ナチス=ドイツに併合された後、永世中立国として再出発した。


オーストリア/オーストリア=ハンガリー帝国

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)

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 このアシュケナージユダヤ人の天才たちがドイツ、フランス、イギリス、米国と移動していく所で科学文明が花開いていきます。

 カール・ポランニーもドイツ、イギリスなどを経て、最後はコロンビア大学に落ち着きますが、ドラッカーもドイツなどを経て米国に渡ってますね。

 

 アインシュタインとかノーベル賞を取る人々は確かに天才なんですが、それは天才の中でもパラノイアと呼ばれる一部の天才にすぎない。ただの目立ちたがり屋だとも言える。

 実は世に出ることもない天才は近所にごろごろいる。気づかないだけである。


 例えば、僕の株の師匠である倉敷市のM氏(だれじゃそりゃ?と言われそう。古代の役所である屯倉〔みやけ〕を管理していた古代氏族の末裔)は昔ながらの相場師の技法を使って、三菱重工業の株だけで生活していてる。僕が台湾旅行に行ったら、師匠の台湾人の彼女が出てきて(日本語学科)、地元の台湾の料理店で一匹三千円の北京ダック(地元価格。実は日本人はかなりぼったくられてる)をご馳走になったりした。今は台湾に半分移住してるというか、日本にも帰って来てると思うが、最近は会ってないので消息を知らない。

 彼の投資技法は三ヶ月ぐらいのグラフの波動を捉えて儲ける「うなり取り」で相場師の基本である。株が上がる前に買っていって利益が出たら売り、下がったら信用取引で売って、下がりきったら買いなおして決済するという単純なもの。

 ただ、僕は彼の話を理解はできるが実践は難しいし、毎日、相場師の三種の神器の玉帳、場帳、グラフを描いて「相場感覚」(変動感覚)を磨くことが必要です。

 本格的に学びたいなら、参考書もあるし、林投資研究所という所が発行してる本がいいと師匠が言ってました。


 

あなたも株のプロになれる―成功した男の驚くべき売買記録 単行本 – 1987/4/1 立花 義正 (著)

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)


投資初心者から上級者まで投資家をサポートする林投資研究所投資初心者から上級者まで、自立する投資家をサポートする林投資研究所の公式サイトです。プロの売買技術を学ぶためのコンテンツ

(小説家になろうの規約により外部リンク削除)



 ということで、暗黙知理論と栗本慎一郎の本と僕の大学の卒業論文(長いので一部)の紹介でした(笑)

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